影を纏い森を歩む花びら
「いいじゃないですか。シンプルで。言葉もシンプルで、行動もシンプル。自分で歩く必要なくて。
つまり、今はブイオさまがわたしに乗ってる状態と言うか」
そうだった。今のわたしは2.5mのドデカい狼を持って歩く、超!筋力の女の子である。もちろん亡霊の性を持つ星の亡霊である星の狼だから、その名前がマントに「塗り」の「印」という関係性で付着されていて、重さは変わらない。
ちなみに「印」をエーテル理学が専門ではない読者のために説明すると、「塗る」ことと「付けられる」ことの2種類が有るのだ。服に泥水が付けることと、土が付けることを考えるといい。
「それがわたくしがおまえに付けた使命の、「座標の衛星」の機能でもあるしな。正しい」
それは新たな話だった。新説だったのだ。わたしは疑問を晒す。
「それも関係ありますか?「物語性」的に?」
「うん、そう。」
言葉がめっちゃ短くなった狼である。
「おまえの初めての知り合いとも言える、あの「少年」との会話を聞いて把握したところ、今時のこの世界にはまだそういう概念が薄いらしいが、空の星には太陽にとって世界の様な、世界にとって月の様な関係性があるのだ。」
「ほー」
少年はまだ「占星術は知らない。星座は得意ではない」感じだったけど。まあ。
「その関係性が、「衛星」というものだ。」
「つまり、お日様によってお月様みたいなものですね!」
「段階が飛ばされているけど…まあ…この場合…正しい…」
めちゃくちゃ苦しんでる理系の雄である。
なんか適切に合うらしいのでいいのだ。
「まあ、そしてわたしもこんな感じにブイオさまを纏うと色々得がありますね。利得が多い。」
「人の子の体としてか?」
「そうですね。非凡と平凡両方です。「勢い」が近くてより元気になる。「影が薄い」から隠密性がよくなる」
「確かに。わたくしはお前の長だからな。特にわたくしがなんかやる状態ではないから気の通路が短くなったことは得がないとしても、星のエーテルはより近い関係で流れるはずだ。そして「霊」としての性質がある」
「そうです。今はわたしは「てめえ有料道路の近くの森を歩くのも違法だぞ」のぎりぎりの道を通ってフィレンツェに戻ってる最中だから」
「そうだったのか!?」
「だって道わからないもん」
「確かに」
「だから、狼さまが見れるのがやーだし。こうしてみたけれど、影がめっちゃ薄くなりますね、これ」
考えてみれば、「少年」の家から離れて町中から去った時に、「朝と午前」の差もなんかあったと思うけど、その間わたしが都市に慣れたと思ったけど、ただ人の目が少なかったかも知れない。影が薄いからそうだったのだ。
「なら、人の子の社会活動をしなきゃならない…の時も、ちょっと安心かも知れぬな」
「まあ、「少年」が急に「ドルイドさん!?どこ行ったんですか?」みたいになってなかったから、ちょっと減るだけで、見えないまでではないと思います
でも、草木の中を歩いているわたしが警備に見られないとか、そういうには随分働く」
「亡霊だもんな」
「そうですね」
トリプル亡霊の桜のドルイド。ふん。正しい。




