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◆不信感◆


『恵美!!恵美やったよ!!やった!!』



『……ん‥』

かすみの声で目を覚ますと




『ばっちりウマくいった!!

あたしん家に泊まり!!』



……私は

【泊まり】という内容を変えて欲しかったのだが‥




当たりを引くように細工したと

得意気に話すかすみを見てると

おかしくて何も言えなかった。



―かすみの家に泊まりに行く前日


私はいつものように彼氏の家に泊まりに行った。



彼氏のうちはアパートを経営していて

その一室を部屋として彼は持っていた。




親にはいつも

【かすみの家に泊まりに行く】と言って

一度も本当にかすみの家に泊まった事はなかった。




かすみも私の家に泊まりに行くと言ってよく夜遊びをしていたのでお互い納得し合っての口実だった。





かすみは少しやんちゃしたいタイプだったが


高一の時

私について回りたいならシンナーをやめろ、

と言ったら素直にやめた。



自分もやめたから彼氏にもやめさせたと嬉しそうに話していた笑顔を今でも覚えている。




しかし

ナンパされて一夜限り、

という遊びはやめれなかったみたい……




―彼氏の部屋に着くと、

いつも笑って迎えてくれる彼氏が

なんだかあまり元気がない。


『どうしたん?智ちゃん‥』




彼氏の名前は智弘。

隣に住んでいた幼馴染みと同じ男子校だった。


幼馴染みの家に智弘が遊びに来た時、

私を見掛けて気に入ったらしい。



「友達がおまえの事、気に入ったみたいやから‥」とクラス写真を見せられ

『どいつが一番かっこいい?』と聞かれ指差したのが智弘だった。




幼馴染みは『俺なんも言ってないのにおまえらすでに両思いやん!』とはしゃいでいた。





―智弘は

一緒に歩いていると人が振り返るくらい綺麗な顔立ちをしていた。

それだけによく女の人から声をかけられていた―



『……昨日

髪切り行ったらパーマ屋の姉ちゃんに誘われた‥』




『ああ!前も言ってた人やろ?』


いつもは笑って話した後

【俺は恵美が一番やから!】と抱きついて来るのに

今日はなんだか暗い‥











『……ごめん』





!?


智弘の言葉に耳を疑った。



『……俺‥パーマの姉ちゃんとヤった‥ごめん‥』




頭が言葉を理解できない……



―パーマヤノネエチャントヤッタ……



カタカナの羅列が右の耳から左の耳にただ抜けていく感じがした。





『俺!やっぱ他の人として恵美が一番て分かった!

恵美が一番好きなんよ!』

そういって智弘は無表情な私を抱き締める。


腕にも足にも力が入らない。





―パーマヤノネエチャントヤッタ……


カタカナの羅列が何度も何度も頭の中で交差する。






『……え、恵美?許してくれる?』









……何分経ったのだろうか


ダラリとしたまま抱き締められていた私は

智弘を両手で離した。



『……かすみんとこ

泊まり行く約束しとったから‥』



智弘の部屋の玄関に向かいながら

小さくそう呟くとドアを閉めた。



智弘の家を出てバス停に向かう。



『恵美!!』



智弘が追い掛けて来ているが振り返らずに進む。





走ってきた智弘に追い付かれ肩を掴まれた。

『ねぇ!返事して!ごめんってば!恵美が一番好きなんよ!』







『‥‥‥‥別れよ』






そう一言、呟くとバスに乗った……



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