表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/630

新しい呪術を作る方法

「まあ、結局こういうのは雑談だけどね」


「そうですね」


特に何かを待つのでもなく、「悪魔」を探すのでもない、わたしの今の状況は、普段の森に帰るために、ゆっくりと狼さまと歩く最中であった。

なんか人気(ひとけ)が無い場所を見つけて、今日の適切な筋トレもやったけど、正直走りなどを飛ばした略式のもので、足りない感じ。

たぶんあっちに見える山がフィレンツェじゃないかな、と、わたしは道を確認しながら森を進んで行く。


そう、今はみんなが利用できてできない「有料道路」があるからね。便利だけど、わたしはお金など無いんだ。

そしてさすがに昼に狼さまが見つけられるのもやーだし、わたしは「やはり、方向や地域がわかる術が欲しいな」とか思いながらくっそ遅く。歩いて行ってる。狼さまの背に乗って走ると、方向がわからないから。ずっと道を確認する必要があるんだ。


だから、どうしようもない話を続きながら、3回めの「賢者の国の滅び」を推測してるわたしたちだった。桜のドルイドのステラ・ロサだった。


「古代魔術の中で「方向がわかる(すべ)」とかはないのか」


ブイオ様はそう言った。


「ううんn、そうですね。あの国は本当に、「悪魔」の知性にも(おと)らず非凡の技術が栄えている国だと思いますが、わたしの記憶には重大の障害がございます」


「もともとあれだろう。ただ散り散りになってる一部だろう」


「それもそうでございますが、決定的に、「わたしの悪魔」、「木」属性の古代魔術しか学んでない」


「どういう事だ?」


「えーとですね、あの子は、もともと「深紅(しんく)悪魔(あくま)」としての自意識が薄くて、「瓶」を召喚するとか、頭を開けるとか、やったこともないみたいですよ。

「やったか否か記憶がなくてわからない」ではなくて「やったことがない。できない」感覚があるんです」


「なんか自分の記憶を探るって、地味で微妙だな」


「そうですね。そして、その欠落を埋めるために「古代魔術」を学んだ。だから「悪魔の学生」がそれ一人だけだった。だから、まあ、「古代魔術」以外は、「悪魔としての」常識も、「賢者の国に住む立場の」常識もあまりない感じで」


「うん…なら、使えないということか」


「でも、その「木属性の古代魔術」はまだまだ記憶戻れると思いますが。」


「おまえがその「賢者の国」の術でなんかの呪文やエーテルの使い方がわからない限り、「新しい術」を作るのが早いかもしれない」


「呪文とか、自分で作れるんですか?」


「おまえも言ったろ。自分の「内側」と「(まわり)」をつなげて、いいなりにするための呪文だと。なら、それが適切に動けるような言葉なら、「いいなりにしたい、なにかの目的性」があったら、実はなんでもいい」


「そうですかね。」


まあ、考えてみればわたしが使える呪文の中で「再回(リサイクル)」を見ると、もともと古代魔術だったから、よくわからない発音のなにかの言葉だったと思うけど、思い出したら現代語で喋ってる。自分はクララとしてあまり常識が無いから、知らないけれど、この現代語も、時間の流れで、色んな国の時代を過ぎて、色々変わっているはずで、「賢者の国」はもちろん、ちょっと前の社会でも、言葉が同じ意味を持つには限らない。でも、働いた。


「つまり、「エーテルの連結」が大事で、その言葉そのものはなんでもいいという事ですか?そして「属性」に合って、結果を産み出そうとする目的性が確実に立っているのであれば、今作った術も働くと」


「まあ、それが全部ではないんだけど、夢の国の規律とかもあるんだけど。もともとそうだろう。言葉はエーテルを作ってもくれないし、勢いや流れを具体的に一枚一枚触ってくれたりもしない。それをしやすく、分かりやすくしてくれるだけだ」


「ほ。」


「なら、言葉の意味がちょっと違っても、言葉自体が変わっても、適切に合うと合うんだよ」


もちろん「型物理性」に逆らえない限りね。

どうやらそれは、もう定番になっている「便利主義」なんちゃらの言葉で突っ込むにもちょっと違う感じで、本当にそれが呪術の本質だという、そんな言葉だったと感じた。


「ふん、そうですか。なら、「夜にも方向と位置がわかる術」を、自ら作りたいですね」


「そういうのが「木」属性でできるかはわからないけどな。なんかあったらいいけど。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ