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転生者さん、増えすぎです。
「おぉ、ここが『異世界』か」
突然、何も無い空間から眩しい光とともに現れた1人の、大剣を背負った金髪の男がそう呟いていた。
「また、『転生者』か。これで何人目だ…」
俺は、頭を抱えてそう呻いた。
3ヶ月前、この世界に初めて『転生者』が現れた。
ある村にどこからともなく光と共に現れたその男は、なんの前触れもなく、背負っていた大剣を武器に、村にいた人々を次々と殺していった。
村には『大魔道士』と謳われる強者がいたがその者でさえ彼を撤退させるのが精一杯で、結局は大量の村人が犠牲になってしまった。
それ以降、変わった事は2つ。
1つは、その男がどこに居るのかが不明な為、世界中の 冒険者が賞金目当てにその男を探し回りはじめたこと。
そしてもう1つは、その事を節目に『転生者』と呼ばれるものが、続々と現れ始めた事だ。