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3-9 シナリオの行方

話しは、戻って、エミリアこと、二宮 灯の本を、あの水のことを聞くために訪ねていたアネットは、コスメの記憶を操作して、彼女の娘になりすまし、モデルラボにて仲間と調査していることを、とうとう明かしてしまう。それに驚くも、自分もあの水を勝手にもらってしまった負い目から、事情を理解した灯。灯が持ってきてみせてくれたビンには、水はもう残っていなかった。


「このビンには、もう残ってないわね。ただ、これを捨てなかったのは、このビンが高級で綺麗だったからよ。別にあの水が残っていたからではないの。」


そして、それは、紗月の持っていたのと同じ、神林美容研究所にて製造販売された「肌が覚醒する飲む美容水」の入っていたガラスビンだった。これは、モデルラボでは、あの美容水をモデルのためにいつも購入していたからである。しかし、これで、万事休す。美と命の水への望みは絶たれた。もう、日本の国内には、この水は存在しないのだ。国の泉から、湧き出るのは、あと20年は先なので、もはやあとひと月後の就任には間に合わない。


それに、今回のアネットの任務は、もう一つあった。今回の就任には、今期、プリンセスであるエレンが、オービスを、今回、帰国させて、次期プリンセス就任に説得させることも、大変大きな任務であった。しかし、そのことを説得させることも、まだ帰国させる話しすら、行なっていない。そのためには、自分たちの素性を明かすことが必要だからである。


アネットは、美と命の水を飲んだのちのオルガの顔の進化はみたことはあるが、日本人が飲んだら、どうなるのかを、知らなければならなかった。そこで、アネットは、過去の、本当の獅子童灯の素顔を灯に見せてもらうことにした。その違いは、オルガの時のそれとは、比べ物にならない。


正直言って、母国の人間が飲んだ場合は、まさに、美のバージョンアップというようなレベルのことと認識していたのだが、日本人の場合では、全く別人のレベルであり、これはもう変身と言ってもいいくらいの、かけ離れた進化であった。


そして、さらに確認された、オービスとの対決の一度負けた時の顔と、次にすべて飲んだあとの顔が、初めの変身の5倍から10倍くらいまでの違い、進化を思わせていた。コトールルミナス人は、もともとがその命を美に費やしている生き方なので、やはりそこまでの違いはないのだとは思っていたが、日本人のあの水を飲んだあとの変化には、奇跡としか思えなかった。


それにしても、アネットにとって、その驚きはとても印象的であり、母国の人間と、日本人との、あの水を飲んだあとの違いが頭から離れなかった。しかし、そのことが、のちにとても重要な事柄として、浮かび上がってくる。灯にお礼を言うと、アネットは憔悴して帰っていったが、これから、自分は具体的にやることを考えなければならなかった。


「今回は、美と命の水は、見つけられませんでした。もう、すでに、手がかりはなく、誠に申し訳ありません。自身の今後にも大きく影響はありますが、あとは、オービスの帰国と次期プリンセス就任の説得に力を尽くします。」


とりあえず、アネットは、母国の担当官に、このように、報告をしていた。それは、あの水が見つからなかった今、母国内で今後の対応を考えるためであった。


あとは、オービスのことを、たとえ説得できても、就任に必要な、あの水は、もはや手に入らない。もはや、できることは、もうないのだろうか。


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