宝石新星(ほうせきしんせい)
膝丸をされて、おれは気が付くと、裸の状態
彼女のマントを巻いていた。
「ドルイドさん、その…体は大丈夫か?なんか…大変そう」
教会のステンドグラスみたいになってるけど、
少女の皮膚は所々が割れて、明るい光を放っていた。
「おっと…これは大変だ。いけない」
少女はちょっと困惑そうにそう言って、置いていた杖を拾い、
「なんと言えば働くか…?」
初めて聞く呪文を云った。
「廻、外と内側、飛散した灰色の花弁よ、
見えない、生きてない、喜ばしくない非凡を隠して、我を塗れ
「再回!!」」
少女の呪文の詠唱が終わると、杖の赤い宝石から光る魔力の花びらが出て、
皮膚の割れた部分を通ると、綺麗に治り、まるで硝子の性をしていた質感も、人のものになった。
「上手く行ったな!」
初めて成功したようで、もしくは、凄く久しぶりにやった感じで、少女は隠しきれない喜びを纏い、笑った。
白い花が咲くように笑った。
「あはは」
実はおれは、正体不明の化け物に襲われて、病でくっそ痛くて、インフルエンザになった時の何万年分の夢から覚めたばかりでそんなにいい状態とは言い難いであったが、
その純粋さには、ちょっと嬉しくて、自分も知らずに、微笑んだ。
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始の時代
1473年
1月1日
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「先が本当に長いだろうけど」
モチモチに戻った太ももにおれの頭を乗せたままに、ドルイドさんは一旦
伸びいいいいをして
あくびして
「まあ〇(ゼロ)よりはマシだ」
おれの髪を弄った。(なんで?)
「あ、少年。服は病のせいでなくなったよ」
「そうですか」