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イドから張られるスフィア

「その種族の誇りというのはですね」


「うん」


「それ自体が生命力、同然であることだから、別にマギアのようにあえて扱う感じではないですね」


「そう。おまえら深紅の悪魔がこの世界の平凡の非凡使いに先手が取れるのは、その『あえて術を扱うこと』以前にもう心の言葉を縛ることができるから、と何回も言ってるように。平凡のもので体ができている魔法生物などもその平凡の物質とエーテルが混ざってる部分は同じだ。アルマの騎士がエーテルを纏い鋼も壊す怪力を出すとしてもそれは『そうしようとあえて行う秘術』なので、その人の平凡のものとしての本質は普通に人だ」


「そしてアルマが自分のイドをスフィアとして扱ってエーテルを纏うこと自体を、その意思を引っ張って『それしないでね』と邪魔をするから、また深紅の悪魔に何もできないと」


やはり結構厄介な特徴なんだよな。


「違う属性のエーテルは干渉が少ないから」


「ふむ」


4人のマギアがそれぞれいっぱいスフィアを張りながら仲間を守って攻撃魔術が使えるのがそのおかげだったな。重ねれるのだ。


「そう。それぞれの属性のスフィアを重ねて張ることができるように……『見えないエーテルを被る、心のスフィア』が非凡使いのスフィアとスッと重なって入っていくのだ。

そういう物語性は非常に効率がいい。それしか考えてない生き物だから」


わたしは頷いた。


「でも、大魔術師くらいになると、そのスフィアの濃さ。広さと重さと素早さなどが大きすぎて、それでもエーテルの相殺(そうさつ)が行われる」


だから本当の本当に全ての非凡使いが深紅の悪魔に対抗できないわけではないけど……


「そう。そして、()()()()()()()()()()()()()()のだ。『あ、あれは強いや』になるから、闇に隠してチャンスを狙うんだ。闇を好むというのは、平凡のものではないから、平凡の光があってもなくても別に変わらなくて、平凡のものは平凡の光を使ってものを見るからだ。それが奪われた闇を狙うからだ」


「そうですね」


まあ、わたしも似たように深紅の悪魔が「わたしなど、聞いた事もない」状況を利用するのだから。そういうのは狩人は全部同じだ。


「深紅の悪魔がいちばんいい例えだから言っただけ。これが人の子が魔法生物に根本的に勝つのが難しい理由で、非凡使いを必要とする理由でもある」


わたしは昨日の夕ご飯、ミカエルくんの嫌がる顔を思い出す。


「なんか、平凡のわざがいっぱい発達したら対応できるようになるんじゃないですか?」


「道具とか武器とか?確かに今現代の平凡の大砲などもドラゴンに当たるとダメージが入るだろうけど、でも魔法生物はそのまま『24時間働ける非凡使い』のようなものなので。平凡の武器などを扱うのが平凡の人である以上、根本的な対策になれない」


「そうか」


「なら、魔道具を使って、それがマギアの普段の力量も超えて動けるようにするといいじゃないか、という判断もできると思うが。それもまた決定的な問題があるのだ」


わたしはまだ思ってなかったけど、ブイオさまの話を言われてみれば、「水の堂の建物」のように、ずっと水を回してくれる施設のように、ずっと武器として使える魔道具が作れるといいのだ。でも、もう決定的な問題がありますと?


「決定的な問題ですか?」


「責任問題になる」


「ええ……それはなんか神秘的な話ではなくて、頭痛い平凡の社会の話だ」


「そう。平凡のものが魔法生物に対敵できる方法を言ってるのだから。そのような強いものを使って、その方向が自分の国に、王宮に向けられるとどうする?決定は誰がする?責任は誰が取る?利得はどう分ける?複雑な話になる。

誰もそんなものを維持させたくないはずだ。

もし……凄い権力を持つ帝国ができてそのチカラをあえてずっと持とうとしても、元々非凡使いは全員メンヘラの一日にちょっとだけ働けるものたちなので、凄い権威がなかったらやる気を失っちゃうだろう」


「それはそうですね。心のお仕事ですから……」


「で、やはりわたくしのような考え方では昨日の話に戻って『元々そんなことが同然にできる種族や道具を作る』のが一番簡単であるけど、これも平凡の技術で容易くできることではないと思うのだ。

平凡の物質を、お前の花びらを触っていじるような細かいことができるような優れた技術がなければ、そんな『やってくれる道具』などは作れないと思うよ」


「まあ、人力、牛さんやお馬さんのチカラが使えるものにすればいいのです。そのチカラを普段から蓄積していて放つことができる何らかの方法があるといいけど……」


「それを誰が作る」


わたしはわかりません、のジェスチャーを取った。


「わたしはドアの仕組みもよくわからないですからそういうのはアルベルト氏のような平凡の技術者の中で、エーテルを見て聞くことができる人たちが頑張って欲しいですね」


「それはそうだな」


よし、今日はいったん昨日に続き自分の「杖道」が治ったかを先に見る。何して過ごすかはその次の問題だ。

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