光を超えるモノ
「・・・やぁ、光、超えちゃった・・・」
そんな、バカなと藤崎誠は思った。
光より速いものはない。
それはアインシュタインが相対性理論で証明している。
数年前、光より速い素粒子が観測されたというニュースがあったが、
どうやら観測ミスのようだ。
名探偵藤崎誠は、隣のサラリーマンの会話に聞き耳を立てた。
光を超えられるものは・・・
「・・・超~遅かったんだよね~
遅いと言うより、止まってると思った」
ただモノじゃないな。
こいつ相対性理論を知っている。
時間は止まるのだ。
科学実験で証明されている。
真実なのだ。
高速で動く物体の時間はゆっくり進む。
光の速さまで達すると時間は止まってしまう。
だから、高速で地球の軌道を周回する人工衛星の時間は遅く進む。
その衛星を利用するGPSは地上の時間と合わせるために補正している。
その時間が遅いと言っても、1秒よりはるかに短い時間だが。
「・・・でも、俺の所、ちょっと重いんだ~」
たしかにそうだ。
地球上の重さは均一ではない。
北海道と沖縄では重さが違うのだ。
というのは赤道に近い沖縄の方が重力に反する遠心力が強いため、
物の重さは軽くなる。
高い精度が必要なハカリは地域ごとに異なる。
「料金はちょと高くなるけど・・・」
料金?
なんだ、そう言うことか。
新幹線か。
『ひかり』より『のぞみ』?
それとも『リニア』か。
まあ、そんなオチか・・・
「メアドがないんだよな~」
藤崎は小首を傾げる。
「プロバイダーじゃないみたいだな。
Wi-Fiって」
藤崎は小さく縦に首を振った。
「今まで固定電話でADSL12Mだったんだ。
1Gとか落とすと半日かかちゃって。
光ファイバー通信は飛ばして、
Wi―Fiにしちゃった」
藤崎はようやくこいつの意図を理解した。
なぜ、光を飛ばして、Wi―Fiにしたのかを。
固定電話を廃止できるのだ。
携帯電話があればもう固定電話は必要ない。
つまり、料金を比較すると、こういうことだ。
Wi-Fi<固定電話+ADSL<固定電話+光通信
だだし、Wi-Fiにはプロバイダーのようなメールアドレスがない。
フリーアドレスを使うか、従来のプロバイダーでメアドを残すしかない。
Wi-Fi+メルアド維持≒固定電話+ADSL
ADSLのために固定電話を持っている方、Wi-Fiの方がストレスなくていいですよ。
By名探偵藤崎誠からの提言
今回、名探偵藤崎誠への依頼は〇フーWi-Fiからだった。
Wi-Fiを広めて欲しいとの。
藤崎はショートショートを一作書き、SNSで拡散させたのだった。
最近、Wi-Fiにしました。