表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
173/174

3ー34【探す者は狙われる者1】



◇探す者は狙われる者1◇ミオ視点


 帝国内を飛び回り、俺はセシリーさんを抱えてアレックスを探していた。

 上手く気配を隠しているのか、東南にいるのは分かっているのに……あのカルカって騎士かな、魔力隠蔽が上手だ。


「平気ですか、セシリーさん」


「は、はい!なんとか」


 俺の全力で移動をしていれば、一般人であるこの女性は耐えられない。

 だから慎重になりつつも、気配を確実に探るために【感知(かんち)】を鋭敏にさせて進んでいたが。


「……」


 【転移(てんい)】で行ければ簡単だが、せめて居場所が分からないと厳しい。

 セシリーさんが【転移(てんい)】の魔力酔いに耐えられないかも知れないし、そもそも回数を重ねられるかも不明だ。


「ミオ様、私の事はお気になさらないで下さい……」


「!……ですが、非常に具合が悪くなりますよ?」


 その言葉はありがたいが、いざという時に動けなければ厄介だ。

 もしもライグザールが行動を開始していたら、セシリーさんは枷になる。

 あの状態のアレックスを守る事も考えれば、それは避けたい……なら連れて来るなと言われればそれまでだが、二人を再開させて大陸の外に逃がせれば……ワンチャンライグザールの作戦も潰せるかも知れない。


「構いません、アレックスの……あの子の傍にいられるのなら、多少の無理も!」


「……分かりました。転移の魔法で、一気に移動します!目を瞑っていて下さい!!」


 その覚悟は本物だ。

 アレックス・ライグザール……お前は、こんなにも大切にされていたんだよ!


 一瞬の魔力波動を発生させて、まずは帝国の中央へ。

 アレックスたちと最後に会った場所……【アーゼルの都】に行こう。


 シュン――と【転移(てんい)】。

 セシリーさんは……っと。


「もういいですよ、セシリーさん」


「……ぅ、はい」


 気持ち悪そうだ。顔も青い。

 さてと、肝心の【感知(かんち)】は。


「……」


 セシリーさんを下ろして休ませ、俺は【感知(かんち)】を最大に発動する。

 帝国の半分まで来たんだ……時期を考えれば、少しくらいはヒットするだろう。


 俺は目を閉じ集中する。


「……」


 この感じ、周辺には魔物も多いな。

 その中でも……一際に暗い感覚を発している何か。

 ソナーに反応するように、ピコーン……ピコーンと。


「これ、マズイか」


 似た感覚を知っている。

 あの【精霊心通(ユニゾン)】した【死葬兵(ゲーデ)】だ。

 感じるのは数体……西に高速で移動しているな。


 焦りもあるが、追いかけられているなら助けられる。

 動きがないより遥かにマシだ。


「セシリーさん、魔力酔いの所すいません……多分、アレックスの奴を見つけましたので、移動します!」


「え、あ!はいっ」


 もう一度セシリーさんを抱きかかえて、俺は再度【転移(てんい)】をする。

 間に合ってくれればそれで良い。戦っているのなら、助ける……ライグザールの好きにはさせないさ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ