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10-2 コスメ・小染真希の秘密②

 ここ、コトールルミナス国には、様々な分野の高度な研究所が多く存在する。ここは、エカテリーナ薬学総合研究所。ここでは、所長である、ジェス・マキエル・エカテリーナと、副所長である、妻のフェリメス・マキエル・エカテリーナ以下、20人の所員たちが、様々な分野において、薬学の研究を行なっている。そして、2人の娘の名は、コスメス・マキエル・エカテリーナ。

 

そして、ある時、所長の研究室では、とても重要な研究がされていた。それは、所長が個人的に1人で進めていた研究であった。そして、ある日、所長のジェスが自分の研究室へと向かうと、研究室の扉が自然に閉じるのを見た。あわてて、行くと、扉についている窓から、娘のコスメスが奥の方へと進んでいくのが見える。所長の研究中のテーブルに向かっている。あぶない!所長は、あわてて、扉の入室解除システムに、解除番号を入力して、扉を開けた。すると、コスメスは、机上にある木の実を一口に食べた。ああっ!いけない!それは、いけないんだ!


「コスメス!食べちゃダメだ!吐き出しなさい!」

すると、こちらへ振り向くコスメス、

「なあに、お父さん、これ、とってもおいしいよ。」


 そう言うなり、

「うわあああああああーっ!」

大声で、両手で顔を覆い、悲鳴をあげるコスメス、

やられた!あの実は、あの実は、、、。


 あの実こそ、コトールルミナス国の決して食べてはいけない禁断の木の実、逆美人の実、学名 ベリックなのである。所長のジェスは、薬学の研究のために、ベリックを分析して調べていたのである。

悲鳴をあげて、倒れてしまったコスメス。この子も、しばらくすると、このきれいな顔が失われて、まさに逆美人になってしまう。


 その悲鳴をきいて、駆けつけた母親のフェリメス。

「いったい、どうしたの。コスメスの泣き声が聞こえたけど。」

「あの子が、私が研究していた、ベリックを食べてしまったんだ。私のせいだ、私の、、、。」

「ええっ!でも研究室にあったんでしょう。どうして、コスメスは、それを、、、。」

「たぶん、いつも私が、ここに入るのを見ていて、研究室に入室するための解除番号を見ていたんだね。あの子は賢いから、それがあれば、私の研究室に入れると思ったんだろう。もっと、早く、気がついてあげられたらよかったのに。全部、私が、私が悪いんだ。」


 倒れたコスメスをベッドに移動して、2人は、今後のことを話し合った。


「私は、自分も、この実を食べてしまおうかと一瞬思ったよ。」

「それは、ダメよ。所員たちのことは、どうするの。あなたがいなくなったら、この研究所はおしまいよ。」

「そうだったな。しかし、この後、この実を食べたことで、美貌に注ぎ込まれるはずだった身体のすべてのエネルギーを、生きる方に注がれて、この子は、あと70年以上は生きていかなきゃならないんだ。私たちは、あと15年くらいしか生きられないというのに。」

「そうね。問題は、そこなのよ。それも15年というのは、1番長生きした年齢ですからね。もしかしたら、コスメスが成人するまで生きていられる可能性は100%ではないかもしれないわ。」


「だけど、少なくとも20年以上は、生きて一緒にいられないとあの子の行く末が心配だ。そうしたら、国民の平均寿命が80才以上だと聞いている日本に連れて行って、誰か養子縁組をしてくれる人を探すというのは、どうだろう。あの子と別れるのは、つらいけど、長く一緒に生きてくれる人がいてくれたら、私たちも安心だろう。」

「ええっ、あの子と別れるって言うの。そんなこと、できないわ。」


「だけど、途中でひとりぼっちになってしまうんだよ。それから、美貌を失ったあの子は、今後、この国でどんな扱いを受けると思う?それを考えたら、この国でひどい扱いを受けながら、これから70年生きるのと、別れても顔のことを気にしないで日本で一生送るのと、どっちがかわいそうだと思う?」


「それは、、、。だけど、私たちと別れるとなれば、あの子も悲しむわ。そんなかわいそうな目に合わせるなんて、とてもできないわ。」

「それなら、私にいい考えがある。それには、2年いや、1年半もあれば、なんとかするよ。悪いが、おまえは、それまでに日本で養子縁組になってくれる人を探してくれないか。」

「それなら、きっと大丈夫だと思うわ。そういう、子供がいなかったご夫婦って、多いらしいから、1年もしなくても、たぶん見つかると思うわ。」


 そして、妻のフェリメスは、日本に旅立っていった。とりあえず、期限を1年と区切り、見つかってもみつからなかったとしても、必ず1年たったら、まずは連絡をすることを約束した。それから、フェリメスは、その長期の滞在なので、仕事をしながら、娘のコスメスを向かい入れてくれるご夫婦を探そうと、まず職を探した。そして、できる限り、仕事の時間を減らして、週の半分くらい働いて、あとは、養子縁組先を探すということにした。

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