クララ式エーテル操作、リソくんの場合
もちろん、作るのはレグノの旦那だ。それは変わらない。ウチは文字も読めなくて、ものが動ける秘術が使えるわけでもない。
ただ、ただちょっとのよくわからない見えないものを触って刺激することができる。それがウチの秘術のようなものだ。謎すぎるエーテル能力で、金髪の外国人さんが、もしかするとウチのこの能力を狙って来てたかも知れない不思議な特徴だ。
それで、ウチはこの能力を実際使ってる。
ウンブリアというところのなんか政治的な理由で「毒液」が使われる事件があった。自分が以前、屋敷を建築したという理由で関わることになったレグノの旦那は……その普通の隠蔽の作業をやり終えたと言うが。強盗も払いながら持って来たのは「破棄すべき証拠」だった。つまり、ワインに入っていた非凡の毒が浸けている板だったけど、ウチはその板を触って……毒液の紫を引き起こす、その色を取って旦那の金属の瓶に入れることができた。
それはアルベルト・レグノ氏の経験で見て、非常に稀な能力らしい。ウチらはその件に関しては共犯者たちだから、彼は彼が知ってるだいたいの知識を話してくれたと思うけど、その「ただ暗い痕跡だけを残している板」は、本当にゴミだと言ってた。いいことが一つもない。できることがなくて、使うには弱い。使い切ったエーテルは本当にしょうがなくて、教皇庁の怖い人たちの『ディミティス』というわざだけがやっとだと言った。「だからこの毒液は誰が仕掛けたものか」を知るのがやっとのものらしくて……しかも、それも無限ではなくて、どんどん弱まり結局ディミティスもできなくなるくらいの僅かな残響だ。
ほとんどなくなったエーテルの色をまた見せる。つまり、怪力乱神の観点で見ると、ウチは「ゴミからいいものを作ることができる能力」ということになる。レグノの旦那もそんな非凡使いはあまり見たことがないらしいので、何千年も生きながらさまざまな国を見ていろんなものを勉強してきた、非凡使いも平凡のなになに戦争もいっぱい見てきた彼が知らないのなら、それは確かに相当稀で、彼がウチのことを「夜空から降りた悪魔かなにか」と思うのもまあ、旦那の判定、判断基準が普通の人よりに何倍も繊細で固いのを顧慮すると、確かにそうかも知れないなと思う。ウチは知らんけど、なんか夜空から来たなぞなぞの、極めて稀なチカラを持ってるのだ。それがこれなのだ。
もちろんウチのこれは全然よわい。ただ、何かの糸や意図を動かす感覚しかしなくて、それくらいのことは他の人も妄想するとか強く何かをやろうと思う時に感じる普通の心じゃないの?とも思うけど、思ったけど……
ウチは本をそのまま置いて、作業室に行った。
でも、本当に起こして、動かしたからな。色を。
そこにはいっぱいの机と機材がある。普段彼が設計をするとか発明をするとか自分の部品のメンテナンスを行う時に使われるところなんだけど。その机の一つには、機械装置によって隠されてるその「毒液」があるはずだ。
ウチは別に開けれない。開く方法自体を知らない。自分でそう望んだ。どうせ非凡使いとしての即実践に入れる何らかの能力を持つわけでもないし、体は病弱とかじゃなくて普通だけど普通の10才くらいの少女だ。
なんかパンをくれてる奥さんの話のようにこの家にいるのがいやらしい感じでもないんだ。その人は、なんか家計をするのが得意で、元々事務所で働いたと思うけど、自分の旦那さんが変なことに金を使わないようにしてると言ったけれど……(変なことでどの、どんなに変なことなんでしょうか?)ウチは別にここ、アルベルト・レグノ氏の家のものを全部管理する立場でもなくて、ものの権利を持ってる立場でもないのだ。
ウチはただ1472年の12月の夜、聖堂の前から拾われてきただけの客人だ。普通じゃないらしいけど結構普通のお客さんだ。本当の本当にレグノの旦那が頭がおかしくなってくと、何もできない白い子の少女だ。
ウチは机に手を乗せた。
「かげのいと〜」
自分の「見えない糸」を動いて装置を触ると、他の普通のものを触る時と違って、なんか拒絶される浮いた感覚だ。別に弾かれるとか当たれるとかそういう感じじゃないけど、ただ閉ざされてる。これがレグノの旦那の金属瓶が守られてる、なんか何千年も問題なく使われてる保安装置だな。
うん、また図面を見ましょうよ。
ウチはリビングに戻っで、図面は先の感覚と違って普通に触れる、「見えないエーテルを含めて」触れれるのをまた確認した。
まあ、でも流石にこのような珍しい能力とかを持っている子だとすると、レグノの旦那に自分で働けるまでは、大人になるまでは面倒を見てもらえるかも知れない。もしくは、ちゃんと親しい関係性で、ものを管理する立場にもなるかも知れないから……
思い出すこともできない家族には捨てられたと思うけどな。でも旦那は特別だから、そういうわたしの知らない過去などとは、ちょっと違うかも知れないのだ。




