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2-6 ありえない戦い

審査員は、全員苦悶の表情になっている。


そして、ついに、終了となり、10分間のジャッジタイムとなった。ところが、この時間が、実は、審査員にとって、1番辛かったという。


そして、いよいよ判定の時が!司会司会進行役が声をかける。


「それでは、判定をお願いします。私がどうぞと言ったら、2人のどちらかの名前を上げて下さい。それでは、、、どうぞ!」


一切にと言いながら、少しタイミングがずれながら、バラバラと名前が上がっていく。

すると、その判定とは、オービスが4人、エミリアが4人であった。

あと、最後、1人が出遅れたが、その、自分が出遅れたことで、4対4になったのを聞いてしまって、出すのを渋ってしまった。さらに、出しにくくなってしまい、数秒が過ぎて。

すると、進行役は、焦ってしまい、


「ぜひ判定をお願いします。お願いします!」


大声で言われて、やった名前の札を出した。が、それは、オービス、とあった。

うっ、という表情になるエミリア。終わった、と声にならずに、口が動いたオービス。


すると、思わず立ち上がる審査員の1人。彼は、ここにいる審査員の中で、最もベテランで信頼の厚い人物である。


「悪いが、ちょっと待って下さい。これは、とてもありえない戦いだ、と言いたい。こんな発言をして、実に申し訳ない。他の審査員の皆さんも、おそらく私と同意見であると思いますが、こんなにレベルの高い美貌対決などはこれまでみたことがない。究極に美味しいメニューを、目の前に2つ出されて、さあ、どちらが美味しいですか、と言われたようなものです。そんな、美味しすぎるものを2つだされては、決めようがないし、この2人を初めて、目の前で本物を生でみたら、すぐさま、2人が1番に決まっているだろう、と叫びたかった。その上、ビデオの表情対決では、2人の綺麗さを堪能してしまい、審査を忘れていました。とても至福の時を味合わせて頂いた。こんな最高な2人では、決めなくてもいいだろう、とも思いました。おそらく、私もそうですが、最後には、決めようがなくて、自分の個人的な好みで決めたに違いないのです、なぜって、本当に、決めようがないですから。それに、一つ思ったのは、オービスは、まだ10代で、エミリアは、20代です。それぞれに、同じ年代で比べてみたいとは思いました。まあ、その時でも、どちらにするかは決められないと思いますが。正直言って、また、この2人の判定でイベントがまたあったなら、私は遠慮させて頂きたい。しかし、ただ見るだけでいいなら、ぜひ呼んでほしい。(笑)」


すると、もう1人も立ち上がり、発言する。これまた、とても有名なモデル業界に詳しい人物。


「私も、ぜひ発言させてほしい。私も、同様に選びようがなかったから、多少好みに近い方にして、ごまかしてオービスに入れてしまった。エミリアには申し訳なかったが、決して、エミリアの方が下というわけではない。本音で言えば、どちらも、トップで素晴らしい。本日は素晴らしいものを見せて頂きました。」


結局、惜敗したエミリア。今回、異例の対決イベントは、とても盛り上がり、どちらも高レベルでの争いになった。しかし、エミリアは負けたことに全く動じない。それどころか、オービスに向かって、こう言った。


「今回は、私が負けたけれど、今の私は、まだまだ、本当の私じゃない。これから、本当の私を見せてあげるわ。それまで、待っていて。」

去っていくエミリア。


すると、オービスは、走って追いかける。

「エミリア、待って!ちょっとだけ、聞かせてほしいことがあるの。」

「私、あなたに話すことはないわ。」

「あなた、私のこと、お母さんゆずり、って言ったけど、母のことを知っているの?私の母のことを、知っているのは、私の父とコスメだけのはずよ。他には、誰も知らないはずなのに。あなたは、いったい誰なの?」

「私は、エミリア。それだけよ。他に話すことはないわ。」

「いったい、あなたの目的はなんなの?なんのために、こんな美の対決なんて、こんなこと。」

「そうね、私の目的は、あなたに勝つこと。それだけよ。それ以外に、何もないわ。」

「そんな!うそよ!うそに決まってる!待って!エミリア!」

「この次を楽しみにしていてね。じゃあね。」


実は、オービスは、自分が勝ったとはいえ、実際にエミリアを目の当たりにして、その美しさに言葉がなかった。もしかしたら、もう一度やったら、かなわないのではないかとすら思えたのだ。そんなレベルの高い、かつてなかった異例のイベントは、大好評であった。そして、ランウェイとは違う緊迫感は話題となり、オービスの勝ちとはいえ、誰が見ても僅差すぎる結果なので、エミリアのリベンジを望む声は多く、逆に、次回のリベンジへの期待を高めてしまい、業界においても、大注目となってしまった。


その後、このイベントののちに、さらに、業界誌のランキングで、ポイントを上げるオービス。コスメは、次回は、間違いなく、オービスとエミリアの首位の入れ替わりを確実と思っていた。ところが、その一方で、エミリアは、その後1カ月の充電期間を経たのち、公約通り、さらに磨きがかかったエミリアの躍進がとまらない。モデルラボでは、参考のために、国内で出版しているファッション雑誌をすべて購入し、世の中の流行を把握しているが、軒並みのエミリアの話題で持ちきりだ。そして、モデルラボで、最新の業界誌ランキング50をみて、唖然となるコスメがいた。


「まさか!まさか、こんなことになるなんて!」

この月の業界誌ランキング50は、オービスの大躍進がありながらも、エミリアが首位を保ち、オービスの2位とのポイントの差を、再び開くという予想外の展開となった。これには、コスメも驚きで言葉がない。

「オービスは、あのイベントの評価を受けながら、知名度も上がって、ランキングの1位は、確実だと思ったのに、エミリアに、さらに2位とのポイントの差を開かれるなんて、信じられない。いったい、なぜ、そんなことが起こったの。エミリアが活動を休止していた1か月の間、上がっていたオービスの人気を、休止から戻ってきたエミリアが追い越すなんておかしいわ。絶対におかしいわ。決してあり得ないことよ。それを、私が、自分の目で確かめるわ。」

どうしても、納得できないコスメは、あのイベント以来、初めて、エミリアの出演する現場を訪れた。多くの有名なモデルたちの中、最後にランウェイを歩くエミリア。久しぶりに、目の前に現れたエミリアは、予想を遥かに超えていたのだった。


目の前に活歩するエミリアは、最後にイベントで観た時よりも、遥かに進化していた。その美しさの輝きは、これまでのエミリアではない。多くのモデルたちは、自分磨きを常に怠らず、ダイエットをしたり、食事内容の見直しや、綺麗になるために、常に化粧品の研究など、ありとあらゆるものや方法を試して、自身の美しさを磨いていく。だが、エミリアは、その探究心が凄まじい。また、ただ、綺麗になるためではなく、その焦点をオービスに対抗することに当てているのが明白なのである。何か、執念のようなものを感じるのである。


そんなある日、モデルラボに、再びメールの連絡が入る。いよいよ、エミリアからオービスへの再挑戦の申し入れであった。しかし、今度は、企画をモデルラボが行ない、近日、第2回目のオービス対エミリアの美の対決を開催する、と発表をした。すると、これには、多くの関連企業が待ち望んでいて、業者から多くのスポンサーが名乗りをあげてきた。そして、最終的に10社以上のスポンサーがついて、これまでにない大規模なイベントが開催されることとなった。もちろん、テレビ放映もネット配信も同時に行なわれ、放送時間も大幅に長く設定された。

コスメも、この勝負が事務所にとっても、さらに大きな宣伝になると、オービスの連覇に期待をするばかりであった。

それに、今度は、株式会社ウニコロは、前回と同じく、今回のエミリアのリベンジ対決には、率先してスポンサーを名乗り出てくれた。今回のイベント企画はモデルラボが行なうのだが、ウニコロの社長 服部も、協力を惜しまない。前回の審査員の面々は、今回の審査員を拒否されて、新しい審査員を迎えて、入れ替わりとなった。


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