霊属性の術師
「まあ、確かに、亡霊のものがそんな感じで意思疎通もできて、他の「灰色の呪い」の犠牲者とも違う美感と目的性を持っていたと言うのならば、それはその属性を持つ何かの術師だと判断してもいいと思いますね。「見えるだけの奴」とも「変な動きの死者」とも「記憶を再生するだけ」とも違う」
「まあ、この場合わたくしはあれはいったいなんだったのかが結構興味深い話題だ。
もともと自分が「霊」属性のもの、というのは自然すぎて、そこはいい」
「そしてわたしはそいつを「霊」という属性のなにかの術師に認めると、自然にブイオ様の星のエーテルが亡霊になった星が霊属性を持っていた、という説明ができる」
「もっとなんか言って。おまえが始めた物語だろう」
「そうですね。「ステラ・ロサ」という名が気に入って、聖堂を見込んでいたら、それは人の子かな?一番有力は勿論、体の主である、わたしでございますが。病弱美少女のクララちゃんですが」
「またぁ」
まあ、その可愛さが無いと「白神女の真似事」も難しいのだ。売りとして主張するしかないのだ。
「でも、普通死者がそのまま自分の自我で動けます?」
「そういうのは「兵士の国」でも、けっこうお偉い人の子が施す術だった」
ちゃんとそういうのあったんだ。
「ならありえない。わたしは「魔力適性」が無い、ふつうの子だったんです。「中二病ジェスチャー」を一生練習しただけだ」
「その「ちゅうにびょうじぇすちゃー」ってのはなんだ」
「まあ、呪術の手動きですね。普通の。ドルイドさんを真似た」
「平凡の人の子の子がただ真似したものでそんな偉い事になるとは思いにくい」
「でも、あれはあります。それでも、わたしは本当に特別な子だったんです説です。その証拠がわたし自身、「星化」を乗っ取った行いがありましょう」
確かに「賢者の国」の非凡の学びをちょっと得た今の自分が考えるに、バカみたいな話である。ドラゴンが鶏を食べたらトカゲの性質を持った巨大鶏になったみたいな状況なんだ。
「まあ、その場合、ちゃんと材料がおまえの人の子の頃の体だったから、身体的にあり得る話だ」
「ふん、そうでしょうか」
確かに、「古代魔術」的に、亡骸には、それなりの情報が残るのである。
「でも、それが「星化」の術の前から働くためには、本当に偉い術師が強い執念を残した、とかではないと、あまりにも納得がいかない。おまえの人の子の子としての喋り方とか考え方とかは随分非凡の術師みたいではあるが。それが生前に「素質」がなかったとしても「手動き」を有効にした?」
「やはりわたしが天才だったことにしましょう」
「納得がいかないのだ」
「なら、本当に天才だったならば、その証拠で今も「霊」属性、扱えるのではないでしょうか。もちろん「桜のドルイド」の物語性をそんなに汚せない範囲で、適切に。」
「それはもう魔女そのものではないだろうか?」
「それはそうです。無理です。はい。そういうの見られたら噂になってお終いです」
今のわたしは自分が「白神女の真似物」として、認定される前は、注意しなきゃいけない。ただの偽物のペテン師と、本質的に差が無いからだ。「実績」と、その記憶を持つ人々の中で…意思疎通の…気の通路。
「そう、それが「颯」だ」
「颯って、噂そのものだったんだ」




