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非独立記念日  作者: 小野セージ
第二話
45/86

第三話予告

 あの日あの時あの場所で、私は初めて恋をした。

 出会いは大学のキャンパス。ふと隣を通り抜けるようにすれ違ったあの人に、私は一目で心を奪われた。

「ねえ、あの人、誰だか知ってるの?」

 私の隣であの人を振り返りながらきゃあきゃあと黄色い声を上げている友達たちに訊ねてみると、みんなは顔を見合わせてから同類を見るようににやにや笑いながら私を見る。

「名前は知らないけど、私たちと同じ学部の人らしいよ。すごい美人で格好いい人だよね。ファンも多いみたいだよ?」

「ふうん?」

 私はもう一度あの人を振り返って、その後ろ姿を目に焼き付けようとする。その時、あの人が小さく私を振り返った気がした。どきりと心臓がはねる。

「あ、こっち見てくれてるじゃん? もしかしてあんた、気に入られたんじゃないの?」

「……え?」

 友達たちが冷やかすようにそう茶化す。けど、その視線が感じられたのは一瞬で、あの人はすぐに行ってしまった。

「まあ、私、かわいいからね」

「わあ、自信過剰~!」

 その場で笑い話にしてしまおうかと思って、私はそう言って胸を張る。友達たちも笑ってくれた。

 だけどすぐにあの人の姿を思い出してたまらない気持ちになる。

「………………」

「どしたの?」

 うつむいて立ち止まってしまった私を心配したのだろう。友達たちも立ち止まって声を掛けてくれた。

 だけど、私はそれを無視して大きく深呼吸をする。そしてぱっと顔を上げて宣言した。

「……私、あの人の彼女になる!」


 あの日あの時あの場所で、俺は初めて恋をした。

 出会いは大学のキャンパス。ふと隣を通り抜けるようにすれ違ったあの人に、俺は一目で心を奪われた。

「なあ、あの人、誰だか知ってるか?」

 俺の隣であの人を振り返りながらぎゃあぎゃあと野太い声を上げている友達たちに訊ねてみると、みんなは顔を見合わせてから同類を見るようににやにや笑いながら俺を見る。

「名前は知らないけど、俺たちと同じ学部の人らしいぞ。すごい美人でかわいい人だよな。ファンも多いみたいだぞ?」

「ふうん?」

 俺はもう一度あの人を振り返って、その後ろ姿を目に焼き付けようとする。その時、あの人が小さく俺を振り返った気がした。どきりと心臓がはねる。

「あ、こっち見てくれてるじゃん? もしかしておまえ、気に入られたんじゃないの?」

「……え?」

 友達たちが冷やかすようにそう茶化す。けど、その視線が感じられたのは一瞬で、あの人はすぐに行ってしまった。

「まあ、俺、格好いいからな」

「わあ、傲岸不遜~!」

 その場で笑い話にしてしまおうかと思って、俺はそう言って胸を張る。友達たちも笑ってくれた。

 だけどすぐにあの人の姿を思い出してたまらない気持ちになる。

「………………」

「どしたん?」

 うつむいて立ち止まってしまった俺を心配したのだろう。友達たちも立ち止まって声を掛けてくれた。

 だけど、俺はそれを無視して大きく深呼吸をする。そしてぱっと顔を上げて宣言した。

「……俺、あの人の彼氏になる!」

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