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エブリデイ・オブ・魔国  作者: 盗賊
魔国Dark Side
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魔国Dark Side  スナイパー⑬

ナ『朝……』

妹「お、に、い、さ、ん!!」

青年「ん~?」

妹「起きなさいよー!!」

青年「どわっ!? あ、あれ!? 帰ってきてたの!?」

妹「えぇ! たったいま!! 置き去りにされた森から!! 無事!! 生還したわよ!! この! 馬鹿! おにいさぁぁぁぁぁあああん!!」

青年「お、落ち着いて? ちゃんとご褒美用意しておいたから!」

妹「何よ!?」

青年「じゃーん! 手作りのチーズケーキだよ!」

妹「……それ嫌がらせっていうのよぉぉおおおおおおお!!」チーズケーキ大嫌い

ナ『朝から元気なことで……』


ナ『アゲハさんの回からまた数年経ちました。髪は毛先が傷んでは少し切り、痛んでは少し切り、と、ゆっくり伸ばされて、今は腰のあたりまであるツインテールに。少女は口調も完璧にマスターし、訓練も、遠く離れたビルの屋上から、建物の中の的を撃てるようにまでなりました。着実にスナイパーとしての道を歩んで行っています。ゴスロリに合わせた厚底やヒールの靴でも速く走れるようになりました。それでもまだ人を殺したことはありません』

妹「他にご褒美ないの!?」

青年「そうだねぇ、あ、髪飾り作ってみたよ。リボンとフリル~♪ この前買ったゴスロリに似合いそうじゃない?」

妹「かわいい!! って、え、何? 作ったの!? ちょっと、何その女子力!? よこしなさいよ!!」

青年「じゃぁ、次教えるのは裁縫かな? 料理の方はそこそこできるようになったし……」

妹「なにそれ花嫁修業? 何このほのぼの!? ここ闇ギルドよね!? 暗殺者として育てられてるのよね、あたし!?」

青年「なんか年々ツッコミが強くなってきてない? 強いとこかったけど、年々強くなってない? しかもさ、ねぇ? 確かに女子らしく話そうって言ったけど、なんか、ギャルっぽいよ? あれ? 女性らしさはどこ?」

妹「知らないわよ! だいたい口調は言ったまんまじゃない? ほぼあってるんだから細かいこと気にしちゃだめよ!!」

青年「な、なんだかな~……」

妹「お腹すいた!!」

青年「あ、お餅煮てあるよ? 食べる?」

妹「え、年開けた? 雑煮?」

青年「いや、まだだよ? 確か……あ、明後日大晦日」

妹「……時間の感覚ないわぁ……ってか、そんな日にあたしは森に放り出されたのね……」

青年「まあいいじゃん。遠くに放り出すのは、交通手段を学ぶのにもちょうどいいから重宝してたりするんだ」

妹「なにげに今すぐ一人暮らしできるようなスキルをあんたから雑に学んでたのね……?」

青年「そうそう。他にも値切る方法とかねって? ま、感謝してよ? こんなお優しい暗殺者なんていないからね」

妹「はいはい」

青年「雑、酷い」

妹「まぁまぁ」

青年「なんで僕がなだめられてんだろ……あ、そうそう、明日大掃除だからね?」

妹「あれ? 大掃除なんてしたことあったっけ?」

青年「してなかったから大掃除するんでしょ」

妹「へー」

青年「君もやるんだよ。大掃除」

妹「そりゃそうだろうけど……」

青年「この世のいらないゴミとかも、お掃除しないといけないから、ね?」

妹「……え?」

青年「ほい、依頼書」

妹「………………」

ナ『気軽に渡された書類と封筒。書類は、場所と日時だけが書かれた暗殺依頼でした』

青年「その時間、その場所に現れるはずの人を殺してほしいんだ。ちなみにそれ、三枚セットなんだけど、今渡したのが①。成功したらこっちの封筒開いて、依頼のもう一個やってね。成功しなかったら開けないで。その封筒には二枚紙入ってるけど、一枚はその依頼内容。もう一つは報酬について書かれてるから」

妹「なんで」

青年「なんでも何もそういう約束だったでしょ?」

妹「なんで今……」

青年「それは、もう君が一人前の力をつけたなって判断したから。一人で生きて行けそうでしょ?」

妹「……」

青年「大掃除は明日だよ。明日」

妹「……」

 ふぅ……。

ナ『少女は一息つくと、表情を切り替え、少し失敗したような顔をしました』

妹「誰か、とか書かないの?」

青年「暗殺依頼にはそういうのも多いよ。だから見分ける能力も必要だよ。頑張って」

妹「なんで、もう一つは別なの?」

青年「依頼には理不尽なのも多いよ。気にしたら負けだよ」

妹「……」

青年「ハジメテ、の依頼、しくったら承知しないから? オーケー?」

妹「……うん……」

青年「頑張って、一応、応援してるから」

妹「一応なの?」

青年「そうそう」

妹「ここはほら、もうちょっと、頑張ってぇ! とか、応援めっちゃしてる~! とかさぁ!?」

青年「え、お嬢ちゃんの中で僕どんなキャラ!?」

妹「え……変な人?」

青年「年越しそばにてんぷらはいらないよね!」

妹「ちょっと欲しいかな! 後お兄さん、結構和風だよね!?」

青年「ん? そりゃ、まぁ、ねぇ……?」

妹「え?」

青年「あれ? 言ってなかったっけ? ボス和ノ国出身だよ?」

妹「……がっつり洋風悪役だったよね!?」

青年「斧がお似合いの巨漢だしね」

妹「和ノ国って身長小さめの人が多いって聞いたんだけど……?」

青年「さぁ? さすがにそんな詳しいこと知ってるわけじゃないしな、僕も。だいたい和ノ国は国閉ざしちゃってるしねぇ」

妹「いいなぁ、一回でいいから行ってみたいなぁ」

青年「なんで?」

妹「和ノ国風の浴衣ドレスとかすっごい可愛いもん! あれは一回本物見てみたいとか思うじゃない!?」

青年「……さ、さぁ! 今日はもう寝たら!? 森から帰って疲れてるでしょ!? それに本当に部屋の大掃除もするんだからね!?」

妹「そうねぇ。お餅食べてから……」

青年「あ、お風呂湧いてるよ~」

妹「先にお風呂行ってくる!」

青年「はーい。あ、入浴剤入れてね。僕も後で入るから~」

妹「わかったー!」

青年「あ、髪しっかりと洗うようにね!? 間違ってもガシガシしないでよ!?」

妹「分かってるって……」






ナ『時間、夜十一時五十五分。場所、○○○ビル屋上、小神社前。備考、男・身長高め・横幅もそれなり・おそらく一人。

  絶対に撃ち漏らさないように。一撃で殺せ』

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