存在しない場所
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
この他にももう一箇所。なかなか見つかりません。
生きていく中で、記憶とちぐはぐな現実を目の当たりにする事は少なくない。そして今、私はそれに悩まされている。
あれは大学時代の就活の時だった。サイケの街で偶発見したパスタ屋の看板。あまり訪れない街であった為に、勇気を出して足を進めたのだ。
地下へと続く階段を下ると、舞踏会の様な眩い光に包まれた空間があった。可部はほぼ硝子貼り。二人用のテーブルが幾つも並んでいた。
大都会の一室。田舎町で育った私からは想像もつかない世界。其れがこの箱の中には存在した。
そこで黒の腰エプロンを着用したギャルソンに給仕をして貰った事を覚えている。
何となく、あの光景が懐かしくて、また訪れようと思った。あれは確か、映画館の近くの曲がり角。パスタの食品サンプルが並べられたあの光景。ただ名前だけが思い出せない。
とりあえず、地図アプリで検索をしてみる事にした。記憶だけを頼りに言葉を入力し、周りの建物を確認する。けれども出てくるものにパスタ屋は存在しなかった。
あのパスタ屋に入ったのは凡そ五年前。もしかしたら撤退してしまったのかも知れない。ああ、けれども……本当に?
「その場に行って確認すれば良いじゃないか。此処で茶をしばいてないで」
「近くに寄ったら顔を出す。これ私の鉄板ね。あと……」
多分ないんじゃないかと思って。地図アプリを見てもパスタ屋の文字はなかったし、もしなかったら交通費が無駄になる。だからお茶を飲んで、少しの気を紛らわした状態でも動きたくなるか、自分に試練を課している。
「……頻繁に来ていれば、この場所がなかった。消えた。なんて事にはならないでしょう?」
多分、トラウマなんだと思う。懐かしい場所が記憶の中だけの存在になってしまうのが。存在さえ消されてしまうのが。
オマケ ちなみにアールグレイ派
ちなみに私はアールグレイ派である。そう、ダージリンではなく。
そもそもこの二つの違い、銘柄か香料付けされた茶葉かの違いかである。つまりダージリンをベースに香り付けされたアールグレイも存在する。そんな元々が異なるので、比べる事が出来るかは疑問な話であるが。
「なんかアールグレイの方が、後味がシュッとしてる。ダージリンはまったりしてる。立つ鳥、跡を濁さず。これがベスト」
ほぼ私の雑談です。
なんか兎に角、キラキラしてた。
仮面舞踏会かってぐらいキラキラしてた。~完~
でもなかんかもう、なさそうので、クソデカ溜息吐きながら、茶をシバきます。
ダージリンとアールグレイではアールグレイの方が好きです。後味がシュッとしてる。爽快。
ダージリンは割とまったりしてます。
あと、ティーカップの持ち方。
正しくは持ち手に手を添える形で。がマナーだそうですが、基本無理です。あんなの。
ティーカップって、口が広いんです。
そこに八割型紅茶が入ります。
それをあんな細い持ち手に、手を添えるだけで支えられる訳が無かろうに!! 傾くわっ!!
しかもお高いカップって、持ち手の繋ぎ目が滅茶苦茶細い。力入れたらボッキリ行きます。
だから必然的に反対側に指を添える形になるのですが、それはマナー違反だそうです。
『紅茶がぬるい』って意味になるそうなので。
あー確認しに行きますかー。