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9-3 マネージャー・一条麗奈③

 そこで、一条麗奈のことが、どうにも気になって仕方ないコスメは、ある時、カタリーナの仕事がオフの時を狙って、朝からカタリーナの自宅付近に張り込んでいた。率直に言って、彼女の謎に包まれた部分は色々あるのだが、とにかく1番謎なのは、彼女の素顔であった。喘息を理由にしてきても、とにかく素顔を隠しすぎるのである。


 自宅近くに張り込んで、しばらくすると、カタリーナが自宅から出てきた。そして、車に乗ることもなく、1人で駅の方に歩いて行った。それをみたコスメは、カタリーナは、常にマネージャーと一緒だと思っていたので、オフの時には、1人で出かけるようなこともあるのだと意外に思った。そうすると、次に、もしも一条麗奈が出かけるとすれば、そのプライベートの時は、どこかで、もしかしたら、食事でもして、素顔が見られると思い、その頃、半日張り込んでいたのだが、出てこない。


 その後も、何回か休みを利用して、自宅に張り込んでいたのだが、一条麗奈が出てくることはなかった。


 ある日も、一条麗奈は、出てこない。さすがに帰ろうとすると、自宅から出てきたのは、カタリーナである。今日は、もう退散することとしよう、と思ったが、とりあえず、せっかくなので、カタリーナに挨拶をした。


「こんにちは、カタリーナ。今日は、オフ?私もオフで、偶然近くまできたものだから。」


 すると、カタリーナの、その驚きようは、ものすごいものだった。急に、私がいたから驚いたとかいう、そんな程度のものではない。すると、何も言わずに、急いで自宅に戻るカタリーナ。それを追いかけるコスメは、


「あらあ、カタリーナ、そんなに驚いたの?あなたがあんまり驚くから、私も驚いちゃったわ。」


 しかし、無言のまま、困っているカタリーナ。そこに意外なものを発見した。それは、カタリーナの手に握られていたのは、いつもマネージャーが持っていたバッグであった。そこで、コスメは、驚きの発言をした。


「あなた、ひょっとして、カタリーナじゃなくて、マネージャーの一条麗奈ね。そうでしょう!」

「なんで!そんなことあるわけないでしょ!私は、カタリーナよ!このバッグ、マネージャーの、こんなこと、よくあることよ。顔をよく見なさいよ!!」

「そう!じゃあ、あそこにいるのは、いったい誰なのよ!」


 遥か向こうから、もう1人カタリーナが帰ってきた。こちらの2人には、まだ気がついていない。すると、コスメが、向こうを指さして、


「あれは、いったい誰なのよ!まさか、あれもカタリーナだっていうの!」


 すると、

「もう!わかったわ!コスメ!ごめんなさい、今、わけを話すから、一緒に、自宅の裏にかくれて!」


2人は、急いで、自宅の裏に急いだ。

「ごめんなさい。実は、私は、マネージャーの一条麗奈よ。」


 しかし、どうみても、彼女は、カタリーナ本人にみえる。名前を言われても、カタリーナにそっくりである。双子なのかとも、思ったが、いやいや、そっくりどころ、ではなくて、どうみてもカタリーナ本人であった。


「あなた、本当に、一条麗奈なの?!どうみても、カタリーナそっくりよ、いや、どんなに、似ている双子だって、ここまで似てることなんてないわ。だって、顔の作りは、もちろんだけど、肌の感じまで、全く同じじゃない。メイクアップアーティストで世界一になった私には、そこまでわかるのよ。肌も、その状態も全く同じ!ほくろの数や位置まで一緒よ。これって、とてもありえないことなのよ!いったい何が起こってるの?!」


 すると、すっかり観念した様子の一条麗奈。


「もう、話すしかないわね。これ以上は、もうかくしきれないわ。」

「いったい、どういうことなのか、すべて話して。」

「ここに来る前のことから、話すわ。実は、私の本名は、天元森てんげもり麗奈れいな。」


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