2-3 オービスへの挑戦
そんなある日、コスメに呼ばれたオービス、
「あら、おはよう、オービス。久しぶりね。」
「おはようございます。少しご無沙汰してました。」
「忙しいわね。体調は大丈夫?学校と両方で大変ね。」
「大丈夫です。学校もモデルも楽しくやっています。」
「今日はね。いくつか話しがあるのよ。こっちに来て。まずは、これを見てちょうだい。」
すると、コスメが出したのは、業界誌のモデルランキング50、
「あっ、私、これ、初めて見るんです。見たかったの。」
「話題のあなたたちのランキングよ。ほら、あなた2位につけてるわ、すごいわね。だけど、1位のエミリアが、あなたと僅差なのよ。ここ2ヶ月、あなたとエミリアの順位は、変わらないのだけれど、実は、獲得したポイントがどんどん縮まっているのよ。数ヶ月前までは、1位のエミリアのポイントは、圧倒的だったのに、この今月のランキングだと、あなたとエミリアの差はほとんどなくて、このままだと、来月のランキングは、確実に逆転するわ。」
先日、モデルラボ に、メールが入った。その送り主はというと、うわさのモデル エミリアであった。社長のコスメとオービスに、是非会いたいという。
「というわけで、今、エミリアがここに来るのよ。」
「ええっ、本当ですか。」
「このランキングが発表されて、その日のうちにメールがきたので、なんのために来るのか、ちょっとこわいのよ。」
「あたしも、こわいです。」
2人の話しも終わらないうちに、ちょうど受付に誰かが来て対応している様子。
エミリアが、やってきたのだった。
「おはようございます。今日は、宜しくお願い致します。」
事務所にきた、モデルのエミリアは、とても輝いていて、雑誌や様々なメディアでみるのとは、訳が違う。直接、生でみた、彼女のその美貌は、ただ綺麗という感想に終らず、感動するほどであった。その顔の美しさは、同性から見ても、ため息がでるほどの輝きを放ち、全身は、これがまた均整のとれた長身からの脚の長さとのバランスは、スタイルの良さの手本をみせられているかのような圧力に言葉にならない。コスメもオービスも、圧倒された。
「初めまして。エミリアです。社長さんとオービスですね。今日は、お時間を頂いてありがとうございます。オービス、お若いですね。まだ高校生ですよね。それなのに、もうすでにベテランを感じさせるオーラがすごいわ。やはり、お母さんゆずりなのかしら。これなら、モデル業界でトップにいくのも無理はないわ。本当に輝いてるわ。」
挑戦的にくるのかと思ったのだが、意外にも、静かな語りかけからの口調に、2人とも内心ほっとしていた。そして、コスメも、
「こちらこそ、エミリア、あなたも、すばらしいわ。私も、仕事柄、多くのモデルを見てきたけど、その中でも、あなたの魅力はすばらしいわ。正直言って、生でみるあなたの美しさには圧倒されたわ。」
「とんでもないです。ありがとうございます。ところで、、、。」
ここから、話しが、全く変わっていった。
「実は、私、オービスと勝負がしたいのです。」
きた!これが、本当の彼女の目的であった。
「私とオービスの一対一で、美の対決をしたいのです。ファッションショーでもなく、ランウェイを歩くわけでもない。それぞれの持つ美しさを競い合い、どちらが、本当に綺麗だと評価されるか、それだけの究極ともいえる美の祭典をしたいのよ。」
2人は、驚き、言葉がなかった。すると、
「私は、この美の祭典で、オービスに勝利して、この業界でトップなのは自分であると、全国に知らしめたいのよ。トップは、2人はいらないでしょ。」
彼女には、もうすでにオービスに完全勝利することがわかっているかのような自信であった。
しかし、それを聞いたオービスは、
「私には、まだトップを争うような、そこまでのものはないです。」
それを聞いたコスメは驚き、エミリアは、その発言に対して、自分とトップを争っている現状があるのに、その謙虚さに、少し気分を損ねた。
そして、オービスは、さらに発言を続けると、
「それに、純粋に、観衆が私たちモデルが流行のものを着飾るのを楽しむということと趣向が違うように感じられるのです。」
それは、オービスに流れる、プリンセス以前からの血に、美を対決にすることは、無意識のうちに、これまでの美の対決を思い出させる要因になってしまったのかもしれない。
「そ、そうね。エミリアには、悪いけど、あなたがよくても、オービスにその気がないのでは何も始まらないので、今回の申し出はお断りするわ。仕方ないわね。」
すると、エミリアは、
「わかりました。とにかく今日は帰りますね。」
とだけ言って帰って行った。
しかし、エミリアは、あきらめていなかった。オービスには言ってもダメだとわかったので、別の方法を用意していたのである。




