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エブリデイ・オブ・魔国  作者: 盗賊
魔国Dark Side
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魔国Dark Side  スナイパー②

ナ『いろいろあって家を、村を飛び出した少女。何とか街にとどりつきました』


妹「あー、もう夜になっちゃった……」

ナ『飛び出したのは朝早く。今はもうすでに日は暮れ、月が真上に登っています』

妹「……さむ」

ナ『基本的に気候はいいこの地域ですがさすがに夜は冷えました』

妹「……これからどうしようかな……」

ナ『少女の頭には家へ帰る、とういう選択肢は元からありませんでした』

妹「誰か、泊めてくれる人とかいないかな……」

 しーん……。

妹「……さすがにこんな夜にいないよね……」

ナ『街と言っても眠らずの、都会にあるようなものではないので、すでにあたりは暗く、人通りはありませんでした』

妹「いいや、今日くらいはその辺のろ、路地裏? で……」

ナ『少女は変なところ肝が据わっていたのでした』


 朝。

妹「ふぁー……よく寝た」

ナ『肝が据わりすぎじゃありません?』

妹「ん? なんか失礼なことが聞こえた? ……気のせいか」

ナ『……』

妹「よし、今日から、何とか働けるとこ探してみよ!」

ナ『それから毎日』

妹「働かせてください!」

1「悪いけど、ほか当たってくれ」しっしっ

妹「わーん」

ナ『毎日毎日』

妹「働かせてください!!」

2「ごめんなさいねぇ、あなたみたいのは雇えないのよぉ。あぁ、これあげるわぁ。売れ残りだけどぉ……」

妹「ありがとうございますー!!」

ナ『毎日毎日毎日』

妹「はーたーらーかーせーてーくーだーさーい!!」

3「あんたみたいの雇う余裕なんてないよ! あっち行っとくれ!!」げしっ

妹「ぎゃんっ」

ナ『毎日毎日毎日まいn……』

妹「もう! これじゃあ家のがましじゃない!!」

ナ『そうして悪態をつきながらまた路地裏に帰ってくるのでした……』

妹「さっすがにもうそろそろお風呂入りたいなー」

 ……

妹「ま、無理か……いやいや! 諦めないよ! 明日はきっとなんかなるさ!! えいえい、おー!!」

 ……くすっ。

妹「!?」

青年「あ、あぁ、ごめんごめん。いやぁ、若いっていいね」

妹「おz……」

青年「え、なんだって?」爽笑

妹「お、お兄さん? な、なんか用……?」

青年「いや? ただちょっと通りすがっただけだよ。元気のいい掛け声が聞こえたから面白くてつい……驚かせてごめんね。あぁ、お詫びに家来る? って言っても、宿住まいだけど。お風呂と残り物でいいなら夕食あるよ?」

妹「やったぁ!!」

青年「くすくす」

妹「……」じとー

青年「ごめんごめん……ふふっ、行こうか……」

妹「わーい!!」

ナ『少女はまだ幼く、疑うことをせずに、目の前の御馳走に飛びついてしまいました』


青年「へぇ、で、この街に来たんだ?」

妹「そう」

青年「大変だねぇー」

妹「……別に、自分で決めたことだし」

青年「そっか。意外と強いんだね」

妹「そう?」

青年「そうだよ。普通の女の子だったらとっくに逃げ帰ってる、というより、飛び出してこないかな」

妹「へぇー」

青年「興味ないね?」

妹「うんっ!」

青年「正直者か……根性は認めるけど、少しは隠すことを覚えた方がいいかな」

妹「……どりょく、する!」

青年「お、いい子だ……泊まってく?」

妹「ありがとー!!」

青年「……あと疑うことも覚えた方がいいかな?」

妹「え、なんかするの?」

青年「いや、僕はしないつもりだけど、世の中には奴隷商人もいるからね」

妹「どれい?」

青年「んー、ま、怖い人だよ」

妹「そうなんだ!!」

青年「だから気を付けないとダメだよー?」

妹「はーい」

青年「よし。じゃぁ、そろそろ寝なよ」

妹「お兄さんは?」

青年「僕はこれから仕事なんだ。だから遠慮なくベッド使っていいよ」

妹「わーい!!」

青年(この宿、部屋だけに値段ついててよかった……)「じゃ、行ってくるね。起きたら勝手に出てっていいよ。たぶん昼まで帰らないから」

妹「わかったよーいってらっしゃーい!!」

青年「あ、それと、僕あとちょっとここにいるつもりだから、本当にダメー! ってなったら遊びに来ていいよ」

妹「せ、切羽詰まった時じゃないと来ちゃダメなの?」

青年「いつでも歓迎されるほど、世の中そんな甘くないよ。それと切羽詰まったってよく知ってたね」

妹「へへんっ!」

青年「よしよし。まぁ、餓死や凍死しないだけましだよ。世間には生まれてすぐにゴミ捨て場に投げ込まれる子供もいるんだからね」

妹「うーん、わかった。ありがとうお兄さん」

青年「よし。いい子いい子。じゃあ元気で頑張ってね」

妹「お兄さんもお仕事頑張ってねーばいばーい」


ナ『こうして少女は久しぶりに健やかな安眠を手に入れられたのでした』

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