チート袋:闇属性(ネロ)の説明
「思ったんですが、秘術は山を割って湖を飛ばすチカラを持つのに、昨日倒された『巨木』はあり得ない量の草木を作り出して自分のスフィアの範囲に雨も降らせるすごい術を使うのに、それより遥かに大きくて危険なぶにゅぶにゅの神様は山も噛んで星も噛んで世界も噛めるものなのに、
なんで普段のカバンでいっぱい持てる術くらいもないのですか」
「ない、というかおまえとわたくしが今平凡のものに関して使える方法がないという事だ。色彩技はなんでもありだ」
「なんでもありか」
なんでもありだったらしい。
「エーテルの構成を数えると、わたくしは仮初の隕鉄でできている星の亡霊で、おまえは非凡のものの小麦粉のような存在だ。わたくしは普通に非凡の流れ星の一部として、『Great Comet of 1472』の一部として隕鉄ではあるし、深紅の悪魔のおまえが古代魔術・木をきっちり学んでるから、その勉強して変わってる性質で草木の粉、みたいになってるのだ」
「そうですね」
それが先の「固有魔力だけでずっと生きるしかないのではなくて、学ぶと遅くても変えれる」という事なんだろう。属性まで変わっちゃってるぜ。
そして他の深紅の悪魔の奴らは、もともとわたしに本当に興味がなかったから、どいつもこいつも「なんだこの木属性を扱うやつは!」になってるのだ。最小、今までは全員そう。なにが「なんだ」だよ。見た覚えも〇のかよ。
でもやはりそう変わってるわたしの「花びら」って、本当にこの世界の「平凡のもの」でもあるんだろうな。それを……完全に失うと、その部分はブイオさまのエーテルの勢いは持ってるまま、気の通路がなくなるようなものだから、もしかすると食べれるんじゃない?ほんとうに小麦粉くらいの熱量は持ってるかもだ。
想像したらちょっと気持ち悪くなっちゃった。そして、それくらいになると流石に「星化」が完全に溶けて「灰色の呪い」が発病しない保証もできないよ。桜のドルイドのステラ・ロサさんの「花びら」は食べないでください。注意マーク。
「それをこの世界の夢国から貰った物語性を使って、わたくしは星の狼になり、おまえはクララの祈が介入して、白神女の影響が入った桜のドルイドさん」
「そうですね」
ちなみにブイオさまはわたしが捏造した、わたししかその物語性の権威がない「深紅の悪魔にチカラを与える神様」という話も持っている。
まあ、これが嘘ではなくなる方法って、「深紅の悪魔として、それが否定できるものが本当にいなくなる」「ほかの非凡のものがそれを知って認める」くらいだから、それは本当に難儀なことだ。
そしてそういう難しい事がある事もそれ自体が、型物理性のデメリットというものみたいなものなのだ。
情報量が多いと、無理だから。
「だから平凡のものとの関わりがあるものとしてはわたくしは本当に影の狼なだけ。おまえはドルイドだ。平凡の薬師をするしかないけど、バカで結構かわいいフラマたちはみんなおまえをドルイドだと認識してるから」
「そうなんです」
その子たち、非凡科からの重大告知が来てるのに、ぜんぜん聞いてない。もちろん今の雰囲気を嗅ぐと、わたしも別にこれは大事なお知らせまでは来てないものだと感じるので、フラマたちがその点呑気なのもなんとなくわかる。
フラマはどうぜんのことしか言わないからだ。
ちなみにエンブリオくんはなんなのかを言うと、彼は「四属性なので」わたしの呼び方をぜっっっったいドルイドから変えるつもりはないと思われるけど、それはギルドを出ると、つまり聞く耳がないと「ステラさん」から自然と「ドルイドさん」になるのだから。ちゃんと切り替えているやつだ。面妖だ。
今は寝てるのでしょうか。
「だからその『慣れている平凡の物質』が草木やわたくしの欠片などに制限される。
此度見る事ができた⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎のチカラの残響も触れないわけではないけれど、それはわたくしがやりたくありません」
「はい」
誰でもボコられた縁は別に因縁として認めたくない筈だ。
「だから、わたくしはスターダストやそれからチカラを得てた深紅の悪魔のエーテルはずっと持てる。それが元々わたくしのありのままの姿で慣れた生き方……というか機能だからだ。
おまえは、草木に関してはそういう無限袋みたいなものがもしかすると後でできるようになるかも知れないが、多分白神女さんも普通に荷物を神獣に運ばせた筈だから、別にそれは普通のドルイドのわざでもないのだ」
「そうですね」
「なら、結論なんなのかよ……になるから、わたくしが知ってる『チート袋』の方法を教えると、荷物の質量を騙す方法がある」
「質量を騙す?」
「うん……石ころを一個持ってみなさい」
「はいです」
なんなんだろう。
「構造はこうだ。これは本当に先のおまえの言葉のようにわたくしも『そういうのが働くと言うのは知ってるけど、自分はできない』ことなんだが。
今手に持っている石ころをそこに持ってると言うこと自体を、スフィアを騙して、触れれる・見れる他のウヌスを完全に騙して、自分自身まで騙すと、それは完全にその分『どこに行ったかわからないもの』になるのだ」
わたしは疑問で、ちょっと首を傾けた。
「手品の超強いバージョンですか」
やってみますか。
別に上手くないけどなんか袖のところに石ころをこう運んで、指で掴んで、石が見えなくなってる角度をブイオさまに見せる。
「うん、見えないな。
そうだな……そうかも。手品の超強いバージョンみたいなもんだ。
手品は他は騙せるけど、自分にはその重さがもちろん残る。注意を込めて調整しないといけないのだ」
「あ、落ちた」
「平凡のものだから。でも、それが本当に秘術の影響力の感覚で、それをやると、重くなくなる。それをいっぱい繰り返して、ものをいっぱい運ぶ事ができるのだ」
「それもちょっと思いますが」
「うん、全部手動だよ」
わたしはベロを出して「楽になる方法はないのかよ」と思った。
やはりなんも考えずに息して寝れるのは凄い事だったかも知れない。




