謎の声の正体
再び歩き始めてどのくらいたったのだろうか。俺は、謎の声に導かれながら遺跡を進んでいた。途中、危険な罠が沢山張られていた。落とし穴や自動的に崩れる天井、矢を打ち出す壁など様々な罠が仕掛けられていた。その度に謎の声が攻略法を教えてくれるので、なんとか全ての罠を突破できた。というかこの俺を導いてくれる謎の声が段々大きくなっている様な気がする。最初は、それこそ消え入る様な小さな声だったが遺跡を進むにつれて凄くはっきりした声になっていた。本当に、この声の主は誰なのだろうか。そう考えていると何やら神秘的な祭壇が見えてきた。すると今までで一番大きな声が聞こえてきた。
(おめでとう!ここまでたどり着いたのは君が初めてだよ!さて、これから最後の試練だ、ボクの半身を使ってここの遺跡の主を打ち倒してね!)
「ちょっと待て、聞きたいことがあるんだが」
(ん?なんだい?)
「別に番人とやらを倒すのはいい、だけどお前の正体はいったい何なんだ?」
最初から思っていた事を口にする。
すると
(ボクの正体か・・・一応、精霊だけど・・・ごめんね、今はこれ以上言えないんだ)
「精霊だって!?」
「精霊」それはこの世界を作った神から分離した神の分身の分身だ。しかし何でこんな所に精霊が封印されているんだ?
すると精霊の声は俺の言いたい事が分かっていた様にこう答えた。
(んー話すと長くなるんだけど・・・じゃあ君が番人を倒したら答えることにしようか)
「分かった、ところでどうやってその番人を倒すんだ?魔法は封印されているっぽいけど?」
(ボクの半身を使ってよ《我が半身よ剣と成りて挑戦者に宿れ!》)
すると何も無かった筈の宙に銀色に輝く大きな剣が浮いていた。刀身には、【オルミナス・フィリア】と書かれていた。どうやら、これがこの剣の銘であるようだ。剣を手に取ってみると丁度良い重さだった。どうやらこの剣で、この遺跡の番人と戦う様だ。一応、魔法が使えなくなった時の為に剣術を習っておいて良かった。
(さあ準備はいいかい?)
「あぁいいぞ、いつでも掛かってこい!」
(じゃあ始めようか《遺跡の番人よ、この挑戦者に最後の試練を!》)
精霊の声が召喚の言葉を紡いだ瞬間、目の前から光と共に大きな龍が現れた。どうやら番人の正体はこの巨大なドラゴンだった様だ。すると精霊の声は高らかに
(最後の試練始め!)
と戦闘開始の合図をした。
遅くなってすいません!次はバトルシーンなので投稿が遅れるかもしれません