表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

昨日の私の大誤算

作者: 銀狼

 窓から差し込むまばゆい光に照らされ、目を開ける。どこかぼんやりする頭を巡らせ、壁にかけてあるカレンダーと時計を見やる。

 時刻は7時。カレンダーの日付は日曜日。休日だ。何も問題ない。

 大きく伸びをして、のそりと立ち上がる。もう一度体を伸ばして、キッチンへと歩いていく。惰性的に冷蔵庫を開ける。習慣になってしまったただの癖だ。

 洗顔代わりに浴びた冷気で、いくらか頭がすっきりしてくる。そうして思い出した。昨日の自分から今日の自分へ書いた伝言のことを。

 扉を閉める。あった。冷蔵庫の扉にマグネットで貼り付けられたメモ。朝食用に用意したスムージーの材料があるよ、忘れないでねという感じの文面だ。いかにも私らしい。

 一つ下の冷凍庫を開ける。やはり昨晩のうちに仕込んでおいた材料が、ジッパー付き袋の中に入っている。

 ひときわ目につくのはブルーベリー。昨日友人と行った農園で、手ずから摘み取って量り売りされたものだ。角刈りのお兄さんが、グラムを量って袋に入れた後、さらに一掴みおまけしてくれたなぁと何となく思い出す。

 しばらくじっと見つめていたが、すっと扉を閉めた。

「スムージーくらいならものぐさな私でもやれるだろう」と昨日の私は高をくくっていたらしいが、甘かった。今の私は材料と牛乳をミキサーにかけることすら面倒なのだ。

 謎の勝利宣言を脳内に展開しつつ、再び冷蔵庫の扉を開ける。

 飲む点滴と言われるスポーツドリンクをある程度腹に収めると、私は再びベッドへと向かっていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ