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霊糸(れいし)

「それでは行きますよ……」


「ああ」


「行きますよ……!!!

影の糸!」


そう勢いよく叫びながら、リソくんは相変わらず非凡のチカラでは凄く小さいけど、でも確かに「ある」変化を起こした。エーテルの量が変わりつつあったのだ。


「考えたのだが、上に引っ張るイメージですればより容易くないのかな」


「それは先に言って下さい」


リソくんは(わたくし)の助言通り、その「影の糸」の向きを変えて、その「ディミティスもできないだろう、そこに消え去ったエーテルの残響」を()()()()引っ張り上げるように、踏ん張った。


「……」


「やーー!!!」


ピカー!!


その気合いと共に、六つの宝石にそれぞれのエーテルの色が出ているのを見て、私もすぐ次の準備をした。


「できたようだ。コアを分けるから、そのままにしてくれ」


「わかりましたー」


いったんやったあとは、維持するのは別に大変じゃないみたいだ。


「先のわたくしみたいに、小さい部分はすぐ量で膨らむから、傾向に合うように分けるのが大事だ」


「なるほど」


コアの半分こを握っていると、なんか先まで朝飯を準備してたのとも似てる気がする。

昨夜と違って、これはもう私という個人じゃない、同じ権限を持っていても別人になるものだから。私から拡張した状態ではないと扱うことができなかった昨夜とは違って、私のままで扱うことができるのだ。


私は鋭利にした刃物で、料理の具材のようにコアを分けた。


「この小さい方が逆に四属性に親和性が高い方」


「そうなりますね。レグノの旦那は木と金属だ」


もう一回分つ。


「そしてこっちがその『マギアの属性に近い』うちに、(かさね)の傾向から遠い部分」


「これはほぼ同じだ」


「私もそのように生まれてるけど、完全に『累の傾向』を持って生まれたのではない。それは人に聞いたものだ。だからそうではない面も同時にあって、何千年過ぎてその乖離に限界が来てたのだと判断してる」


「そうですか」


「そしてこれらの三つの塊はまとめて分ける」


そう分けている三つを持って、一気に半分にした。


「六つ」


「そしてすぐ、きみが施した宝石に付けるのだ」


宝石をそれぞれ持って、あってる部分に付けた。


……

………………


「しかし なにもおこらない!」


「そうだな……」


ただパンに具材をあげたように、宝石が光っていた。


「1つ提案ですが、わたしの白髪を使ってみたらどうですか」


「それはどう言うことだ」


「なんか非凡のものには、術だけでなく体もエーテルでできてる半物質半魔力のものだとか言うのだから」


「そうだな」


わたくしがそう。


「それは、夜空のものも同じであるはず。

今のウチの『影の糸』が旦那が言ってたようにこの世界のものではないなら、その『夜空のものだから』の性質の物質から互換性がなくなってるのかも知れないです。

つまり、異質だから今エーテルの光が出てるように見えるだけで、これは実際この世界のそれぞれのエーテルの属性に合致するという保証がない」


「いや、それ自体は保証できる。これら宝石はそれぞれ属性を持っていて、その相性はそれぞれのコアの部分とぴったりだ」


「高性能だった。

でも結局今は働かない」


「動かないな……」


「ウチは、最近の『鋼の秘術』の時に反省みたいにちょっと考えることがありまして、何日赤ん坊も見ることもあったし、感じたんです。これは今の気まぐれでこうしよう!!!と言ってるのではなくて、何日考えました。

親しくないと、くっつかない。因縁がないと、生きる世界がぜんぜん別であると話せない」


「そういう別々のものは、ちゃんと繋がるきっかけが必要だと言うことか」


リソくんは頷いた。


「うむ。そう言うのがマギアのよくわからない媒体とか触媒とかの原理でしょう。実際の工業の触媒とかとはぜんぜん関係ない。ただ非凡使いがそう思って、秘術でテンションが上がるだけ。でもそのテンションが上がること自体が大事なんです。秘術は心の物事だから、親しく感じるものにはよく働く」


「ふむ」


「毒液の実験もあるからずっと他にテストはせずに、自分の術を思ったんです。

どうやらウチは異質らしい。夜空のものだからって、結局それが問題になるとどうしよう?

でも、赤ん坊がやっとウチに慣れた感じになって、わかりました」


「ベビーシッターの才能もあるんじゃないか」


リソくんはわたくしの馬鹿げた話を無視し、話を続いた。


「食べて寝て過ごすと普通になる。同じ興味があると親しく感じる。きっかけでいったん一緒に過ごして長くなると、その全体が自分だ」


「それは確かにそうだ」


「で、ウチのヘアの話に戻りますが、これはよくわからんけど、髪が神秘的なチカラを持つとか魔術的素材になるとかの話がよくあるし、このウチの髪は、旦那がくれてる食事で質が維持してるものです」


「そうかもな」


「だから、このアルベルト・レグノだったそれぞれのコアに、ウチが引き起こした色との(ニュー)もくれるはず。

お願いします!」


「話はわかった……確かに人の子の髪は不思議なチカラがあるとかよく思われてる。

やってみよう」


リソくんは頭を傾けて目を閉じた。


「ちなみに、ここで勢いよく刃物を持ってウチが自分で切るのがファンタジアの映像としてはインパクトがあってかっこいいと思いますが、いったん危ないからよくないと思いました⤴︎」


「それは何のことかよくわからないな……」


私は怪我しないように繊細に、リソくんの白髪を6本切り取った。


「そして、頭を洗ったところを見ると6本どころじゃなくてめちゃくちゃになってると思いますが、それもなんか素材としての品位が悪いと思いました」


「それは確かにそう。そう言えば掃除はまだしてなかったな」


で、その髪で、一本一本それぞれの塊と宝石に結びつけていたら、やっと望んでたようにコアにエーテルの色が混ざり始めた。


「カカカ、完璧」


「それはまだわからない。でも確かにいい感じではあるな」


「このまま定着すると、ウチが術を解いても安定すると感じますが、どうですか?」


「同感だ」


リソくんは自分の髪を触りながら言った。


「あ〜〜〜緊張した。

食べたばかりなのに、もう何か食べたくなってしまいました」


「ならお茶会でもするとしよう」


「とてもいい考えだと思います」


わたくしたちはいったんコアが落ち着くのを待って、食堂に向かった。

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