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【漫才】 「追放系勇者になりたい」

作者: 安倍アキラ

短編投稿作品 五作目です、どうぞよろしくお願い致します。

二人   「どうも~」

ツッコミ 「本日はよろしくお願いします」

ボケ   「そういえば、きみライトノベルとかアニメとか観る?」

ツッコミ 「いや~、昔はよく観たり、買ってラノベとか読んだりしたけど、最近は忙しくて。」

ボケ   「そうなんだ、なんか最近アニメで異世界ものが流行ってるんだって。」

ツッコミ 「異世界もののラノベとかなら昔「魔神英雄伝ワタル」とか「レイアース」とかアニメでやってたなあ、そういうやつなのか?」

ボケ   「いや、最近だともっぱら事故で死んだ若者が転生したり、異世界の人間によばれて突然召喚されていきなり勇者になったりとかかな。」

ツッコミ 「色んなパターンが出てきてるんだな、で?それがどうしたのさ。」

ボケ   「実は俺さ、追放系勇者の小説を書こうと思ってるんだよ。」

ツッコミ 「追放系? なんだそれ?」

ボケ   「主人公は異世界に勇者として転生したり、もともと冒険者で仲間と旅をしていたりするんだけど、ある日突然、追放されるんだよ。」

ツッコミ 「え? 何で? 勇者とか人望メッチャあるじゃん。」

ボケ   「色々理由があるんだけど、とにかく今の地位を追われて孤独になるんだよ、で、その逆境から再び立ち上がってハッピーエンドになるってお話さ。」

ツッコミ 「なんか面白そうだな。」

ボケ   「だろ! 今それが流行りでさ、俺もいっちょブームの波に乗ろうと思ってさ、短編だけど一本書いてきたんだ、俺勇者やるから、おまえは他の脇役をやってくれよ。」

ツッコミ 「もう書いてたのか、スゲーなー…これをやればいいんだな?」

ボケ   「じゃあ開始まで3・2・1」


ツッコミ 「勇者ボケ太郎、あんたにゃ悪いんだけど、ここのパーティーを抜けてもらうから。」

ボケ   「え?ちょっと待ってくれよ」

ツッコミ 「こっちもちょっと待ってくれ、勇者の名前ってボケ太郎なの?」

ボケ   「え?駄目か?」

ツッコミ 「良いか駄目かでいったら、駄目じゃないか?もうちょっとネーミングセンス磨いた方がいいんじゃないか?」

ボケ   「分かった、後で考えておくよ。」

ツッコミ 「じゃあ、続きやるか、3・2・1」

ボケ   「待ってくれ、いままで仲良くやってきたじゃないか、一体理由はなんだ。」

ツッコミ 「理由か、お前さー戦闘でいっつも最後に斬りかかるじゃないか。」

ボケ   「それがどうした。」

ツッコミ 「どうした、じゃねーよ!モンスター達が全滅しかかってから斬りかかってんじゃねえよ!おかげで経験値をゴッソリ持っていかれるんだぞ!」

ボケ   「それは、済まなかった」

ツッコミ 「それだけじゃない。」

ボケ   「まだあるの?」

ツッコミ 「まだある!敵が1匹しかいないのに範囲攻撃とかするんじゃねえ!味方が巻き込まれるだろうが!」

ボケ   「なんだってー!」

ツッコミ 「ちょい待ち、この勇者、アホなのか?」

ボケ   「違う、少しだけ考えが足りないだけだ。」

ツッコミ 「うん、それを世間一般ではアホって言うんだけどね?」

ボケ   「とりあえず、続きをやるぞ。」

ツッコミ 「そのまま続けるんだ…はい、3・2・1」

ツッコミ 「まだあるぞ、うちは魔法使いと神官が女性のパーティーだけどなあ、そいつらから苦情が来てるんだよ。」

ボケ   「なんだって? 馬鹿なことを言うな、みんな俺のことを立派な勇者だって言っていたぞ?」

ツッコミ 「いつの話だそりゃ、それはパーティー結成時のときの酒場でそういっていたけど、あれからどれだけ経ったか覚えてるか?」

ボケ   「結成から今日で丁度半年だな。」

ツッコミ 「その間に旅先の宿屋で、何をしたか覚えてるか?」

ボケ   「いや? 普通に親睦を深めようと努めていたが?」

ツッコミ 「混浴可能だからって、無理やり風呂場に乱入したり、女の子達の着替えを覗いたりしてなかったか? あと酒場で変に絡んでただろ! あいつら嫌がってたんだぞ!」

ボケ   「いや、それはだな、風呂は裸の付き合いで、酒場ではスキンシップを図ろうと」

ツッコミ 「オイィ‼ 男同士ならそれでも許されるが、完全にセクハラだからな!?」

ボケ   「チョット方法を間違えただけじゃないか。」

ツッコミ 「だいぶ違うからな!? あと、覗きの件は弁解無しか!?」

ボケ   「アレは俺が悪いんじゃない! こう、身体が勝手に…」

ツッコミ 「通るか!そんな言い訳が!…ちょっといいか?」

ボケ   「なんだ?また中断か?」

ツッコミ 「この勇者、最低だな。」

ボケ   「これぐらい酷ければ、追放の理由には充分だろ?」

ツッコミ 「普通は、こういうの濡れ衣だったりするんじゃないの?」

ボケ   「残念だが、確実に勇者がやったことになっている。」

ツッコミ 「逆転の糸口が見えないんですけど!?」

ボケ   「大丈夫だ、ここからがメインだ、この後パーティーを追放された勇者は。」

ツッコミ 「勇者は?」

ボケ   「おもむろに神様から授かったボタンを押して、最初からなかったことにする。」

ツッコミ 「そりゃ只のリセットじゃねーか! いい加減にしろ!」

二人   「どうも、ありがとうございましたー!」




読んでいただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] これおかしいです! とっても面白い。 お腹震わせながら最後までいきつきました。 テーマもすっきりしているし、オチも、このボケさんにありそうな、でした。 ツッコミも、劇中劇を中断する形で、流…
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