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お久しぶりの投稿。
主人公、全然男らしくありせんね^^;
父親は日を改めてローズマリーに新しい母と妹を紹介してくれた。
「初めましてローズマリー様。エザリアと申します。こちらは娘のベラローズです」
「はじめまして、あの…よろしくお願いします…おっ…おね、お姉様…?」
柔和な笑みを浮かべる義母のエザリアは四十代半ばにはとても見えず、知らなければ普通に30代ですか?と、言ってしまいそうな容姿をしていた。
隣の義妹は容姿にまだ幼さが残るがエザリアによく似ていて可愛らしい。
「よ、よろしくお願い…します…」
予想以上に愛らしい妹にローズマリーの心臓は高鳴った。
白磁の肌に蜂蜜色した髪に少し緑がかった瞳。
漫画やアニメで例えるなら背景にヒマワリやらタンポポの花柄の背景が出てきそうだ。
「ちょ、ごめんなさい…お花つみに…」
ぎこちなくローズマリーはその場を離れ、わざわざ階の違うトイレに駆け込んだ。
「か、かわ…可愛い!なんじゃあれは?!俺の妹があんなに可愛いわけがないとかいう次元じゃなくてマジ可愛くね?!」
本人を前にして言えなかったことをローズマリーはトイレの中で呟く。
元より前世では男兄弟しかおらず、女子とも縁の薄かった生活を送っていただけにローズマリーの目にはベラローズが砂漠にあるオアシスのような気がした。
「あれが妹になるのか?!可愛いすぎる!ヤバイって!俺が男ならゼッテー狙ってる顔だわ!」
だが、生憎今は女で異母姉妹だから狙うもなにもないが、何となく男性の気持ちは分かってしまう。
「うひょー!ツイてる俺!さぁベラローズちゃんと打ち解けるか!」
とりあえずトイレに来た限りには用だけは足していき、サロンに戻ると扉の向こう側から不安そうな声音が聞こえてきた。
「お、お父様…わたし、お姉様に嫌われてるのでしょうか?」
「そんなことないわ…ベラ」
「でも…、」
「そうだぞ、お母様の言う通りだ。ローズマリーは無口ではあるが根はいい子だから安心しなさい」
「はい…」
ベラローズの鈴のように愛らしい声がおずおずと不安に彩られていた。
母のエザリアも父親も必死になってフォローする声にローズマリーは焦る。
まさか自分がベラローズの可愛らしさに身悶えてトイレに立ったことが裏目に出ていたなんて想像さえしてなかった。
(ヤッベー!打ち解ける前に誤解されてしまった!)
慌てたローズマリーは勢いよく扉を開け放つと、ワンピースが翻るのも気にせずにベラローズに歩み寄って床に膝をついた。
その様子にベラローズのみならず父親をも驚く。
「違うの!違うのよ!私嬉しいのよ?!」
「お姉様…?」
「今まで兄弟が居なかったから緊張しちゃって!でも本当は妹が出来て嬉しいのよ?!信じて?!」
捲し立てるようにベラローズに詰め寄るローズマリーに父親と義母は目を丸くしていた。
ローズマリーはベラローズの手を取りながら満面の笑みを浮かべた。
「はい!お姉様!」
先ずは上々の出だしだとローズマリーは確信を抱いた。
「改めまして私の名はローズマリー・ウォールデンです!よろしくお願いします!お義母様!ベラローズ!」