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クロノ・ハストゥーラは、もう生まれてる

そんな感じで、地味に桜のドルイドのステラ・ロサさんは、「狼の星」ブイオとちょっとは仲が良くなりつつ

フィレンツェに戻る歩きの最中でございます。


そう、

話者切り替えでございます。


空を駆け、風を突き、命を愛する百万の愛情の元の物語


そこはそんなに遠くない、イタリア半島の山———


「そんな前フリより、わいの心の表現をもっと増やした方がいいと思うのだが」


わいはどう考えても、呼ばれた気がして。

言われた気がして、()(から)に向かってそう言った。

白神女(しらかみおんな)」さまの相棒である。わいは「白い牛の神獣」である。


神獣「だった」のである。今は神獣やめてるよ。


そしてここはどこかのなにかの道であり

一人ぼっちの白髪(しろかみ)の女。

「白神女」の複製(ふくせい)は痕跡も無い。


わいは必要になるまでには絶対あれを呼ばないと決めているのだ。


「わたしが短い語彙力と安い表現で考えるにはこれはあれだね。「わいは道を迷っている」」


「ええい、亡霊め!」


必要だった。


実は、75000年の深い事情と、それより浅いけど長い225000年の事情があるゆえに

わいは30万年ぶりの孤独を味わう、孤独の美食家(グルメ)である。

「面白い事」を探す、「風」の神様だ。


そして、30万年まえはどうでもよかったけれど、もう、一人はちょっと、流石にやーだったんで

こうして「白神女」さまの複製がよく表れて、話相手になるのである。助かる。


もちろん、別にね、わいは神様の心と気持ちを持っている、神の精神を持って歩く

女神様そのものなので、

一人ぼっちで寂しいよーとか、病んでて、部屋に閉じこんだり、世界を破壊したり

そういうのはぜんぜんしないけれど


ただ地味である。地味はいやなのだ。


「素直じゃあないな!」


複製は慣れた動きでわいの手を取り、手から血の匂いを消してくれた。


「うむ、慣れてなかった。ありがとう」


ちな、今のここは(どこか全然わからない迷子の、迷子神のわいであるが)なにかの洞窟だ。

わいは「白神女」の真似をしながら歩くのは別にやりたくないし、もともと因果(いんが)(はか)ると、そのものの子供の頃から、品が落ちていたとしても神様だったし???

「白神女」が、いや、「ムー大陸の賢者」が、わいの影響キッズみたいなものなのだ。その真似事など、神様らしくのなくて、面白くないわ。


「いや、その理屈はおかしいのだ。神様、本体。

神様が落ちた品は実に酷くて、まじで鳴く以外なんもやってなかったろう


<鳴く/食べる/寝る/笑う>の


なんもやらん太郎だっだろう」


なら、「白神女ではない白髪の女…もしくは白毛の獣」として旅をする立場になるが

流石に、そうしたら、社会に潜む仮の姿も、「教皇庁」などに面倒になる事を()ける為のアジトなども必要だ。

だから、ここは何回か目のアジト。

敵対する感じのものを倒しながら自分の別荘(べっそう)を作っている。


そして、そろそろこの地域の別荘は多すぎ問題に至っていた。

まあ、隠し家は十分だ。どこに行って、なにをしたら面白い?


「無視なんかい」


「いや、ごめん。普通にお(はなし)考えてた」


「そか」


「なんもやらん太郎。それはそうだ。正しい。

肉汁(にくじる)」の状態じゃ、なんの面白い物語性を持たず、なんの御伽噺(おとぎばなし)を作れん。

なんもできんかったね。225000年」


「まあ、流石にそれは言い過ぎ。ごめんなさい。

でも、いいな」


「なにがだ」


「わたしは、神様のこんな姿が見れて嬉しいのだ」


「本当、なにがそんなに楽しいやら。」


今までの75000年間、なんだかんだ「白神女の肉を食べて永生するぞ」という人の子を串刺しにしたり、「戦争に一緒に出ないと処刑する」という人の子の(おさ)を踏んだり

時々物騒なこともあったものだ。


こんな感じで、わいがわいのペースで、わいわい何かをやるという事は、

確かに、それ自体が中々新鮮ではあるかも知れない。


「でもさ」


「?」


「なんか、わたしは、神様が新しい良い人を見つけて、もっと幸せになって欲しい気持ちもあるけど」


また始まったのだ。


「なにを言う、わいはもともと一人だ。一柱の神様だ。寂しがりのワンちゃんとかでは無いのだ」


「人間の姿なのに、その方が楽しいじゃない

「世の楽しさ」とは、色々あるはずだ」


「紛らわしい」


これは本当に困る話だ。

いったん、長生きできないじゃん。

そして、もし、「白神女」みたいに永遠に生きる人の子がもう一人現れたとしても、そのものと性格が合う保証など、どこにもない。今までが奇跡だったんだ。

そしてね、浮気者(うわきもの)には、わいは、なりたくないのだよ。


「そんな概念も、ただわたしと一緒に30年過ごしてついたものなだけだ」


「30万年な」


「ありゃりゃ」


「でも、それが絶対結果(アブソリザルト)だから。ついた概念は仕方ない。

取り消しは面白くないもんな」


「そうだね」


神様の品と力で、「身」と「風」の権限で、容易く「印」を取り除く事ができるけどよ。

そうしちゃうと、ないものにしちゃうと、過去も全部が無くなる。

本当に「その事件が無かったものに消される」


「シャボン玉」になって、弾き、(つゆ)すらも残せず消えるのだ。


「別に、わいは今までの楽しさで十分だと思うけど」


「ふん」


「でも、ん、まあ


もし、きみのようなわがままで

一生、わいを愛される子が現れたらね、まあ、わからんかな」


そして、またこうなのだ。


(てのひら)クルクルの邪神(じゃしん)め」


「にゃはは」


どっちに合わせばいいのやら。

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