表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

謎の遺跡

「はぁ・・・はぁ・・・危なかった、もうちょっとで捕まるところだった・・・」


やっぱり無詠唱はキツい、魔力を多く消費するし空間転移の場合何処に転移するか分からない。とりあえず呼吸を整えながら周りを見渡してみる。周りは3方、壁に囲まれていたが一方向だけまっすぐに伸びていた。


「成る程、迷路みたいなものか」


迷路となればちょっとした興味も沸いてくる。なのでちょっとこの迷路を探検してみることにした。興味ついでに親や自分の故郷を無くしたショックの気も紛れるかと思ったのだ。とりあえず歩き出す。これからの事など一切考えてなどいないが、今はそんなことを考えたいような気分じゃ無かった。



しばらく歩いていると十字路に出た。


「さてここが分かれ道だな」


そう一人で呟きながらどの方向に進もうか考えていると・・・


(・・・の方向だよ・・・)


ん?今誰かの声がした様な気がした。周りを見回しても誰もいない。


「誰かいるのか?いたのなら返事をしてくれ」


と、大きな声を出すが声は遺跡の壁に反響して寂しく響くだけだった。


(誰もいないのか・・・)


そう心で思いながら改めて自分が一人なんだと自覚した。やっぱり一人は寂しいものだ。とりあえずどの方向に行くか決めないといけない。


「よし、右に行こう」


そう言いながら右の道に足を踏み入れた瞬間、何か踏んでしまった様な気がした。すると次の瞬間、奥の方向から小さくだがゴロゴロと何かが転がってくる様な音がしてきた。・・・これってヤバくない?だいぶヤバいよね!?ということで俺は回れ右をして速攻で逃げた。しかし逃げても逃げても音が消える事はなかった。それどころか段々と音は迫っていた。すると・・・


(ボクの言う通りにして・・・)


また声が聞こえた。というかこれは心に直接訴えかけている・・・?


「分かった言う通りにする、どうすりゃあいいんだ?」


一応返事をしておく。すると今回はちゃんと回答が返ってきた。


(ここを少し行くとまた十字路に出るからそこを右に曲がって・・・)


すると本当に十字路に出た。さっきのを完全に信用した訳じゃないが手掛かりが無い以上従うしかないだろう。そして十字路に差し掛かった瞬間、俺は迷いなく右の道に曲がった。その直後、転がってきた物の正体が分かった。それは馬鹿でかい鉄球だった。しかも鉄球は何故か真っ直ぐではなく何故か左側に曲がっていった。


「・・・っ殺す気マンマンかよ!」


何かがおかしい。この遺跡には何かがある。あの鉄球から逃げるときに俺は実は一回、転移魔法を使った。いや、使った筈だった。しかし転移魔法は発動せずに、魔力ごと霧散した。ということは答えは一つしかない。この遺跡には魔法を無効化する何らかの結界が張られている筈だ。まあ魔法が使えなくなったところで困りはしないが脱出する方法が無くなってしまった。


「先に進むしか無いってことか・・・」


どうやら退路はここに転移した時から無かったらしい。まあ仕方がない、これも運命だと思い俺はまた歩みを進め出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ