ドールハウスは最終回
ナ『さて、ドールハウス一階を全力捜索していたところですよ?』
ス「あ、モーブみーっけ」
モ「見つかっちゃいました! ……あれ? 僕が鬼……あれ?」
ス「一人でどっか行っちゃたらダメでしょ」
モ「あ、はい、ごめんなさい……」しゅんっ
ス「よし、じゃぁ、一緒に行くわよ?」
モ「はいっ」
魔「おーい、盗賊ー?」
盗「はいはい?」
勇「異様にガタガタ震えるクローゼットを発見したんだが……」
魔「え、なにこれ? 開けていいのか?」
ガタガタガタガタガタガタガタガタ……
盗「……え、知らんし」
魔「おい!?」
勇「……誰かいるのかー?」
ガタガタガタガタガタガガタガタ……
盗「うーん、とりあえず、お任せ。んじゃね!」
魔「あ、こら!? ……」
勇「な、なんなんだろう……」
魔「あんま近づくな勇者」
勇「え?」
魔「変なんだったら困るだろ」
勇「まぁ、そうだが……」
魔「……よし、放置で行くぞ」
勇「え、だ、大丈夫なのか!? これ(?)が探してるやつだったら……」
魔「かくれんぼのはずだから移動はしないだろ? 一階全部探していなかったらまた戻ってくりゃいいし」
勇「それもそうか……」
魔「そん時はチートなあいつに開けさせよう」
勇「そうだな!!」全力肯定
盗「へっくちっ」
ナ『風邪ですか?』
盗「いや、なんか……変な噂をされたような気がする……」
ト「♪探し物、探し物。何かを忘れて探し物。僕は何を探してる? 見つけて見つけて、探して教えて、僕の歌♪」
しーん……
ト「この辺にはいないのかな……」
ナ『詩人的、特殊魔法。歌の魔法ですねー。捜索範囲は五、六部屋いっきです。見る必要ないのです。すごいです』
ト「えへへっ」
ナ『チートです』
ト「えぇー……」
ス「さて、どこ探そうかしら?」
モ「くんくん……この辺からはあの子の匂いしません!」
ス「……探知犬?」
モ「犬じゃないです狼です!!」
ス「はいはい。じゃ、狼の鼻で探してちょうだい」
モ「はいっ!!」
ス(……あたしなんもしてなくね?)
ナ『あなたの役割はモーブの保護者役です』
ス「……」
ナ『いろいろ探し回った結果……』
盗「お疲れっす。何か発見あったかや?」
ス「ないわ」
モ「……」しゅん……
ト「なんにも見つかんなかったよ」
魔「……」
勇「……」
盗「そこ二人っ!? あからさまに目をそらさないで!?」
魔「盗賊、お前いけ」
盗「いきなりなんだい!?」
勇「ガタガタクローゼットが……」
ト「え、何があったの……?」
ス「こわ……」
モ「ぅ?」
魔「……」がしっ
勇「……」がしっ
盗「なになにこわいこわい!?」
ナ『盗賊、連行』
盗「うにゃぁぁああああ!?」
ガタガタガタガタガタガタ……
盗「おぅふ……」
ス「え、なにこれ、キモッ」
ト「わー……」
魔「お前いけよぉ……」
盗「え、やだよ、魔王がいってよ……」きゃっきゃ
ト「なんだろ、この、好きな男子を前にもじもじしてる女子中高生みたいな……」
ス「なんであんたは例えがいちいち現代チックなのよ……」
魔「いけ、盗賊! お前ならいける!!」
ト「あ、今度は熱血だ」
ス「……」
盗「やだこわっ!」
ト「う、うーん、しょうがない、嫌だけどここは元凶の僕が……」
勇「トアル王!? 王がそんなことしちゃいけません! ……だったらここは、私が……」
魔「それはだめだ! お前、怪我でもしたら困るだろ!?」
勇「まお……」じーん……
魔「それでなくても最弱なんだから!」
勇「魔王ー!!」怒
盗「にゃははっ」
ス「で、あんた、さっさと行けば?」
盗「にゃんで!?」
ス「無敵素敵の盗賊さんでしょ? なんでもアリの謎の人」
盗「否定はできないけどねっ!?」
魔&勇&ス「だったらいけ」
ト「くすくすくす……」
盗「僕に味方はぁ!?」
ばんっ
皆「!?」
モ「みーつけたっ!!」
?「あーぁ、みつかっちゃった♪」
皆「!?!?」
?「みんなここを前にして言い合ってるんだもん、見つけてくれないと思っちゃった」ひょこっ
モ「ちゃんと見つけたよ! 名前教えて!!」
?「本当に知りたい?」
モ「うんっ、約束でしょ!」
?「僕はね……」
盗「ダメ」
モ「ぅ?」
盗「この子は君を見つけたよ。遊びは終わりだ。さっさと僕らを戻せ」
モ「盗賊さん! 僕たち遊んでただけですよ!? なんでそんなに怒るんですか!?」
魔「盗賊? なんか理由あんのか? いきなりそんな冷たいのはないと思うぞ?」
ト「小さい子なんだしね……」
ス「ちび助たちだけじゃなくて、あたしらも今のはないと思うわよ?」
勇「そ、そうだそうだ!!」
盗「僕に味方はぁ!? じゃなくて、今のモーブ、というよりは、モーブには難しいかもしれないけど、君にはわかってるでしょう?」
?「……」
モ「ぅ?」
盗「名前のない子と名前のある子じゃぁ、心に残る大きさは違うと思うよ?」
勇「心に残る?」
盗「そう、名前のある子の方が心にずっといるでしょ? この子は呪いだよ? 呪いを心に残すのはいろいろ危ないよ?」
?「うん、ごめんなさい……」
盗「さて、僕らを解放してくれるね?」
?「うん……。モーブ? だよね?」
モ「うんっ」
?「楽しかった! あそんでくれてありがとう!!」
モ「僕も楽しかった!!」
?「ごめんね、約束守れないみたい……」
モ「気にしないでいいよ! 盗賊さんがいぢわるなだけだから」
盗「うっ……」
魔「ざまぁwww」
?「僕ね、ずっと一人ぼっちだったの。だからね、本当、とってもとっても嬉しかったんだ! だから、だからね、僕のこと、忘れてもいいの!」
モ「なんで? ずっと覚えてるよ!」
?「ううん、それは辛いから、だから、忘れてね」
モ「……うぅ……」
?「モーブ、ありがとう、ありがとう!! ほら、もう帰る時間だよ! ばいばい!!」
モ「また、また遊ぼうね! 僕、ずっとずっと覚えてるからね!!」
?「……ありがとう……」
きぃぃいいいいいいん
ナ『戻ってきた魔王城執務室です!!』
魔「ふわぁ、つっかれた……」
勇「でもかくれんぼなんて久しぶりだったなぁ……」
ス「ほんとよ、子供じゃないんだから……」
魔「え?」手で砂小さいアピール
ス「おい……?」
ト「魔王ー!! ほんとごめんね!! 僕が不用意すぎたよ!!」
魔「ホントにな」
ト「あぅぅ……ごめん、本当ごめん……」
盗「……モーブ?」
モ「はっ!? お、俺何してたんだっけ……?」
ナ『青年モーブです』
盗「えっと……」
モ「あ、お茶の準備放りっぱだった!! やばっ!!」だっ
盗「あ……」
魔「あれ? モーブ?」
盗「なんも覚えてないみたいだにゃ」
魔「そっか……」
ス「大体いつもミニモーブの時のこと憶えてないものねぇ」
勇「なんか、寂しいな……」
ト「でも、あの子の願いでもあったし、まぁ、いいんじゃない?」
勇「そういえばドールハウスは……」
盗「失くなっちゃった」
勇「そうか……」
ト「♪寂しくないよ、僕らが覚えてる。一時の夢だけど、そのうち去るのだろうけど、今は覚えている。いつかのその時まで、君は一人じゃないからね♪」




