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エブリデイ・オブ・魔国  作者: 盗賊
魔国Dark Side
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魔国Dark Side  スナイパー⑤

ナ『少女は売りに出されました。裏路地の路地裏の奥の奥。地下に進んで、湿気と悪臭に悩まされるような悪質な環境。人や法外なものが気軽に売り買いされる、ランクの低い闇市に』


妹「んー、んーー!!」

ナ『猿轡をかまされ、その上に布をかぶせ、口元が見えないようになっています。手は後ろで縛られ、足は両足を縄でつながれ、その縄は商人の手にあります』

不審者二「騒ぐんじゃねぇ!」

不審者三「旦那にあんなにやられたのに、まだ反抗するってすげぇよな……」

不審者二「だな、さすがに俺もびびっちまったぜ……」

不審者三「えー、兄貴ビビったんですかー? あいてっ、殴るなんて酷い!」

ナ『そこに顔に傷がある、いかにも極悪人! といった男が通りがかりました』

傷男「おい」

不審者一「はい、なんでしょう」

傷男「男のガキはいるか? できるだけ頑丈なやつがいい」

不審者一「そうですね……」

不審者三「あれ、あいつ売らな痛いっ!」

不審者二「……」

不審者一「すみません。うちのモノが……」

傷男「いいからさっさとしろ」

不審者一「はい」

不審者三「え、あいつ売っちまった方がいいじゃないですか? 頑丈だし?」ひそひそ

不審者二「ばかかてめぇ。あんな危なそうなやつに売って、もし女だってばれてみろ? 俺らがヤバい」ひそひそ

不審者三「……あ、そっか。そうですね。そういえば女でしたっけ?」ひそひそ

不審者二「……ばかかてめぇ……」ひそひそ

不審者一「これくらいでいかがでしょう」

傷男「ふん、まぁ、いいだろ」

不審者一「では、値段は……」

傷男「……おい」

不審者一「はい?」

傷男「そいつはいくらだ」

妹「!?」

不審者一「いえ、それはあなた様のご要望にあわないかと……」

傷男「そうか? いい目してやがんだがな?」

妹「……」

傷男「反抗的ないい目だ。折りたくなる」

不審者三「どうするんですかね、旦那……」ひそひそ

不審者二「さぁな……もし売るならすぐ逃げんぞ? 準備しとけ」ひそひそ

不審者三「あいあいさー」ひそひそ

不審者一「……わかりました。ではそのように……」

傷男「こんだけ買ったんだ。そいつの分くらいまけろよ」

不審者一「そんなお客様、それはいくらなんでも……」

傷男「あ?」

不審者一「……仕方ありませんね……」

ナ『そうして少女は少年として売られていきました』


不審者一「すぐに逃げますよ」

不審者二「準備できてるぜ」

不審者三「したの俺!」

不審者二「じゃかましい!」

不審者一「ほら、行きましょう」




ナ『売られた少女は他に買われた少年たちと一緒にどこか遠くに運ばれました。着いた先は少女がいた街よりも大きくて、都会の、闇の濃い街でした。その濃い闇の部分に集まったビルのうちの一つ。それが傷のある男の持ち物だったようです』


傷男「どーいうことだ、畜生!!」

ナ『ビルの一番高い、大きな部屋は傷のある男の部屋。つまり、男は一番偉い役職に就いた人だったようでした。部屋の奥に大きくて座りやすそうな、高そうな椅子があり、そこに男が座り、その前に少女は投げ捨てられました』

傷男「女ぁだ!? ふざけんな!!」

ナ『連れて来られてすぐにばれたこと。少女が少女であったこと。手下らしき男たちが囲む中、少女はひたすら堪えます』

傷男「ちっ! ゴミが! 誰だぁ、こんなゴミを売りやがったのはぁ!! すぐ探し出して生皮ひん剥け!!」

ナ『ガラガラとした声は、獣が吠えているように聞こえます。腹に響く、聞き取りづらい声。手下たちはその怒鳴り声が怖いのでしょう。ですが、それを表に出したら矛先がこちらに向くのはわかっているのでみんな無表情を装って、恐怖を押し殺しています』

手下一「は、はいっ」

手下二「こ、こいつはどうしましょう?」

傷男「そんなん聞くまでもねぇだろうがよ!! ゴミだゴミ! いらねぇもんはごみ箱にでも捨てとけ!! ……あぁ、そう言うのが趣味ってんなら好きにしろ! ただ、俺の目に二度と触れさすんじゃねぇ! ゴミなんて見たくもねぇ!!」

手下「「はいっ」」

妹「……」

傷男「なんだぁ、その目は! 今ここでスクラップにしてやってもいいんだぞ!?」

妹(その目がいいとか言ってたくせに)

傷男「あ? 何思った? 言ってみろ!」

妹(言ったらぼこぼこじゃんか)

傷男「……気に食わねぇ! おい、今すぐこいつをミンチにしろ! 粗大ごみから生ゴミだなぁ!! おいぃ!!」

妹「……」

?「ボスー? 何をそんなお怒りなんですー?」

ナ『突然、部屋から外へ続く扉が開き、誰かが乱入してきました。少女を超えて、男の目の前に立ちます。手下たちとは違う、能面のような笑顔です』

妹「……ん……? ……んんっ!?」

ナ『何かに気が付いた少女。ですが口にはさるぐつわがまだあったので何を言っているのか、何かを言っているのかは誰にもわかりませんでした』

傷男「あぁ、なんだてめぇ! 口出す気かぁ!?」

?「いえいえー、そういうつもりじゃないですよ。ただ、生ごみにするくらいなら僕にくれないかな、と思いまして」

傷男「あぁ?」

?「ボス、僕結構このギルドのだめに頑張ってきたじゃないですか? 表舞台からちょっと遠くなる僕に、餞別くらいくれたっていいと思うんですけれど?」

傷男「はっ、生意気言うようになりやがって! なんでテメェのために餞別なんて送らねぇといけねぇんだよ!!」

?「あ、じゃぁ、いいです。本当に欲しいのは……」

傷男「あーあー、だからなんでテメェのために! あぁ、いいよ、ゴミだかんなぁ、これくれてやるよ!! ゴミはゴミ同士仲良くやってろよ。ゴミが」

?「……」

ナ『乱入者は最初から笑顔でしたが、ゴミ、と言われたときには一瞬固まったのを少女だけは見逃しませんでした』

?「では、いただいていきます。ゴミの僕に、どうもありがとうございます」

ナ『大袈裟に一礼して、少女の傍により、縄を手に取り引きづ李部屋を出ます』


?「……さて、と、もういいかな」

ナ『部屋を出て、外階段に出て、何階か降り、ビル内に入り、物置のような場所に入ると、その人は少女の縄を切って自分の上着を着せました』

?「さすがに寒そうだね。まだ、暖かい方だけど……」

ナ『そう言って縄の次に猿轡を切りました』

妹「ぷはっ!!」

?「大丈夫?」

妹「お兄ちゃん!」

青年「……え?」

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