表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/130

9-12 マネージャー・一条麗奈12

 すると、突然に、声がして、

「やめなさいよ。その鍵を開けたら。ひどい目にあわせるわよ。」


 振り返ると、2人のカタリーナが、立っていた。しかし、それを見た麗奈は、とても不思議に思った。


それは、1人のカタリーナは、まさにカタリーナ本人そのものであるが、もう1人のカタリーナは、カタリーナのマスクのようなものをかぶっていて、そのマスクは、とても良くできていて完璧に密着していて、まるで見た目は、全く違和感なく本人のようだった。しかしながら、それなのに、私にはマスクをかぶっていることが、なぜだかわかるのだった。


 この2人は、いったい、何を表しているのか。すると、カタリーナの1人が、

「その球体は、もう、開けることはないのだから、触らないで。」 


麗奈は、すぐに手を止めて、

「あなたたちは、誰?名前を聞かせて。」

「私たちは、2人ともカタリーナよ。2人で、協力してモデルの仕事をしているわ。」

「だけど、カタリーナは、モデルの名前でしょう。本当の名前を教えて。」


すると、1人のカタリーナは、

「私は、片野山玲子かたのやまれいこ。」

すると、もう1人も、

「私も、片野山玲子かたのやまれいこ


そうか、この名前は、記憶を失ってから、身元がわからないまま、付いた新しい名前ね。

「あなたたちは、本当の名前は、違うのよ。あなたたち2人の本当の名前は、群青香織ぐんじょうかおりなのよ。」


 すると、2人の顔が怒り心頭の表情になり、

「いいかげんなことを言わないで!もう、どこかに行ってちょうだい!もう2度と合わないわ!」


 怒りながら、去っていく2人。

「2人とも、過去の記憶がないから、今の人格を否定されて、動揺しているんだわ。それから、1人のカタリーナは、本当に元々カタリーナの顔を自覚しているけど、もう1人のカタリーナは、自分の中のどこかで、無意識にあとからカタリーナになった意識があるんだわ。だから、精巧なマスクをかぶっているのね。あのマスクの下には、きっと群青香織ぐんじょうかおりの顔があるに違いないわ。」


 すると、そこで、一計を案じた麗奈は、とりあえず、この球体の鍵を壊すのではなくて、さっきの少女に、群青香織ぐんじょうかおりだと自覚させることが、まずは必要だと考えた。


「とにかく、さっきの少女を探さなくては。」


 麗奈は、そのまま、少女を探し続けた。そして、そこから、かなり離れたところで、寝ている少女を発見した。ベッドのように見える白いマットのようなものに横たわっている。すぐに、彼女に、声をかけて、起こした。


「もしもし、群青ぐんじょうさん、群青香織ぐんじょうかおりさん!」

すると、思わず、目を覚ました、その少女、

「ええ、な、なんですって!今、なんて言ったの?」

群青香織ぐんじょうかおり!あなたの名前よ!思い出して!」

「ええ、う、うそでしょー。」

「よく聞いてね、あなたは、群青香織ぐんじょうかおりっていう名前で、私は、友人の一条麗奈よ。思い出して!」

「ええ、いきなり、そんなこと言われても、わからないわ。なんだか、複雑な気持ちよ。」

複雑というなら、それは気持ちの葛藤なので、たぶんいい兆候だと思う。

「よく聞いてね。あなたは、カタリーナの名前を名乗っているけど、本名は、群青香織ぐんじょうかおりなのよ。」

「ええ、そ、そんなこと!頭が痛くなってきたわ!」


 すると、2人のカタリーナが、再び、姿を現した。

「待ちなさい、あなた、余計なこと、言わないで!」

そう言うと、いきなり、回し蹴りを入れてきたカタリーナ、それを避けると大きく一歩退く麗奈。

「何をするの!でも、今のあなたの技は、まだ無意識のうちにやっているものだから、私には勝てないわ。たくさんの技を繰り出してきた記憶がなければ、私には、勝てない。私、今から、あなたを倒して、必ず、群青香織ぐんじょうかおりの記憶を取り戻してみせるわ。」


今、攻撃してきたのは、精巧なマスクをかぶっている方のカタリーナ、

「そうはさせないわ。」

すると、もう1人のカタリーナに向かって、

「もう1人の私!あの白い球体の鍵をはずして、中から、私が使っていた技の記憶を探して取り出してきて!わかった!その記憶だけ取り出すのよ!そして、他の記憶は漏れないようにして、また必ず球体の鍵をかけるのを忘れないで!」

「わかったわ!」


 あの白い球体の鍵は、あと一歩のところで壊せたのだが、もう1人のカタリーナは、みるみるうちにその鍵を外し、その扉を開けて、中に飛び込んだ。麗奈が、そこに駆け寄ろうとすると、マスクのカタリーナの突きの攻撃で妨げられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ