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エブリデイ・オブ・魔国  作者: 盗賊
魔国Dark Side
49/66

魔国Dark Side  スナイパー⑥

 諸事情により、一週間ほど更新ストップさせていただきます。

 楽しんで読んで下さってる方、誠に申し訳ございません。

 そのかわりと言ってはあれなのですが、今回は長くなっております。えぇ、いつものグダグダはそのままですけれど!!(おい

 では、本編をどうぞ。

青年「え? 僕妹なんていな……もしかして生き別れの、とか?」

妹「違うよ! ほら、もっと髪長くて二つ結びにしてた……」

青年「……うーん?」

妹「街で泊めてもらった!」

青年「??」

妹「おz」

青年「え、何だって? って、あぁ、思い出した思い出した!」

ナ『おじさんと呼ばれるときだけすごく反応いいですね……』

青年「……」どすっ

ナ『ないふっ!?』

妹「何いきなり!?」

青年「……いやぁ、なんかいた気がしたんだけど……気のせいだったみたい」

妹「……」

青年「で、えーっと、あ、そうそう。あの時の子ね。うんうん。来るなって言ってもきっと押しかけてくるんだろうなって思ってたけど、全然来ないからちょっと気にしてたんだよ」

妹「あの後すぐに捕まったの」

青年「そりゃついてなかったね」

妹「そんだけ?」

青年「そりゃぁね。……って、もしかして僕が何者だかあんまりわかってない?」

妹「?」

青年「んー、そっか。じゃぁ、そこからだね。僕の部屋いこう。あ、ボスに見つかったら即処刑だと思ってね」

妹「どうしろって!?」

青年「しーらない♪」

妹「えぇー!?」

青年「あ、はぐれてもアウトだから。じゃ行くよ」

妹「ちょ、早い速い!」

青年「あはは~」


ナ『灰色のコンクリートがむき出しの部屋に、ベッドが一つと、ソファーと本棚が置かれた殺風景な部屋。小さいけれど、一人暮らしにはちょうどよさそうなくらいです』

青年「ここが僕の部屋。道覚えた?」

妹「ついていくので精いっぱいだよ!!」

青年「そう? じゃぁ、次から頑張って覚えてね。僕は道教えたりしないから」

妹「えぇ!?」

青年「それから、ちゃんと君の立場は自覚しておいてね?」

妹「立場?」

青年「君の主人は僕。オーケ?」

妹「ハ?」

青年「そうだね。今日くらいは憐れんであげるよ。家を飛び出た君の頭の悪さ。だからちゃんと説明してあげる」

妹「あわれ……なにそれ!? 意味わかんない! 助けてくれたんじゃないの!?」

青年「助ける? なんで?」

妹「なんでって……」

青年「僕はただ、ボスからゴミをもらっただけだよ?」

妹「ゴミって何!? 酷い!!」

青年「酷いのは君のその頭のお粗末さでしょ?」

妹「おそま……?」

青年「要するにバカってこと」

妹「バカじゃないもん!!」

青年「バカだよバカ」

妹「だからバカじゃ」

青年「あーもう、うるさいなぁ」

 ぱんっ

ナ『青年は笑顔のまま、手を振り上げ、少女の頬をぶちました』

妹「ぎゃんっ」

青年「言ったでしょ? 君の主人は僕。君は僕の持ち物なんだよ? ご主人様に向かってそんな口のきき方はないんじゃない?」

ナ『倒れ込む少女を見下ろして、冷めた瞳で、温度のない笑顔で、そう告げます』

妹「だから、ご主人様とか意味わかんないって、言ってるの!!」

青年「あぁ、そうだった。馬鹿にはちゃぁんと説明してあげないとわからないんだよね。いいよ。憐れんであげるって言ったもん。今日だけは、ね」

ナ『青年は笑みを深くして、ソファーの背に腰を掛けました』

青年「そうだなぁ、最初はどこからかな。何から聞きたい?」

妹「帰りたいんだけど?」

青年「あははっ、面白いこと言うねぇ。それは無理だよ。当たり前じゃない」

妹「どうして?」

青年「君は売られたんだ。そしてボスに買われた。その後僕のモノになった。ね? 無理だよ?」

妹「その理屈はおかしいよ! 人間だよ!? 売って買われたなんて、そんなのお巡りさんとか許さないよ!!」

青年「それが無理なんだなぁ」

妹「どうして!?」

青年「んー、小さいお嬢ちゃんにはわからないかもしれないけどさ、大人ってそうそう綺麗なやつじゃないんだよ? 横領賄賂隠蔽。難しいか……。お金をこっそり盗ったり、お金渡して見逃してくださいって言ったり、そういうのを隠して誤魔化したり、する人多いんだよ」

妹「ウソ! いい人だっているもん!」

青年「そりゃいるさ。だけどそんなのは少数で、汚い真っ黒黒なやつの方が大多数って話」

妹「信じないもん!!」

青年「じゃぁ、警察に駆け込んでみる? 連れて行ってもいいけど、少なくともこの辺の警察なんて汚れたやつしかいないよ? 遠くいってもいいけど、それなら僕は街の終わりまでしか行かない。街から出たら君一人だね。子供が一人で旅なんてできる? 悪い大人にまた捕まるよ? あぁ、ただ捕まるだけならいいね。苦痛にうめく声や表情がいいってサドもいるから、そんなのに捕まったら壊れるまで遊ばれるよ?」

妹「……」

青年「ね? ほら? 無理でしょう? なんか言ってみたら? 言えるもんなら?」

妹「……」

青年「君も本当はわかってるでしょ? 少しかもしれないけど路地裏暮らししてたんでしょ? それなら大人の汚いところ、見えたはずだよね?」

妹「……で、も……」

青年「でも、何?」

妹「……」

青年「何も言えないならでもとか言わないでくれない?」

妹「……」

青年「分かったら返事」

妹「……はい」

青年「うん、いいよ。あとついでに言っとくね? 売られた人間に人権なんてないから。そこんとこ勘違いしないでね」

妹「なっ!?」

青年「返事はハイ、だよ?」

妹「……」

青年「ゴミとして好きなだけ、めちゃくちゃにされたかった? きっと死にたいと思っても死ねないよ? 精神がいかれるまで、いや、精神壊れても死ねないよ」

妹「……は、い……」

青年「うんうん。あぁ、これだけちゃんと言っとかないと。僕別に君の心を折りたいわけじゃないよ? むしろちょっと反抗的で、その強い精神、とっても気にいってるんだからね? 適度に言うこと聞いてくれたらちゃんと自由を約束してあげる。ねぇ、あいつらよりよっぽどいい物件だと思わない? 僕は君にやってもらいたいことがある。君は僕の影で生きればいい。ギブ&テイクじゃない?」

妹「……そ、う? あんたの方がよっぽどいいんじゃない?」

青年「いや、そりゃぁね! ボスにたてついたんだから、多少の見返りもらわないと! でしょ? あははははっ」

ナ『青年は楽しそうに笑いました』

妹「……私、は……?」

青年「ん?」

妹「何、させるの?」

青年「その前にここの説明するよ」

妹「?」

青年「ここはねぇ、闇ギルド」

妹「闇?」

青年「正確に言うと、闇ギルドに所属してる暗殺ギルドだね」

妹「あんさっ!? てか、え!?」

青年「難しいとこなんだけどねぇ。……冒険者ギルドって知ってる?」

妹「う~ん……」

青年「その顔は知らないね! そうだなぁ、まぁ、大きなギルドって思って? それで、冒険者は一人でも、小さなギルドでもそこに加盟できるんだ。んー、よくわかんないシステムなんだけどね。あ、高校でも思い浮かべてみようか? いや、大学かも?」

妹「いきなり何!? 高校!? 大学!? いや、知らないよ!?」

青年「きっと他の人にはわかる」

妹「私に説明して!?」

青年「小ギルドは教科とか頭の良さとかでクラス分けされた感じかな? より専門的。で、担任がボスね。学校が大ギルド。全部合わせて闇ギルドかな」

妹「学年は!? 学年主任は!? 校長は!?」

青年「知ってるじゃないか!! ……校長はいないんだ。有名どころの小ギルドの長とかが何人かが大ギルドを管理してる。んで、学校には先生じゃない人もいるよね? それが単独で大ギルドに所属してる人ってところかな」

妹「へー……で?」

青年「最後適当なのが気になるけど、要するに、僕らは暗殺ギルドの一員。で、そこに所属してる僕はもちろん暗殺者。さらに、その僕が君に望むのは、立派な、僕を超えるほどの暗殺者になってほしいってこと」

妹「私が、殺し屋ぁ!? 無理! 無理無理無理無理!!」

青年「無理じゃないよ? 人は死ぬのも殺すのも簡単。だけど、そうだねぇ、接近戦で殺すのは無理かな。だったら銃だね。あれなら女子供でも結構……」

妹「違うよ! そういうんじゃない! 私に殺すなんてできない、やりたくない!!」

青年「……あれ? まだわかってなかった?」

妹「え?」

青年「君に選べるのは、壊れるほどに嬲られた後むごい、嫌ぁな方法で殺されるか、僕の手を取って、その真っ白なおててを血に染めるか、どっちかだよ?」

ナ『純粋に、それはもう純粋に、首をかしげて聞きました』

妹「……い、いやだ……」

青年「じゃぁ、死ぬ?」

妹「いや、いや……」

青年「ダメだよどっちか。……いや、どれか、か。死ぬか、銃か、接近戦か」

妹「むり、やだ、こわい、やだ、やだやだぁ……」

ナ『壊れたようにヤダと繰り返す少女。しばらく真面目な顔して見ていましたが、飽きた様子の青年』

青年「じゃぁ、生きるね。はい、決定~」

妹「ころ、やだ、できない……」

青年「できるできないじゃないよ? やるの」

妹「やだ……」

青年「決められないから決めてあげたじゃん。ちょっとくらい感謝してほしいかな」

妹「だったら助けてよぉ……」

青年「それは無理」

妹「……」

青年「んー? 泣けば済むと思ってる?」

妹「……」

青年「ダメだよ? ……あ、ついでに銃使うのも決めてあげる」

妹「……」

青年「なんで銃すすめるかわかる?」

妹「……」

ナ『首を振る少女。青年はソファーから立ち上がり、そっと少女の横に膝をつく』

青年「それはねぇ?」

ナ『青年は太ももに取り付けられていたナイフを抜き、少女の手に握らせ、その手ごとナイフを握りこみました』

妹「!?!?」

青年「ナイフって、人を殺した感触、直に伝わるの」

ナ『ゆっくり、ゆっくり、ナイフの刃先を自分の左胸の下に移動していきました。ぴたり、と、ナイフを当てて位置を固定します』

妹「や、嫌! ヤダ! はなして!!」

ナ『少女は渾身の力を込めて暴れていますが、線の細そうに見えて意外に頑丈なのか、青年はびくともしません』

青年「それ、嫌でしょう?」

ナ『青年は少し刃を離すと、勢いをつけて自分に刺しました』

 ずぶっ……

妹「ひっ!?」

青年「ぅ……」

ナ『ぷつ、ずぶ、ずぶり……不快な感触がナイフから少女に伝わりました』

青年「ん、ふっ、くぅ……んぁ……あぁ、ほら、全部入った」

妹「……」

青年「ほら、顔。怖いって、固まってる。これでナ、イフ、扱える?」

妹「な、なに、普通に、話してんのよ……っ」

ナ『少し荒れていた息を深呼吸で整え、もっと普通に話し出す』

青年「僕ねぇ、ちょっと前に事故って、痛み感じないんだ。でもそれって悪いことなの。だからボスにゴミ認定されちゃった」

妹「そんなのどうでもいいから! ぬき……」

 こつん

妹「ひぐっ!?」

青年「今のが骨。硬いんだ。だから力なかったり当たり所が悪いと一撃で殺せない。小さくて非力な君にはやっぱり銃をお勧めするよ」

妹「はぁ、はっ……」

青年「はぁ、もういっかな? わかってくれた?」

妹「はっ、はっ……」コクコクコクッ

 ずるずるずる……

ナ『ナイフを抜いて、青年が手を離しても、少女はナイフを手放しませんでした』

青年「ほら、力抜いて?」

妹「……」

青年「大丈夫。ゆっくり、ゆっくり放そうね?」

妹「け、怪我……」

青年「あぁ、大丈夫だよ? 僕トカゲの獣人なんだ。だからこれくらい三日で……って、ねぇ、ちょっと!?」

妹「はっ、はっ、はっ……」

ナ『少女は過呼吸になっていました』

妹「っ……」

青年「お嬢ちゃん? お嬢ちゃん!?」

ナ『ナイフを手放すこともできずに、少女は意識の方を手放しました』

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