表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/632

さくらというものはそんな理由でわたしの称号になったのさ

まだ春は遠く、フィレンツェも遠く、ブイオ様の「欠片(スターダスト)」の集めやわたしの物語、「森の姫様」の道は遠い

ある冬の午後

わたしは山道を歩いていた。

山道は基本的に(あぶ)なっかしい場所なんだ。どうぶつのような感覚も持たず、歩くのは遅い。怪我すると大変な脆い肌と二本しかついてない足を踏めて

毎日を歩いて今日もあるいて明日も(あゆ)む、

桜のドルイドであり「白神女(しらかみおんな)」の真似物(まねもの)である、(みにく)くて可愛らしい、そして世界一番の偶像(あいどる)にいつかなって、ドームのでかい場所で活動しても魔女として焼かれない

どうでもいい立場になりたいな、と

でも、そんな活動自体が大事(おおごと)に繋がるのだ、と思っちゃう、人見知(ひとみし)りで不器用(ぶきよう)である「木」属性のエーテルの「古代魔術(エンシェント・マジック)」の(たぶん)世界唯一の継承者である「深紅(しんく)悪魔(あくま)」と田舎娘の混入のわたし、ステラ・ロサはこれからも山道を歩くのである。


だいたいの読者は「こんなに説明が長くなるものか」と言うと思うけど(あの天才魔術少年も含めてだ。とりあえず、男子はどいつもそいつも強い剣とかに憧れて。魔術師は剣の専門じゃあないだろ?)

速く化け物が出て、そいつの首を取って領主(りょうしゅ)になったり、お美しい姫様と結婚してそのおっととして王国を継承することになったり、そんな話が快速で繋がれることを、水の流れのようにまっすぐ来ることを望むであろう。自分の父はシンプルな英雄の話を好んだので、だからなんか(きこり)にまな板や丸太を得る時にもこれがどんな優れた腕前で切られたものかを自慢したりしたけれど

(古代魔術をちょっと学ぶことになった今はわかる。それは人間の男の子が体に回る「気力」の素質でそんな「強さの憧れ」が正しい男の子が残っていて、その世代の反復。それが人間の現代文明社会の仕組みになってるからだ)


まあ、わたしはわたしが「その姫様」になるけどね。じぶんも…あいまいな、白い「さくら」という正体不明の花を自称して、だから、自分は現実にあるか否かわからないがとりあえずあると想定しているけれど珍しくてその生えてる本拠地に行くことは非常に難しいと思われても同然である花

そんな花がいっぱい咲いている森とかがあって。そんなところを自分が作るかたどり着くか。「奪う」とかでは無くて。正当な感じで。正統な(りゆう)で。女王から受け継ぐ感じで「白神女の伝説もいいけど、桜のドルイドという子もいるらしい」みたいな。真似て商売をするギルドのように。王国を作って争いをする国のように。でも物語的にはやさしい感じで。ただ人々がおじいちゃんになっておばあちゃんになってその息子と娘と弟子と同僚も「確かに自分も聞いたことある。桜のドルイドとやらを」になるまでに頑張って続くから。


この物語は長いんですよ。


「そしてそんな独り言の中でわたくしがなんで「影」になってるかぜんぜん説明してないな」


わたしのマントの薄い緑を濃い色に染めている星の狼はちょっとは自分の分量に不満があるように言った。


「そうでした。はい、考えてみたらここは「道路」から近い方なので、見られてもやーだなと思って、ブイオさまはわたしのマントの中です」


(みじか)っ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ