星座は人の子が作ったものだ
「カッコつけるとか言ったので思い出したんですが、その、気になったことがあったんです」
「なんぞ」
「もともとなんで、その「兵士の国の物事」はブイオ様に繋がってるんだ」
非常に今更のことだけど、もうその物事の御陰で命を助け、命を助けられたわたしであったが、「型物理性の理」というやらもちょっとわかった今、改めておかしいと思った。ブイオ様はずっとそれを「なんかすごい神様」みたいに言ったんだけど。カッコつけたんだけど。おかしい!もしかすると連載10万文字で、もう設定の変更か?
「言ってなかったか」
「そうですね」
「わたくしはただの星だったのに、「兵士の国」の人の子が付けた物語によって、「狼の星」という名前を貰ったんだよね。それで「型物理性」によって「星ならこれくらいできるだろう」を認められるようになったのだ」
「だよね、とか愛嬌ある感じに言われても。そして、「型物理性」とはただ、エーテルの質量と物語性が繋がってる全般を言う言葉でしょうが」
衝撃の真実だった。
「ネタバレするな」
「「賢者の国」の「古代魔術「木」」を習ったものは、それくらい基本だったんです」
知ったものはただ知るものなのだ。
「余計に知識水準が高い人の子の国だ」
「「深紅の悪魔」が好き勝手できないくらいの強者なので」
「それはそうだったな」
だから、わたしに混ざった「悪魔」以外は(そいつも中々おかしい奴だ)全部、知性体の脳みそ禁断症状で、「深紅の悪魔」としては半分正気失ってたと思う。可哀想とは思ってないけど。
「ふむ。まま、そうですね。なら、その「星の名前」を貰ったことによって「お星さまはこれくらい知ってもおかしくないと思う」を許された。だから狼の様に走れるんだ、が全部なんです?」
「そうだよ?」
あっさりと認める黒である。デカすぎる狼である。
この人、一応、使い魔みたいな構造としてわたしの主人なんだけど。なんと情けない。
「それは、まあ、わたしが「貴方は神様なんです!」とか言った時に驚愕したのも納得です」
「それはマジで驚いたね」
「そうですね」
「ちなみに、もうおまえは、その思いで人も助けているから、その思想を持つ形で世界に痕跡を残っているから、「あ、やはりそれ無しに」もできない、走る馬に乗った様な状態だという事も言っておこう。取り消しはもうできないんだ」
「それは、まあ、わたし、生まれてから一回も後悔なんてしたこと無いんで大丈夫です。ずっと乗って走ります。馬では無く狼にですね。ブイオ様にですね。
そして貴方はこのまま「座標の衛星」のわたしと共に旅をして、「深紅の悪魔」の神様になるんだ」
「その狂信は本当に一人前だ」
それが崩れると、自分の物語性と共に、物理的に崩壊するんだ。それが非凡のものなのだ。
「うん、確かにそうですね。自分の言葉で改めて思いますね。
そんな勝手な存在が人間だから、勝手に付けた「狼の星」という名前が、星に「狼の様な物語性」をあげるくらいできるんだな」
「そうだ。だからわたくしは、「星座」を付けた時の人の子が「これくらいはお星さまが知ってもおかしくないだろう」と思った事を知る事が「型物理性」によって許されているのだ。」
「うん?」
「なによ」
「なんでもないです」




