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複数のコア

「ドルイドさんの花びらと似たようなものだ。でも、決定的に違う点があります。

おれ、だいぶ把握してるつもりだから言ってみますと、その花びらで書いた文字は『花びらそれぞれの立場では』頑張ってカタチを張ってるものなんですね」


「そう。わたしはそのそれぞれが全部コアである存在だから。そんなのは結構珍しいと言うが」


「そのように、不定形(ふていけい)でカラダを成している魔法生物や使い魔などは、魔術理論やマギアの歴史でぜんぜんないわけではないです。なんかよくわからない汁そのものが動く化け物や、いっぱいの使い魔を『一つの塊として』扱うことがそれに似てる」


「まあ、マギアも色々あるんだろうな」


「もちろん扱う立場、立ち向かう立場ではそれらをぜんぶ一つだと見ます。量と大きさ、重さなどを見て、そのぜんぶが一つのスフィアを持つものだと判断して術を施したり魔力の大きさを定めたりすることができますが……でもそれぞれはイドを持ってるのです。コアであり体が、一滴ずつ、一匹ずつ全部ある。ドルイドさんの、花びらとしてのステラ・ロサさんはそんなものです」


「まあ、『非凡の疫病:灰色の呪い』が元々そう」


「そうだった。でもそれはなんか全身のエーテルの運用が完全にできなくならない限り、平凡のものに付く前にエーテルの相殺(そうさい)でなくなる感じも多々あるので、魔法生物だと言うには異質的なものだと思われる。非凡使いが治せる病ですね」


「まあ、たぶん『深紅の悪魔の粉々』『ムー大陸の思い出ボムがいっぱいのファンタジア』でできてるキメラだ。

そうぐちゃぐちゃに混ざっているそれが『ムーの最悪』を実行した非凡のもの本人の権威(ヴィス)によって(しるし)がずっと残っている……結果が灰色の呪いだね。

それ自体がめちゃくちゃ小さい夜空のもののキメラの粒が集まっているものだと思われるのだが」


だからブイオさまはその方の面はちょっと情報が多すぎて気に入らないと言っている。


「そうですね。そしてその印と言うのをまたブイオさまのよくわからない、影を数えることができるチカラで解けて……」


「ちょっと複雑な工程だ」


「はい。その塊を魔力素材として『星のワンちゃん』という夜空のものを呼び出そうとしたのが、ただ厄病として残留思念が残ってたクララさんのこころがドルイドさんになった。

だから、その星のチカラを得たドルイドさんの花びらは、『それぞれイドを持つ』ことは同じだから、書いた文字が、回収する前や他の理由で動かす前はずっと残ります」


「そうかも」


わたしは左手で花びらを出して、「キメラ・プラントの討伐の成功祝い」と書いた。

その「祝い」を見て、ブイオさまがやっと言った。


「そう言えばきみたち、ぜんぜんご飯食べてないじゃないか」


「あ、喋っていたら忘れてた」


「おれはドルイドさんがいつ気づくか気になってずっと黙ってましたけど」


「こめん、きみの木の素材が興味津々で本当に気付いてなかった」


「それは嬉しいことですし」


そしてわたしたちは、祝いの意味も持って、簡易のパンと干しを食べ始める。


「そう、そしてあのマジック・アイテムの話だった。

あの『アリアの文字が書ける魔道具』は結局わたしのように意のままで文字とか絵とかが書けて残せる道具なのは似てるけど、

わたしの花びらがそれぞれのコアであるのとは違く、風の魔術師本人1人の魔力で書かれるものなんだから、維持できるのが非常に容易いけど『完全になんも気を付けなくても残るのではない』と言うことだ」


エンブリオくんは結構腹が減ったらしくて普段よりよくパンが進んでいた。申し訳ない。


「そうですね。非凡の文字ですから。そのアリアの文字は、本当になかったように忘れると、なくなります。

今のように忘れてても食堂からもらったパンが残ってるのは、それが平凡のものだから」


「ううむ」


「平凡はずっとあって、非凡は仮初。

どんなエーテルだって、目的性や生命力のようなものがなくてはなくなってしまう。溶けて、浮いて……どっか飛んじゃう。

そういう性質を理解してから使う道具です。元々気にしている間のメモ帳に記録するにはちょうどいいけど、『どんな展開だっけ、面白かったよな』と捲る物語などを記録することはできないのです」


「確かに違う。

わたしはこの花びらを初めて扱えるようになった時は知らないものが多かったから、この花びらの文字がめっちゃ仮初のものだとエモいフリをしてたけど。意外と秘術の中では残る方だった」


「あまり残らないですね」


「あの、食事は本当に悪かった。食べること自体がそんなに目にないステラさんだから、そのような時は言って欲しい」


「わかりました」


わたしはいったん食べ始めたら目の前のものを全部食っちゃう、そんな性格の子なので、エンブリオくんのペースに適切に合うように、干しをちょっとずつ食べた。


「そう。この子はきみが立派な男として育つことを楽しみにしてるから、頑張って栄養を取ることだ」


「はい」


ちょっとはちゃんとした薬師さんになったかと思っていたら、不器用さがぜんぜん抜いてないステラ・ロサさんだった……

本当にご飯も食べずに寝てリソたちの方に移るところでした。あぶねー

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