ドールハウスを使う
魔王城執務室にて
ト「助けてマオえもーん!」
ばばーんっっっ!!
魔「……だから、いつも言ってるだろ……? ドアに優しくしろぉおおおお!!」
ビ「ツッコミどころはそこじゃないでしょう……」
魔「あ……じゃなくて! 今度は何しに来たんだトアル王!?」
ト「今日は、うーん、なんだろ、君の友人として一つ頼みごとって言うか、非公式にちょっとした冗談みたいなお願い?」
魔「ハ?」
ビ「トアル王、差し出がましいようですが、一つ言わせていただいても?」
ト「もちろん。だいたい今は王様として来てるわけじゃないしねぇ?」
ビ「では……どちらでもいいのですが、いえ、どちらにしても、アポとってから来ていただけます? 非公式だとか、そう言うのを抜きにしてもあなたは王族なのですよ? そしてここは他国です。あまり軽率な行動は控えるべきだと思うのですが?」
ト「あははっ、一つじゃないじゃん? それにね、毎回会うたびにそれ言われてる気がするけどね! いい加減諦めてよ! 僕は根っこの方は流れの詩人なの! 王族なんかじゃないのさ!」
ビ「周りが納得しません」
魔「いや、ビィ、諦めろ。言って何とかなんなら五年前にもうなってる」
ビ「……はぁ……」
魔「で? なんだって? あ、ビィ、この書類あっち持ってってくれ」
ビ「かしこまりました。失礼します」ぱたん
ト「あぁ、そうそう! 行商人から面白いものもらってね?」ごそごそ
魔「へ?」
ト「じゃじゃーん、ドールハウス~」
城を模して造られたドールハウス。だいぶ凝ったつくりで、本物をそのまま縮小したような感じ? 食器・設備・庭付き。今すぐ暮らせます。小人サイズなら。
魔「……はい?」
ト「これがね、呪われてるって噂なんだよ。んで、魔王って魔王じゃん? てことは~、呪いとかにも詳しいんじゃね? ってな感じで来ましたぁ☆」
魔「いやいやいやいや! なんでそんなめんどいもん持ち込んでくんだよ! しかも、呪いだったら盗賊に言えよ! 呪われてる本人!」
ト「それがさぁ、一昨日から行方不明でさぁ……連絡つかないんだよね」
魔「だからってなぁ!!」
ト「ねぇねぇねぇねぇ! だからさ、ねっ、調べてみて、お願い!!」
魔「えぇー……」
ト「この前書類手伝ってあげたじゃん!」
魔「その代り俺はお前に変身魔法かけてやったけどな?」
ト「うっ」
魔「まぁ、とりあえず、見るだけ見てやっか……」
ト「きゃー! ありがと!! なんだかんだ言ってもちゃんとやってくれる魔王が好き!!」
魔「……」
別の日。
盗「やほやほマオマオこにゃにゃちわ~!!」
ばばーんっっ!!
魔「おーまーえーらーはー!!」
盗「うにゃぉ!? 虫の居所が悪かったん!? てかお前、ら?」
魔「ドアに優しくしろって!! トアル王とお前だ盗賊!!」
盗「あらそっち……」
勇「こんにちはだ。魔王」
魔「あれ? 勇者もいたのか」
勇「……」
盗「にゃははははっ! 彼女にお前もいたのかとかサイテー!!」
勇「……べ、別に私気にしてないぞ……」
魔「あー、いやー、うん。悪かった……」
勇「まぁ、それはともかく」
魔「……」
盗「ずいぶん振り回されてるのかにゃ?」
魔「おめーのせいだろ」
盗「にゃっにゃっにゃ」
勇「あ、なんだこのドールハウス?」
魔「なんかトアル王が持ってきた」
勇「えぇ……そんな適当な……」
盗「……ん? なんか魔法かかってるねぇ?」
魔「ほらぁ、やっぱ……」
盗「にゃ?」
魔「トアル王がそれに呪いかかってるらしいから調べてほしいって持ってきたんだよ。それで盗賊に言えって言ったんだけどな。連絡取れないっつって」
盗「あー、僕ら久しぶりにギルドの方から依頼が来たから冒険者として働いてたんだよぉ」
勇「ふっ、主にお前が、だったがな……」
盗「だろうねっ! 勇者レベル五!! ざこっwww」
勇「うるさーい!!」
魔「……乙」
勇「うぅ……」
魔「で? 何してきたんだ?」
盗「魔物討伐だよ。最近また活発化してきたらしいねぇ」
勇「人間の国からも魔国からも依頼が来るものだからギルドはてんてこ舞いな感じだったぞ」
魔「あー、すまんね。助かる」
勇「別に仕事だしな」
盗「そうそう♪ あ、それでこのドールハウスなんだけどね?」
魔「あぁ」
盗「最低でも五人集まって、“遊ぶ”みたいなこと言わない限りだいじょ……」
ばんっ!
ス「魔王、書類持ってきたわよぉ」
モ「魔王様! お茶のご用意が……!!」
ト「魔王~“遊び”(←!!)に来たよぉ!!」
魔&盗「はいアウトォ!!」勇「あ……」
ト「へ?」
キィィィイイイイイイイン……




