魔国Dark Side スナイパー⑮
ナ『日の当たる表の町。周りは賑やかな親子連れや恋人たちが過ぎていきます』
妹「うわ、めっちゃ混んでる……って、あぁそうか。今日元日だっけ……」
ナ『大きな荷物を持って、青年からもらった銃入りのバックを背負い、人ごみを抜けます』
妹「くそー、年越しそば食べ損ねた! てんぷらもやってくれるって言ったのにお兄さんのバカ!!」
ナ『少女は悪態をつきつつ少し大通りから外れます』
妹「裁縫も教えてくれるって言ったのに……まぁ、できる気がしないけどね!!」
ナ『大き目の独り言をつぶやきつぶやき……』
妹「まったく、これじゃせっかく命懸けて手入れしてた髪の毛もすぐぼさぼさになっちゃうよ?」
「服もかさばるからそんなに持ってこれなかったし! ボス殺したからあそこにいられないじゃん? 夜逃げ同然で逃げてきたし! ふざけんなー!!」
「新年の御馳走も作ってくれるって言ったのに……お腹減ったー……」
「もう、みんな楽しそうにしてくれちゃって……」
「……」
「もー!! ちょっとお兄さん!? 聞いてるの!?」
青年「聞いてるよ! ごめんって!」
ナ『あの時……』
ぱんっ
……
青年「……え?」
妹「今のでお兄さんは死にましたー。いまからニューお兄さんに変わったのですー」
青年「え、いや、ちょっと?」
妹「うっさい!! 死んだの! 生きたの! はい終了!!」
青年「え、えっと……」
妹「文句ある!?」
青年「な、無いよ……」(この状態の女性敵に回したらトテモコワイ)
妹「お兄さん!」
青年「は、ハイ!?」
妹「あたしまだお兄さんいないと困るの」
青年「……」
妹「拾ってくれたんでしょ、あたしのこと。だったら最後まで、せめてちゃんと暗殺者として活躍できるまで責任持って見守っといてよね!?」
青年「か、帰らないの……?」
妹「今更何言ってるの? 人殺しだよ? あんな平和でつまんない村に帰れるわけないじゃん。だいたい今更帰ったって邪魔者よ!!」
青年「じ、実は探してたり……?」
妹「何年たってると思うの? 探してたとしても一週間まででしょ。どうせもう死んだと思ってるし、そんなところにかけるお金ないもん。あたし探す価値なんてないからね」
青年「……」
妹「いい? お兄さん、こんな子供がいきなり仕事、なんてそうそうもらえないの。つまりお金なんてないのよ! それほっぽりだすき!?」
青年「そ、そう言われると、無いわけでもない良心が……」
妹「なんだかんだで優しいのよお兄さんは!! 知ってるわよ? 今までそんなに料理とか作れるけどしてなかったでしょ?」
青年「え」
妹「あたしがご飯食べた後、使ってない鍋とかフライパンとか全部洗ってたもんね! これからいっぱい料理作ってあげようとか思ってたんでしょ!」
青年「ち、ちがうよ、あれはたまたま……」
妹「傷だらけで帰ったらなんだかんだで手当てしてくれるし」
青年「つ、使い物にならないと困るから……」
妹「きっつい訓練の後でもご褒美とかありえないでしょ?」
青年「あ、飴と鞭……」
妹「なにげにご飯のリクエストは叶えてくれるし」
青年「あ、あめとむ」
妹「記念日でプレゼントとかおかしいでしょ」
青年「あ、あめt」
妹「ちゃんと服も綺麗なのとかへんじゃない? それこそ汚れてもいいぼろ布わたしときゃいいでしょ」
青年「あm」
妹「毎日洗濯も?」
青年「あーもう! わかったよ!! なんだよ! そんなに僕をいい人にしたいかよ!?」
妹「したいよ! だっていい人なんだもん!! お兄さんあたしのことちゃんと育ててくれたよ? ちゃんとあたし生きてるよ? 心折れそうな時もあったけど、ちゃんとお兄さんやりすぎたら謝って飴くれたじゃん! 悪い人なわけないよ!」
青年「……」
妹「お兄さん、いなくならないでよ! あいつみたいに捨てないでよ! あいつと同じにならないでよ!!」
青年「っ」
妹「お兄さん、自分でやられて嬉しくないこと人にやっちゃダメって習わなかったの!?」
青年「残念ながら、習ってないな……」
妹「でもっ」
青年「でも、いいよ。わかった。だから泣かないで?」
妹「……」
青年「僕が悪かった。ごめんね」
妹「お兄さん、の、ばかぁ……!!」
青年「うん。やりすぎた。ごめん。捨てられるのは、嫌だよね……」
妹「ヤダ! あたしだって、わかんないよ! 迷子になるよ!! まだ子供だもん。ずっとお兄さんといっしょだったんだもん!! いきなりいなくならないでよ!!」
青年「うん。うん……」
妹「ちゃんと、屋根があって、美味しいもの食べられて、毎日洗濯した服が着れるって、とっても大事なことなんだよ。嬉しいことなんだよ。だからお兄さんはいい人だよ。あいつみたいにゴミって言えるような人じゃないんだよ。心だって、思いやる気持ちだってあるんだよ。お兄さん厳しいけど、優しいよ。素敵だよ」
青年「ありがとう……」
妹「うぅ、うっ、うわーーーーーーん!!」
青年「……」
ナ『少女は大泣き。青年はそんな彼女を黙って抱きしめ、背中をなでていました……』
妹「ホントマジありえない!!」
青年「ホント君、たくましくなったよね……はぁ……」
妹「ため息つくなぁぁぁあああ!!」
青年「最初はあんなに可愛かったのに……」
妹「昔を懐かしむなぁぁぁあああ!!」
青年「僕でもこれはやばい! って思うほどの女性、というか、姐さん? 肝っ玉母ちゃん? みたいな迫力兼ね備えちゃって……」
妹「前者と後者が全然違うんだけど!?」
青年「まぁまぁ、いいじゃん。でも、本当にいいの? 僕から離れられたのに」
妹「言ったじゃん。せめて成功するまでちゃんと一緒にいて先生してよね!」
青年「はいはい。じゃあ、まずは住む場所決めないとねー」
妹「だいぶ遠くにきたよね? しかも表」
青年「いいじゃん。一応僕と君の偽造書類もあるよ。これでどこでも住める」
妹「……」
青年「あぁ、大丈夫。ちゃんと使えるから」
妹「なんだかなー……」
青年「どこ住みたい?」
妹「そうだねー……市場が近くて、裏街で、あ、ゴスロリ売ってるところが近くにあればなおよし!!」
青年「表の町でも住めるって……本当にいいの? 今ならまだ引き返せる」
妹「いいんだってば! それに、今も何も、もう無理だよ! あたしがそう思ってるんだから、無理なんだよ。それにそれにね! あたし、これからはちゃんと暗殺者として頑張るよお兄さん! だからちゃんとサポートよろしくね!!」
青年「これから、ね……大丈夫。僕らのボスを暗殺した君は、立派なスナイパーだよ」
妹改めス「……えへへっ!!」
ナ『こうしてスナイパーとなった少女が魔王暗殺の依頼を受け、なにがあったか、魔王に拾われて、勇者や盗賊達と楽しい平和な日常をすごしていくのはまた、別の話……』
やっと終わりだぁぁぁああ!! 長かったぁぁぁあああ!!
青年「あー、僕の出番……」
ス「とか言って本編に隙あらば出ようとしてるくせに……」
青年「あ、バレタ?」
ス「本当だったの!? 冗談だったのに!!」
青年「ふっ! 僕作者に気にいられてるからね!」
ス「作者ぁぁぁああ!?」
作『けふんけふん!!』
青年「まぁ、キャラ濃いしね……」
ス「あ、自分で言っちゃうんだ……」
青年「きっと本編のあの人とは仲良くできるとおも……えないかなー!」
ス「思えないのかよ!」
青年「ほらほら、同族嫌悪? みたいな?」
ス「……」
作『と、ともかく! 楽しんでいただけたでしょうか、シリアス魔国! いや、変にギャグを挟んだシリアル魔国!? 今後も他の人を気まぐれ更新していくつもりでございますので! タノシミにしていただけたら幸いです!! ではでは! みなさん!!』
ス&青年「「今までありがとうございましたー!!」」
青年「また会うことあったらよろしくねっ!」
ス「こらーーー!!」
最後に青年を救ってハッピーエンドにしたのは、ダークサイドっていう割には甘い気も致しますが、それでも、魔国は基本コメディーですので。楽しい終わりにした方が幸せでしょう? いえ、途中も結構へんにギャグを挟み、シリアルになってしまったのですが、基本コメディーですので! ダーク、か? ってツッコまないでくださいね! これはコメディーです!!
ではではそんな感じで私も失礼いたします!!




