3-7 コトールルミナス国の危機
コトールルミナス国では、数百年ぶりの大地震により、国の中枢部の建物が破壊されて、修復工事が進んでいた。そして、その中枢の一部の建物に、不審な人物が潜入したとの警報があった。警官が数十名建物に駆けつけると、美と命の水のビンが納められた建物が壊れかかったところから、そのビンを持ち出した不審者は、建物からの脱出を図っていた。ギリギリで、脱出手前で不審者を追い詰めた警官たち。
「こんな建物なんて、滅多に入れないからな。試しに入ってみたら、なんだか高そうなビンがあった。これは、売ったら高く売れそうだな。もらっていくぜ。おっと、こんなに多くの数の警官は見たことない。ってことは、かなり、重要なものなんだろ、これは。おーっ、と、俺を今、捕まえようとしたら、このビンを叩き壊すぞ。」
すると、警官の1人が、銃のようなものを取り出すと、不審者に向けて発射した。すると、プーーツ、という音と共に、ガスが不審者を包み、不審者は倒れた。それは、警官が使用する特殊なガス銃であり、犯人を傷つけずに、あっという間に眠らせてしまう。
しかし、ビンは、すでに少し開封されていて、犯人が倒れたと同時に、ビンは、床に激しく落ちて、中身がすべてこぼれでてしまった。この一件により、美と命の水は、なくなってしまったのである。
そして、約半年後の、次期プリンセス王位継承の儀式を行なう際に、黄金の壺に、その水を注ぐ儀式で不可欠であった、この水は、この国に、古代から伝わる、オリリナース山の中にある泉に、100年に一度湧き出す奇跡の水であり、この時点で、あと20年待たなければならなかった。
そこで、緊急会議が行われた。
まず、1人が、これまでの調査結果を報告した。世界中、どこかにこの水を間違って、残しているか、どこかの国での情報がないか。この水は、何十年たっても決して腐らない。どれだけ昔から、世界中のどこかに間違って存在したとしても、水はいつまでも生きている。そして、世界中を調査した上、数年前に日本国内で、その水について関連した最新情報が発表された。しかしながら、かなり信憑性は薄い。だが、王位継承のことと、あと20年、泉の水を待たなければならないことを考えると、まずは、日本に行くという選択肢しかありえない。そして、その追加情報により、日本国内の、都内にあるモデルラボというモデル事務所に非常にかかわりが深いことが調査の結果、判明した。
そして、まず、プリンセスからの発言があり、
「この度の対策としては、日本国内の、そのモデル事務所に潜入して、情報を集め、結果として、水を入手できれば、これが最短で最も有益な方法と考えます。」
すると、管理官補佐の1人が
「しかし、プリンセスは、簡単に言いますが、水そのものの目撃情報でもないし、しかも、モデルラボが、万が一、持っていたとして、簡単に手に入れるのは、難しい。かなりのリスクがあるのではないですか。」
「おっしゃることはよくわかりますが、他にも、もっといい方法があるなら、それを検討することも考えますが、それよりも良い方法がありますか。」
その管理官補佐は、言葉がなかった。
「それでは、今回、アネットをその任につかせます。アネット、宜しくお願いしますよ。」
「了解しました。この、アネットが、この任務を遂行いたします。しかし、そこで、私からの発案と、ぜひとも、許可を頂きたいことがいくつかございますが、よろしいでしょうか。」
「そうですね。これだけ、厳しい条件の中、ましてや、本当に手探りのこと、あなたからの話しを聞きましょう。」
「ありがとうございます。その事務所にかかわるには、モデルとして潜入するしかありません。そこで、その事務所で完全に信頼を得て、内部調査をしなければ、短期間で情報をえることは難しいと思います。ただ、モデルとして登録しても、内部情報に深くかかわるのは、かなり信頼できる者だけに限られてくるので、より信頼される立場に立ち、24時間調査も可能な立場に立つには、それ以上の関わり方が必要になってくると思います。」
「わかりました。アネットは、それで、そのための方法を考えていると言うのですね。そして、そのために、許可を望んでいることとは、なんでしょうか。」
「ご理解頂きまして、ありがとうございます。そのためには、どうか、メモラーの使用を許可して頂きたいのです。」
それを聞いた、会議に出席している管理補佐たちは、ざわつき始めた。
メモラーだと!それはあまりに厳しいのではないか、あまりにも危険すぎる、等々、多くからの不安が続出していた。
「たしかにメモラーは、使い方を誤ると大変に危険を伴う機器ではありますが、その使用ができなければ、短期間でその深い調査までは、不可能と考えます。」
黙って、苦しい表情のプリンセス、しばらく考えたあと、
「そうですね。私も、初めはこんなリスクの高い方法には、とても賛成できない思いもありましたが、今回のことは、ただ、あの水が儀式に関わることだけではなく、あなた自身の一生にもかかわるし、また別の大きな問題もからんでいるという、多くの問題があることを考えれば、そこまで必要だと、今、私も理解しました。それでは、メモラーの使用を特別に許可いたしましょう。」
「ありがとうございます。それでは、加えて、メモラーの最高のエキスパートである、イレーネ・エルメントスとの協力をお願いしたいです。」
「それは、その通り、あなたの言う通りですね。彼女がいれば、メモラーの使用がもっとも生かされると思うわ。それでは、イレーネを呼んできましょう。」




