マナからのヴェリタス
桜のドルイドのステラ・ロサさんが今日の筋トレで何を得るのか、そのあたりにどんな経験を得るのか……
惑星ユゴスの爆発から始めたこの更新の話が、いつどう終わるかは型物理性の理も知らないであろうそのフィレンツェの朝に、
ウチは静かに本を見ていた。
今までの何ヶ月、「全能」アルベルト・レグノの教育は優れたもので、拾われた10歳推定のウチも文字を読めることに……なるわけがなくて。
別に物語に出る不思議な宝物や果実のチカラを得て魔術のようなことがわかるようになるはずもなくて、ウチは夜空の星のチカラを得た普通の記憶喪失の少女だ。能力はなんか「使い切ったエーテルを触ることができる」。その能力がなんか勝手に本を読んでくれたりしてなくて、文字は普通に学ばなきゃいけないらしい。
その記憶喪失からの空白の思い出に、これからの新しいうちの子たちとの経験を想像しながら、レグノの旦那が集めてる絵が描かれた文書を見てる。軍艦、橋、いちばん基本のドアや箱、教会の鐘とミサの場所の構造、窓のステインダグラス。
ベンチや椅子や机やベッドや馬車と防風の幕、お馬さんの具……様々なものの設計図の図面のカタチと、それによる原理はちゃんと学んでるから。文字よりは、ウチにはこの記号たちの意味がよくしっかり来ることがあって。でも慣れてないものの作動原理を推測しながら今後の平凡の金属職人、もしくは何でも屋になれるような勉強、それ以外の勉強をもしてるということだ。
元のわたしがもっと贅沢で色々を学んでいる子だったら今が便利だろうけど、あんまり読める文字がない。でも、幸いにレグノの旦那の話によるとウチは数字を触って扱う才能があるらしいから、数はわかる。少しの計算もできる。エウクレイデスの本はちゃんと見てるから。(絵だけをね)
あ、ちなみに……
今日は建築協会の人とのご飯はないです。正直その方が楽です。
でも伝わってくれたパンをむしゃむしゃ食べる。
今回の「大魔術」はもう終わったと聞く。やはりアルベルト氏が半分警戒して半分安心するように、この世界の怪力乱神のチカラを扱う人の中、この西ヨーロッパの非凡組織、魔術ギルドのマギアたちはとても強い方らしくて、その木と金の属性を両方持つおじさんとは近縁関係だとも言える「毒草」の事件をスパッと解決してくれたのだ。彼は以前運も悪くその「毒液」に関わってしまいまして、でもその時の件は別に彼の責任もないと思うしバレてもないし、今の彼が「沼地」に行ってるのは「仕方ないから関わってる」のではないんだよな。
それはウチが「その方が正しいと思って」言った話を聞き、アルベルト氏がやることに決めた、後継機を制作するための材料の集めだ。
物語とかは最後の宝物を得るとかそれから新しい葛藤の余地があるとかするが。そうではなくて、ウチらは普通にお仕事の代金で金貨の代わりに貰う宝石を使うのだ。
ふん、それは確かに面白い。
またページを捲る。
旦那の話によると、自動人形を作るためにはいったん動く中心になる核が必要だ。いわゆる心臓だ。コアを持って自分を個人だと認識ができるようになると、それは金属の命を持ってつながった体を動き、丈夫でカタチ人生を送ることができる存在として成立ができるけど、今回の後継機というのは、ただどんなオートマトンでもいい、のではなくて、アルベルト・レグノ氏が今まで重ねたものが使える特製だ。次の代なのだ。
でも彼の予備の体のように「同一人物」になってはいけない。だから彼はいったんそれぞれの機体の属性をズレようと思ってると言った。ウチは別にエーテルのことに詳しいわけではなくて、それがどんな理由で「分離」が成立できるかはぜんぜんわからないが……いったんそれができるとしたら、彼はその「全能」の元になる「写の記憶」に彼自身だけではなくて後継機のみんなと一緒に接続して今よりもっと豊富な経験を、知識を重ねることができちゃうのだ。うん、やはりすごいよ。
それで、どんな属性にしますかというと……やはり彼が最近ウチの謎の誘いで使えるようになった金属のマギアや、魔術ギルド、森の命の特徴を思うと、もちろんその6属性だな。金木に火水土風。
それは、もともとそれ以外はないでしょう、ということになるが、後継機たちがこれからも普通の自動人形として世の中を生きるためには、レグノの旦那が持ってる経験を活用して自分たちなりの道を探す必要があるからだ。
ウチの見えない影のようなエーテルを扱えるオートマトンが出てきちゃっても、ウチらはそれがどうすれば普通に生きれるかを知らない。わからない。だから、慣れてるところから、自分が決めなくちゃだ。
まあ、10歳しかなってないウチとしてはただちょっと年離れの兄弟ができることでもあるし、もともと何千年も生きてるレグノの旦那の「写」を持つその子たちが本当に赤ん坊なんだろうかはわからないことだけど、いったん旦那が戻るまで、ウチもウチなりに色んなことを調べて基礎の見る目を引き上げておかないと困る。




