双子イン魔国2
碧「葵ちゃん……」
ナ『取り残された碧』
碧「……あんたのせいでしょ幽霊」
ナ『私は幽霊じゃないですよ!?』
碧「葵ちゃんに何かあったら許さないから……」
ナ『おっと、こんな子供相手に寒気を感じ……』
碧「葵ちゃん葵ちゃん……」目元真っ暗
ナ『……誰かまともなキャラいないんですかー!?』
碧「葵ちゃーん! どこー!?」
ナ『てくてくお姉さんを探す弟君です』
碧「黙れ幽霊」
ナ『私への対応が半端じゃなくきついです』
碧「うるさい幽霊」
ナ『……幽霊じゃないんですぅ……(泣』
碧「消えろ幽霊」
ナ『……(号泣』
モ「あれ? ナレー? どうしたんだ?」
デ「あら? どうしましたの、その男の子」
ナ『天の助け!!』
碧「……すみません、姉を知りませんか? 僕と似たようなかっこうしてる、髪は長い……」
モ「あー、見たか? ディーナ?」
デ「いいえ、申し訳ありませんが存じ上げませんわ」
碧「そうですか、ありがとうございました……」てくてく
モ「あ、ちょっと待てよ! 迷子か?」がしっ
碧「いえ、迷子がさらに迷子になってしまったと言いますか。探さないといけないので手を離してください」
モ「待てよっ。もうちょっと説明を……」
ナ『いきなり現れた双子さんで、私がしゃべって、幽霊! って言ってどっか言ってしまったのがお姉さんです』
碧「お前がいなけりゃここまで悪いことになってなかったんだ。死ね」
ナ『怖いですー! 子供のセリフじゃありませーん!!』
碧「今どきの子供はこれくらい言う」
ナ『あなたは私に対してだけですよね!?』
碧「当たり前だろ? お前のせいではぐれたんだ、責任とって逝け」
ナ『……(泣』
モ「どうすっかなぁ。いくら和平協定結んでても、人間の子供に魔王城うろうろされても問題だよな……」
デ「そうですわね。貴族の方々に見つかれば消されてしまっても仕方ありませんわ」
碧「では見つからないようにすればいいですか?」
デ「危険すぎますわ」
モ「だよな」
デ「もう少しすれば休憩になりますから、そしたら一緒に探して差し上げられますわ」
碧「ダメです! 今この時にも葵ちゃんが危険な目にあっているかもしれないというのに、じっとできません! あぁ、こんなことになるなら怒られてもいいから葵ちゃんと手をつないでおけばよかった! むしろギュッとしとけばよかった! 殴られてもいいから、いや、むしろ殴られても嬉しいから葵ちゃんとぴったり引っ付いておけばよかった!!」
デ「……何故でしょう。わたくしと同じ匂いがいたしますわ……」
ナ『……』
碧「手を離してください! 葵ちゃん探さないと!!」
モ「待てって!」
碧「待てないです!!」
盗「ピーンポーンパーンポーン♪ 迷子のお知らせをいたしまーす。フタザトミドリくーん、フタザトミドリくーん。至急自分の状況を叫んでくださーい。姉の葵ちゃんが心配しておりまーす」
碧「葵ちゃん!?」
盗「安全確保はしておりますのでご安心をー」
碧「……ほっ」
盗「周りに頼りになる大人がいましたら、魔王城執務室まで案内してもらってくださーい。以上でーす。十秒以内に叫ばなかったら、周りに頼りになる大人がいてくれたと判断し、執務室で一足先に待っておりまーす。ではでは」ぷつっ
碧「……」
モ「執務室なら、今から行くとこだぞ。一緒に行くか?」
碧「お願いします」
デ「では、わたくしはこれで」
モ「おう! じゃぁな!」
碧「心配してくれてありがとうございます」
デ「いいえ。いいのですわ。……失礼します」
モ「行くぞっ!」
碧「はい」
モ「はぐれんなよ?」
碧「僕のこと心配してくれるんですか? ありがとうございます」
モ「べ、別に! お前のこと心配してるわけじゃねぇし! た、ただ、城ん中うろうろされたら困るから……!! そ、それに、送っていくのにはぐれたら意味ねぇじゃんっ!?」
碧「……ツンデレについての萌えが少しわかったような……」
モ「つんでれ?」きょとん
碧「……天然萌え」
モ「てっ、天然!? お、俺別にボケてねえよ!?」
碧「……萌え……」
モ「な、なんだよそれ!?」
碧「案内お願いします」
モ「お、おう……っ」
碧「……萌え」ぼそそっ
結論。モーブのかわいさは全世界共通←
