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美少女探偵 柚月莉々華  作者: ゆうすけ


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4 バニーガール

バニーガールの格好した女の子がびしょ濡れで震えていた。 


なぜバニーガール?学園祭用のコスプレだろうか。


風の強い日だ。寒そう。  


「大丈夫ですか?」俺は声をかけた。

「なにこいつ、犯人?」女の子は眉をしかめてにらみつけてくる。


なんだこいつ。


「2階から水をぶっかけてきた奴がいるのよ」

ガタガタ震えながら女の子が語る。

なるほど、それで水浸しなのか…


「犯人見つけたら教えて、ぶん殴ってやる!」


次の日クラスメートの女子が話しかけてきた。

「女の子が2階から突き落とされたんだって」

「えっ!大丈夫だったの?」

「下が花壇だったからたいした怪我もなかったって」



翌日。ゆうすけは教室のドアを開けた。


「ひどい‼︎」女子生徒が悲鳴を上げた。


見ると床に錠剤がバラバラに砕かれて散らばっていた。


「どうした?」

「私がいつも飲んでる薬… 誰かにめちゃめちゃにされちゃったみたい…」


なんだ、なんだ。一体何が起こってるんだ?


名探偵になってやろうと一生懸命考えたがさっぱり答えは出なかった。


俺は素直に莉々華に相談してみた。


「わけわからない事件が立て続けに起こってる」


「噂は聞いてる。何なんだろうね一体?」


「おっす、1年。何やってる?」3年生の飯塚頼子いいづかよりこが話しかけてくる。


今回起こってる事件について俺は語った。


「わけがわからないよね」頼子は首をかしげる。


「そういえば先輩、市川先輩と…」莉々華が尋ねる。

「うん、別れた」あっさりと頼子は言った。


3年生の頼子と2年生の市川は校内では有名なカップルで好きなバンドを通じて付き合うことになったという。


市川先輩はその好きなバンドの曲を、よくギターで弾き語っている。


お似合いのカップルだったか別れていたとは…


「なんで別れちゃったんですか?」無神経に莉々華が聞く。


「だって馬鹿なんだもん」あっさりと頼子は言う。


ひどい言い草だ。恋が醒めればこんな扱いになってしまうのか…


市川先輩は頼子のことを「崇拝」と言っていいレベルで想っていたのに…


「そういえばバニーガールが水、引っ掛けられた事件あったじゃない?あれ水がキンキンに冷やしてあったらしいよ」


「わざわざ?何のために…」


「よっぽど寒がらせたかったのかもね」

頼子は肩をすくめる。


「第二の事件でも、突き落とされた場所の花壇に、あらかじめゴミ袋がひいてあったらしい」


「なんで?」俺は困惑して尋ねた。


「さあ?大怪我しないように?ゴミ袋じゃあんま意味ないと思うけど…」


「ゴミ袋…」莉々華は思案している。


「第3の事件では錠剤が砕かれていたんですよね?」

「そう」

「ひょっとしてその錠剤は青いカプセルですか?」


「その通り!なんで知ってるの?」頼子は驚きの声を上げる。


「頼子先輩、市川先輩は今どこに?」

「さあ?私は知らないけど…」


「危険かもしれない。なんとかしないと」


「おい、莉々華、どうした?」


莉々華は俺の方を向くと歌い出した。


歌っている。


長い。


まだ歌うの?


……結局、一曲歌いきりやがった。  



「急になんだ」ゆうすけは冷めた声を出した。


「今の曲はスピッツのバニーガール」

莉々華はふざけていない。大真面目だ。


「わからない?」莉々華は問う。


俺は、はっとした。


「ひょっとしたら…」

莉々華はうなずく。


今回の事件がさっきの歌詞に基づいて行われていると言うのだろうか?


「そもそも何のためにそんなことを…?」


「ある種のメッセージ、わかる人間にだけ伝えるために」莉々華は神妙に語る。


「あなたにフラれたせいで、こんな事件を起こしてしまうぐらいおかしくなってしまった、それぐらい愛していた。そんな頼子先輩にだけに向けられたメッセージです」


「伝わってました?」俺は頼子先輩に尋ねた。


「全然わからなかった」頼子は言った。



「結局、俺には今回の事件の真相はさっぱりわからなかったな」ゆうすけは、ため息をついた。


「名探偵になるには、スピッツの曲の知識も必要なんだよ」莉々華はそう言って笑った。 


  

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