魔国Dark Side トアル⑥
えぇー……っと、はい、やっぱり主要メンバー一人が消えたとなると書きづらく、続行不可能、今回で最終回とさせていただきます。中途半端で申し訳ございません。
謎な盗賊さんはまた謎のまま。騎Cの過去もやってないなぁ……ダークサイドなら魔王関係なくね? とかお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、やっぱ、なんか違うので。
我がままばっかりで本当、すみませんでした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。またどこかでお会いできたらいいですね! 次はちゃんとやりますので……よ、予定は未定? な、なぁんて……。
では、本編です! どうぞ!!
はいどうも~。もうぐだってる、あはは~な詩人さんだよぉ~☆
生暖かい目で見てね! 絶対だよ!
ではでは~!
十三歳の時だった。不審者に調べてもらってね。歳がわかって二年後だったかな。
僕は牢の中に入っていた何も知らない子供じゃなくなってたよ。常識を教えてもらった。自分のことを教えてもらった。生きていくのに必要な知識も、ある程度教えてもらった。
それから自分でも調べて、考えた。王様のこと、医者のこと、それから、不審者のこと……。
「不審者」
「どうしたの?」
牢の中、医者がいなくなった時のことを思い出す。そんな雰囲気。
「不審者、お願いがあるんだ」
「何?」
「僕、外に出たい」
ずっとずっと思っていたこと。旅をしたい。牢と凛麗の店だけの僕の世界を壊したい。広く遠いって噂のこの世界の果てまでも、見てみたい。
だから願った。それで不審者に嫌われてしまっても、逃がさないって閉じ込められても、って思っても、願わずにはいられなかった。
「……」
「不審者、僕のこと利用したいんでしょう? 僕のできることなら、何でもするよ。だから、だから……!!」
「何でもするなんて、簡単にいっちゃだめよ」
「でもっ!!」
「……いいわ」
「え……?」
「外に、出たいのでしょう? 好きになさい」
意外と簡単に許可がもらえた。
「でも今のままではいけないわ。考えなさい。外に出るの? 何をしに?」
「旅、がしたい」
「どうやって?」
「どう……?」
「お金がないとどうしようもないわ。それくらいわかるわね? どうやってそれを稼ぐの? 仕事をしないといけないわ。甘くないのよ」
「うた、う……そういう人がいるから……」
「まだ甘いわ。でも、そう決めたのなら頑張りなさい」
「じゃ、じゃぁ!」
「ただ、もっと勉強なさい。それを仕事にするなら、特訓しなさい」
「うん、うん!!」
浮かれてたんだ。たぶん。だから、いいの? とか、だったらなんでダメだったの? とか、そういう疑問、思い浮かべなかったんだよね。
一年と少し経った。僕は凛麗の店にいた。不審者は僕をここに届けて、それから一緒にいるはずだったんだけど、突然慌てて出ていったんだ。
凛麗の店に、騎士が一人訪ねてきた。昼間だよ。みんなでお昼寝タイムだった。
「もう、誰よ……営業時間外だわ」
「失礼。ここに黒いフードをかぶった怪しい人物が訪ねてはきませんでしたか?」
騎士は嫌な顔を隠そうともせずそう言った。まぁ、高い身分の人には軽蔑されることもある仕事だったからね。
僕はその時近くの物陰に他の子供たちと一緒にいたんだけど、騎士の言葉を聞いた凛麗が目くばせをこそっとして、どこかへ行けって合図された。近くの大人がどこかへやろうとしたけど、僕たちちょっと反抗期だったんだよね。そこから退かないって意地はった。
「いいえ。知らないわ。と、いうか、お客だったら情報なんて流せないもの。うちだって信用第一ですからね」
「それはそうかもしれませんが、これは王命ですので」
「だからなんなの? それで信用失ってお客こなくなったら王様はうちに保証でもなんでもしてくれるのかしら?」
「おい、言葉が過ぎるぞ!」
「あら失礼。ちょっと最近流通がうまくいってないみたいで物価が高くてイライラしちゃってるのよ。ごめんなさいね」
凛麗さんはお城の騎士相手でも強かった。一歩も引かないんだもんね。
その時騎士と僕の目があった。騎士は少し目を見張って、見つけた、とつぶやいた。小さい声だけど、離れた僕にはしっかり聞こえた。耳いいんだ。
「おい、いたぞ!!」
「ちょっと、なにすんのよ!!」
騎士は無理やり店に押し入ろうとしてきた。凛麗は急いで扉を閉めようとしたけど、男の、鍛えられた力にはかなわない。簡単に突破された。
「逃げなさい!」
完全に僕に向かって言われた言葉。僕は聞けなかった。いや、ここでも反抗してたわけじゃないよ? 頭が追い付かなくて、固まってたんだよね。
「おるぁ!」
その時騎士の背後に穴が開いて、不審者が落ちてきた。そのまま騎士を踏み潰した。いいとこに入ったみたいで、騎士は意識を失っていた。
「ちょっと盗賊! 聞いてないわよ!!」
「こっちもだ! んでいきなり……いままでばれてなかったのに……!」
不審者はずたぼろだった。それでこんなに焦ってた不審者を見るのは初めてだった。
「ふし……」
「大丈夫か!?」
「う、うん……」
「ごめん。わるかった。皆も、怪我なくてよかった」
不審者は僕をそっと抱きしめた。そこで僕はあぁ、怖かったんだなって実感した。震えて、涙がこぼれた。
何があったのか、説明された。
不審者は王様に嘘をつけない。今まで何とか誤魔化していたのに、突然、何故か、バレタ。それを王様は不審者に無理やり吐かせた。今までのこと、誤魔化せない範囲のものを。僕にかかっていた魔法も解けって命令されたみたいで、僕の髪色は目立ってすぐにばれた。
その時に、ついでに教えてもらった。不審者が呪われていること、王様が不審者にしたことも全部。
「だから逃げなさい。私はあなたの力になれない」
王様にやられた傷で、フラフラなのに、不審者は助けに来てくれた。それだけでも十分力になってくれている気がするのに。
「大丈夫なの不審者は!?」
「慣れてる」
「それ慣れちゃいけないことじゃないの!?」
「君が気にすることじゃないよ」
「気にするよ!!」
「盗賊、あんたどうするつもりなの? これって反抗したってことじゃないの? あんた、殺されたりしないわよね?」
「ころさ……!?」
「あんまり不安煽るようなこと言うなよ凛麗」
「言うわよ! だって、心配なのよ、あたしも子供も! 何も言わないのは卑怯だわ!!」
「ごめんごめん。でも、安心してよ。いくらやられても、負けないぜ。それより、子供。すぐ出るよ。いいね?」
「うん……」
不審者は手当もせずに僕を連れだした。
しばらく冒険者の知り合いに僕のことを預けて、旅をさせることにしたんだって。そこで護身術とか、旅の仕方を習えって。
「不審者、力になれないとか言って、ちゃんとしてるじゃん……」
お別れ間際。二人だけで少しお話。
「そんなことないよ」
「利用するのはもういいの? 送り出しちゃって、本当にいいの?」
「必要な時には帰ってきてもらわないとねぇ。君は王の器だよ」
「そんなことないよ。自由が欲しいのが僕だもん。王様って、仕事が大変そうじゃない?」
「そうだね。大変だよ」
「じゃあやりたくないや」
「それは困るなぁ……」
「だったらね、僕のお願い、聞いてくれる?」
「んー、なんだい?」
これはタダの冗談みたいなお話し。その延長。ただの友達と一緒にするような面白おかしいお話しだったから。
だから簡単に言ってやろう。
「僕を呪ってよ」
「……何、言ってるのかしら?」
「不審者、ずっとひとりなんでしょう?」
「……そうね」
「だったらさ、僕も不老不死にしてよ」
「……」
表情はうかがえなかった。でもね、どうでもいいんだそんなこと。
「僕ね、医者がいて、不審者がいて、一人じゃなかったの。だから、ちゃんとまともに生きているよ。えへへ。今ならわかるんだ。あの牢屋の中は異常だったよね。普通だったらさ、生きてけないし、ちゃんとご飯とかあったとしても、精神狂っちゃってたと思うんだ。でもね、僕は生きてるよ。笑ったり、泣いたり、できるよ。でもね、もう泣かないよ。だってね、悲しいは全部おいてきたから。だから泣かないよ! 寂しくないもん。不審者がいるもん。だからね、えっとね、不審者もそうなればいいと思うの。僕がいるよって。ずっと僕がいるよって。そしたらね、寂しくないよ!」
「君ね、そんな簡単にいっちゃいけないのよ、呪いなんて」
「でもね、やってよ、不審者。一人は、とてもさみしいよぉ……」
言ったそばから泣いてたね、僕。でもね、ちゃんと笑ってたよ。
「……ありがとう。でも君まで辛い思いをする必要はないんだ」
「利用するなら、いつまででも生きれる方がいいでしょう?」
「だめだよ。君がマイナスすぎる」
「いいの! 僕が言ってるんだもん!!」
「……」
「僕はね、不審者がいればいいの。辛くないよ。恩返しなの。不審者も、僕がいれば辛くないでしょう?」
「……ありがとう」
「……やって」
「……私には、ヒトを不老不死にするほどの力はないよ」
「なんで……不審者はずっとひとりなのに! なんで、二人にはなれないの……?」
「……気持ちだけでも十分だよ」
「……」
「……じゃあ、さ」
「?」
「不老には、してあげるよ」
「不老だけ?」
「君の体、このまま、今の歳のままで、一瞬も成長しない」
「!! うん、うん!!」
「いいの? 本当にやるよ?」
「やってよ。ありがとう! そのままないない言ってればよかったのに、ちゃんと言ってくれて、ありがとう!!」
「私も、意外と嬉しかったんだよ。だから、揺らいじゃいけないのにね。ごめんね」
「ううん、ううん!! 僕が望んだんだよ」
「……この呪いはね、完全に不老と言うわけじゃないよ。見た目は老いないけど、寿命はしっかりあるからね」
「うん」
「それとね、いつか、君に好きな人ができて、その人と一緒に年をとりたいと思ったら、遠慮せずに言いなさい。すぐに呪いを解くわ」
「絶対に言わない。不審者を一人にさせないから」
「バカね。どうせいつかは私を置いて行くのに」
「ギリギリまで一緒だよ」
「……ばかね」
こうして僕は本当に呪われた。王様に嫌がられた、架空の呪いじゃなくて、本物の呪い。子供のままの姿。今が何歳だったか、忘れてしまったけど、きっとね、勇者よりも年上だよ。それでね、スナイパーみたいに栄養不足だったし、光も十分浴びていなかったからね、たぶん見た目的にはその時の歳よりも少し下に見えることもあるかもしれないね。
これが僕のお話かな。呪われた後、不審者がどうなったのか、僕は知らないし、噂くらいでしか、帰る時まで詳しいことは知らなかった。
トアル国王代替わり直前。
鳥「メールだよ、メールだよっ♪」
詩人「え?」
鳥「不審者さんからメールだよっ!」
詩人「……不審者? あぁ、約束果たす時か……なんちゃって♪」
鳥「かっこつけワロスwww」
詩人「鳥にバカにされた!!」
鳥「戻って来てよ、利用させてもらうから! 状況把握して自分で動け! じゃーねっじゃーねっ!!」
詩人「ふーん? なんか忙しそ? さーて、王都はどっちだったかな~♪」
おしまいっ!
読んでくれて聞いてくれてありがとうね! またどこかで会うことがあったら……その時はまたよろしくね! ばいばい!!




