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1-2 コトールルミナス国から来た美少女

ところが、その頃、彗星の如く現れた、1人の女性モデルがいた。彼女の名前は、オルガ。その第一印象は、まず、その吸い込まれそうな瞳と、その笑顔、そして、そのぬけるような、白く繊細な肌は清潔感があふれていて、多くのモデルたちの中にいても、すぐに目を引く美しさである。


19才の、その少女は、あっという間に、セシルに迫る勢いで、トップモデルにかけあがる。その後、メディアにも頻繁に顔を出すようになり、知名度は、セシルに迫るほどになっていった。


そうしたある日、偶然、セシルとオルガが仕事の現場で遭遇した。セシルを見つけるなり、駆け寄るオルガ。

「エレン!」

驚くセシル。

「エレン、私よ。わからない。」

「えっ、だ、誰ですか?」

すると、オルガの出番になり、その場をあとにして、その後は会うことはなかった。


ここからは、一年半ほど遡る。セシルは、実は本名を、エレン。フルネームを、エレン・ビクトリア・フランチェスカといい、オルガと2人の祖国は、コトールルミナス国という伝説の国である。地図にも載っていない国であり、資源は多く、とても発展した国であるが、他国との交流を嫌い、あえて、世界からその国の存在を認識されないようにしている。国の位置情報は、極秘の方法により、世界的に決して確認できないようになっている。世界の多くの人たちは、実在しないと認識しているので、伝説の国と呼ばれるのである。それが、国の平和のために、国を守るための、この国独自の方法なのである。


そして、ある調査のため、エレンとオルガと数人のスタッフは特殊潜航艇で、ある調査に出発するが予想外の嵐にあい、沈没し、スタッフは以前消息不明だが、エレンとオルガは、それぞれ、日本に打ち上げられて助かった。しかし、エレンは記憶をなくし、海岸を訪れていたカメラマン蓮津 光に助けられ、共に暮らし始める。オルガも、同じ頃、クルーザーに助けられる。


「おーい。あれをみろ。人が浮かんでいるぞ。」

「早く、引き上げるぞ。生きているだろうか。」

その、引き上げられた女性は、何かに捕まった状態で、幸い気を失っているようだった。

クルーザーには、父親と、その娘の2人が乗っていた。

「気を失っているのか。マッサージしたら、意識が戻るかな。若い女性だから、由香里、おまえやってくれよ。」

「あたしにできるかな。」

幸い、気絶していて、水を飲んでいなかったので、人工マッサージを行なったら、息を吹き返した。

「おいっ、大丈夫か。」

すると、目を開けて、意識を取り戻した。

「ああっ、ここは、どこですか?」

「ここは、今、海の上だ。あんた、気を失って浮かんでたんだよ。大丈夫かい。」

「えっ、いたのは、私1人ですか。他には、誰もいなかったですか?」

「ああっ。あんただけだったな。他にもいたのかい。いったい何があったんだい。」

やっと、我に帰った女性は、これまでのことを話し始めた。

自分は、ある国から仕事でスタッフと船で出かけたが、嵐にあって船は沈み、気がついたら、ここにいた、と。

「あなた、日本人じゃなかったんだ。それにしても、日本語上手だな。見た目も日本人かと思ったよ。」

仲間は、どうなったのかわからないので、連絡をしようと、スマートフォンのようなものを取り出した。

「だめだわ。壊れている。直すのに少し時間がかかりそうだわ。」

「えっ、いくらなんでも、直すのは無理だろ。なんだか、変わったスマートフォン持ってるな。」

手にとった、その機械は、どうやら普通のスマートフォンとは明らかに違った、新型の携帯電話のようなものだった。

「それは、何?スマートフォンじゃなさそうだけど。」

「これは、私の国のコミュニケーターです。こちらでいうスマートフォンみたいなものです。でも、壊れているから、今、連絡はできないけど。」

「私たちのスマートフォンでよければ貸すけど、これじゃないとだめなんでしょ。」

「ごめんなさい。これ以外は、連絡できないんです。でも、たぶん直せると思います。」

「しかし、今、これから行くところはあるの?」

「ええっ。なんとかなると思います。」

「いえ、そんな。よその国からきて、こんなところで遭難して、連絡もつかないなら、行くところはないんでしょ。」

「いえ、あの、、、。」

すると、その父親から、

「大丈夫。今、娘は1人暮らしだから。由香里、しばらく置いてやれよ。」

「そうね。私もそうしようと思ってたのよ。」

「ええっ、そんな申し訳ないです。」

「いや、大丈夫だ。そういえば、うっかりしてた。私は、巣根 すねおさむ、これは、娘の由香里だ。」

「私は、オルガといいます。ごめんなさい。国の名前は、言えないの。本当にごめんなさい。」

「それって、国家機密とかなんとかか。冗談だよ。まあ、色々と事情があるんだろうな。別に大丈夫。自分のことは、話したくなったらで、かまわないよ。」

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