表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/130

3-10 使い手の誤算

そして、次の月の、モデル業界誌のランキングを見ていたアネットは、1位は変わらず、オービスであり、2位は、アネット、そして3位と4位には、あの姉妹2人が、5位は、アンティアであった。


そして、改めて、その、自分を含めた5人の顔をしみじみと見ていた。それというのも、オービスは、コトールルミナス人とのハーフで、その血が流れているし、自分は、元々日本人ではなくて、コトールルミナス人なので、納得できるものであったのだが、どうも、あとの3人に関して、オービスと自分と、これほどまで同等の勝負ができるとは、すごい日本人がいるものだと思ったのだったが、やはり、どこか納得がいかない。それにしても、いったい何が違うのか、どのような方法によってこれほどのランキングに食い込んできているのかと思ったのだった。


そこで、まず、あの姉妹と直接、同じ現場でできる仕事をコスメに手配してもらった。実際に見た2人は、とても若い。自分も日本人の年齢に当てはめるなら、19才なのだが、この2人も姉が20才で妹が19才。そして、現場では、本当に異彩を放っていた2人であった。やはり、他のモデルとは、綺麗さのレベルが違う。しかし、その現場で、初めて会った2人も、アネットに対して、相当に只者ではないと感じていたようだ、その感じ方は、お互い様であったのだ。ただ、その理由は、2人ともわからない。次に、もう1人のモデル、アンティアだが、会ってみると、圧倒的な綺麗さは言うまでもないのだが、オービスとアネット、そして、姉妹の2人とは、アンティアは、1人だけ、また違う感じがしたのだった。これも、また何故なのかはわからない。とにかく、そのアンティアの雰囲気が、どこかで一度体感したように感じられた。


アネットは、まずは、イレーネに、美と命の水が、もはや日本国内にはないことを告げると、これからどのようにしようか、などと相談をしていた。しかし、あとひと月で、プリンセス就任の日が来てしまう。オービスの帰国も、美と命の水を取得することも、そのどちらももう不可能に近い。刻々と、期限は迫っていたのだった。


今からできることは、オービスへの説得のみである。しかし、オービスに帰国と次期プリンセスの就任の説得をするためには、自分たちの秘密を、明かさければならない。すると、コスメにも同様に、その秘密を明かすことになる。あとは、タイミングの問題である。


一方で、オービスとの対決を目標としていた、2人の姉妹、バイオレットとリリアナは、業界誌ランキングでは、オービスより下にランクインしていたが、とにかく直接対決をしてみなければ、その勝負はわからないとばかりに、同じ現場で、3人は、ついに衝突をするのだが、そこにいたモデルたち10人の中で、オービスは、審査員全員の評価という圧巻の勝利を飾った。それでも、2人は、同率2位を獲得したが、敗北を認めざるを得なかった。

これで、2人の目的も見事に砕かれて、2人は、とりあえずあきらめるのだった。しかし、モデルになった当初より、2人とも、その対決に対する気持ちは、なぜか少しずつ薄れていたことも認めざるを得なかった。


ある日、モデルの仕事が終わると、モデルラボに戻るアネット。そして、コスメが、福良葉と何か打ち合わせをしている。すると、

「福良葉さん、金庫からBMの書類を持ってきてちょうだい。」

「了解です。」

金庫を開けて、書類を出し始めると、

「そうだったわ。量が多かったわね。悪いけど、アネットも手伝ってあげて。」

「はい。」

2人で金庫から書類を出している。

「ずいぶん、あるわね。」

すると、突然、コスメが、

「きゃー!だれかー、きてー!泥棒よー!」

こちらを指さして、悲鳴をあげるコスメ、

「えっ!泥棒?どこどこ?」

「違うわよ、アネット!泥棒は、私たちのことよ。」

「誰かー!」


はっ、として顔を見合わせるアネットとイレーネ。しまった。イレーネは、小さなカプセルをとり出すと、コスメに向けて、指でつぶす。すると、コスメに向けて、ガスが放出されて、コスメは眠ってしまった。

「危ないところだったわ。今、記憶の隙間にある本来の意識が出てきて、私たちを知らないという本当の意識が出てきてしまったわ。やはり、国の人間とは、脳の構造が違うのね。たった今、数秒だけど、知らない人がいた、という新たな記憶が植え付けられてしまったわ。それなら、仕方ないわ。あまり、やりたくないけど、記憶のタイムバックをやるわ。」


何か機械を取りに行くイレーネ。すると、

「そうね。10分以上前だと難しいけど、5分前だったら確実にできるわ。」

すると、イレーネは、ノートパソコンに近い形状の機械から電極を2つ取り出すと、コスメの頭に取り付ける。それを見て、アネットは不思議そうに、

「それは何?」

「これは、タイムバックといって、今、5分前に記憶を戻すのよ。そうすれば、たった今、私たちが誰かわからなかった記憶がない5分前の記憶になるの。そうすれば、私たちのことがわからなかった意識がなくなるのよ。とても危険だし、難しいけど、まあ私なら失敗しないから、大丈夫よ。まあ、でも、これは、事前に起こることが、20%の確率で予想されていたから、準備しておいたけどね。それから、このままだと、おそらく、記憶の消失現象が早く起こりそうな兆しが見えたから、危ないわ。


やはり、他国の人間に、メモラーを使うのは、初めてだから、気にはしていたけどね。6カ月の予定で設定したのだけど、ひと月早くなって、たった今、記憶の消失現象が始まるところだった。本当に危なかったわ。やはり、他国の人間とは、思考回路の仕組みにズレがあって、期間の設定が我々とは異なるのね。ひと月のズレがあったわ。まだ、記憶の消失はたった今、起こり始めるところだったから、記憶がなくなるのをストップして、1ヶ月遅らせたから、今度、目覚めたら、記憶はそのまま消えてないから大丈夫よ。あとは、私たちが帰る時には、ぜんぶ消すけどね。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ