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過去は今から見るには遠すぎて

「だからわたくしがおまえに強いた知識。杖道のことが別にこの世界の平凡の社会と繋がってない昔のものだという認識がなかった。それがいちばん濃く出ている、適切に導出(どうしゅつ)されていた情報だったから、それがおまえの杖とよく合うように感じたからさせたんだ」


「そうだったのか」


この世界から「本当に(エンシェント)」だと言われているのは、一応古代ギリシャだ。今も普通に国々があるが、アリストテレスだアレクサンドロス3世だ言う、その国が古代ギリシャ。

今の平凡の学文の知識人たちが()()()()()()()()()()はその時期のものだ。これからもそうかも知れないな。

でも、そういう所の知識に、いったんわたしが知るには「泥を焼いて本の代わりにした」国のことはまだ聞いた事がない。わたしが別に熱心に調べてないのも理由であるが(あやしくなるだろう)ふつうにそういう国の話がないからだよ。

でも、ブイオさまが「星化(スターライズ)」を終えたあと、わたしを見て「()んだ……」と絶望ではないけど絶望に近い感覚で探したのが「それでもこの子が戦える知識」だったけど、運よくそれがすぐこの世界の夢国(ドリームランド)で、その「どこかの国の兵士の訓練法(くんれんほう)」の(かたまり)が探せたと言うことだ。(「兵士の国」という名前は、別にそういう名前の国があったわけではなくて、「賢者の国」みたいに、それがいちばん適切だから適当に呼んでいるだけだ)


「いま考えると、おまえが『灰色の呪い』になってから75000年が過ぎていて、わたくしではないとしても深紅の悪魔が復活するに十分な夜空のもののエーテルがあったと思う。エンブリオ少年も隕鉄(メテオライト)はそこそこあると言ったのだ」


「ああ、そうですね」


「だからもともと深紅の悪魔を深紅の悪魔だと呼ぶ、その少しの粒をわたくしが見つけることができたから、ここの言葉でおまえに教えた」


わたしは頷いた。


「なら、わたしの杖道を携えて深紅の悪魔とやり合った人が、大昔(おおむかし)の『兵士の国』にもいて、その(ニュー)で先ブイオさまが言った『情報の中の、焔流累颯(えんるるいさつ)優先順位(プライオリティ)』が高くて、つながりがあるものに該当(がいとう)するから、その話が先に浮かんで流れていたかもしれません」


「そうそう、そういう順番かも知れないな。訓練法は普通に兵士のための、平凡の社会のためのもの。でも、それを握ってエーテルを見て聞く才を持って深紅の悪魔と対敵したものが、もしいたのなら……そのアブソリザルトが少し残って杖道の真名(マナ)に付けてきっかけになってくれたかも知れない」


先のブイオさまの説明が難しくてちょっとわからなかったけど、わたしはクララとしても物語の権威者(オーソリティ)なので爆速にわかった。それは、連想する過程を機械(マキナ)の立場でやったのだ。この世界の記憶を、ブイオさまがちょっとお借りする事ができた、ということだった。


「杖道……は、もうわたしの我流(がりゅう)のものになった気がしますが。教わったおかげで素早く身に付けることができました。

もともと『賢者の国』からも人のカタチはぜんぜん変わってないですから……その中間のどっかの時期である『兵士の国』の方法は、今の時代のクララちゃんを基盤にして成長した姿であるわたしもぜんぜん使えるものだった」


「深紅の悪魔のように姿カタチが適当でそれぞれのものとは違うね。

もちろんおまえの能力(のうりょく)はそのクララとしての『(もり)姫様(ひめさま)』の理想、そして深紅の悪魔として自分(イド)を感じるどうぜんな体のサイズ、速さなどから来るものだけど、今のステラ・ロサさんの姿は普通に人の子なので方法も基準も注意点も同じなんだ。だから学ぶことができた」


「そうですよ。深紅の悪魔のように、ぴょこっとぴょこっと羽も足も変わっちゃう生き物ではなくて助かりました」


「まあ、それもちょっと言い方が変だと思うけど」


それはそうだった。わたしは平凡の薬師さんでもあったのだ。


「おっと、お城が見えます」


そこで、ブイオさまは走るままゆっくりと(かげ)(やみ)そのものになって溶けていて、わたしはその速度で解けつつのブイオさまの体の下に足を延ばして……すぐ歩き始める。あとでファンタジアにすると、これがいちばんかっこいいカタチだろうと思って考案(こうあん)した。


「深紅の悪魔がいったん復活したら、それをずっと放置するのは本当におすすめできないことだ。そいつらは闇を好んで頭いい奴らを狙って自分の心身(しんしん)がいちばん可愛い。だからその『バレない(ライン)』を極めながら犠牲者を増やす可能性が高い。扱うエーテルは普通に見えないから、概念的(がいねんてき)に脳みそを攫われたか否かも他の人はエーテルが見えてもわかりずらい筈だ」


「逆に、心の言葉ができる最悪のカタチの生き物だと自慢しても良いかもしれません」


「自慢していいものなのかな」


もちろん、なんでそういう生き物が誕生したのか……も同然だ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。本当にそれだけ。その星に生まれた平凡のものもどうぜん心の言葉になれているもので、心の言葉から生えた深紅の悪魔はそれを「きつねがうさぎを食べるように」捕食してたからだ。それはわたしの半分だからそれ自体を否定するつもりはないけれど、またの半分のわたしの立場ではそれはボコして妥当な悪者(わるもの)でもあったので、わたしはまた、その半分の深紅の悪魔として同然に、自分の情報の漏洩を避けて心身を可愛がって、人の前に立ってそいつらとの生存競争(サバイバル)をするしかない。


「こんばんは」


先の門番だった。


「あ、魔術ギルドの人。本当にすぐ戻った」


ギルドの登録を確認して、わたしはけっこう家のように感じ始めたフィレンツェの市内にまた入る。

エンブリオ少年が来るまでは、本当にわたしがわたしとして独立して生活することになった、合法的な身分だ。

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