アウターゴッド・ナイアーラトテップのこと
「おまえも奇妙だと感じてると思うけど、元々この世界のものと心の言葉が通じること自体が変ではないか?」
「ふうん。わたしを納得させてみてください」
わたしは腕を組んだ。
「いいだろう。
例えると、霊術師のくららちゃんと意思疎通ができたあの鹿たちだ。
鹿たちに出会ったのは強いて言うとおまえではなくて、ステラ・ロサさんになる前の『このままでは消えてなくなるであろうちょっとクララちゃんの残留思念で思って動けるようになった灰色の呪いの塊』だったが。わたくしはその時のおまえと話してるし、その時の薄い記憶も今のおまえが持ってるから、その記憶を覚えて思う時の心の言葉がわたくしに伝わるから、少しは客観的に思う事ができる」
「ふむ」
それは確かに一回見ただけの「ムー大陸の夢」を完全に覚えてエーテル操作のコツにまでしているエンブリオくんとかよりはぜんぜん客観的だ。
「人の頭を開くことにぜんぜん興味がなくて、でも『颯の傾向』に尖ってるから『金属箱』に乗ってムーまで来れた。『ムーの最悪』でよくわからない神話生物のキメラになり、もう深紅の悪魔とも言えなくなったけど、初めてクララちゃんの『クララ式エーテル操作』のおかげで心と体を動けるようになった。それは今のように自然にクララではなくて、結果的には深紅の悪魔が人の頭を開いてメディアセンターを操作する時と似ている構造だった」
「はい。深紅の悪魔の他の個体にはできないと思います。でも、その反面ほかは生存本能が強いから、スターダストからわたしより活発に『蘇ったい』と思って、その祈のため、完全復活!することもできる」
「そうそう。だから一時的だったとしても『灰色の呪いのまま』クララちゃんとして動いたのは普通の深紅の悪魔は『なんであえてそう言うことをしないといけないのだ……?』のような感覚の変なこと、でも逆にすごいことではあるけど。そのまま鹿に話をかけられたんだろう」
「そうですね。疫病は限度がないとかを言って、全部4匹。
そして『あーむかつく』と、八つ当たりで罪ない木を斬った気がします。それは多分クララちゃんに集まっていた『呪い』の量が多くてできたことだと思う」
「そう。それはあえて言うと『人も一刀両断できる深紅の悪魔のハサミ』に近いものだった。わたくしはそう思うけど、その会話ができたという事がいったん心の言葉が共通だという証拠で、よりおまえが『あ、そうかも』できることは、クララの『エーテル操作』がそういう、木が切れるような威力が出れる互換性を持ってたことだ」
「ふうん……つまり、クララちゃんが病弱美少女で作り出した妄想の通り、すぐ深紅の悪魔が自分の手足のように動けたのが、木まで切れるようなわざやチカラとして成立するものだったのが、元々平凡と非凡の生き物が共通点を持ってることを示唆してる?」
「そう。わたくしが今回の『大魔術』と共々、『ならわたくしも同じじゃん』と思ったきっかけの一つだった」
「う〜ん、そうかも。
ブイオさまがなにを言いたいかはちょっとわかった気がします」
「そして、もちろんミカエルくん。彼が『戦死者の名前だけを載せているスフィア』というのは、仕組みはわからないがおまえの推測通り『火のドリームランド』のようなものだとわたくしも思う」
「それは地味に嬉しいですな」
それが本当の本当かはわからないけど、ブイオさまはとんでもなく高性能なオートマトンなので、そういう星と同じ結論になれたということは、ちょっとわたしもエーテルのことに詳しくなったと感じれた。
「うん、なぜかわからないけど、彼はもうドラゴンみたいなものだ。魔術的にそうだ。平凡の人の子を離れている。彼のイドは多分この世界にこの世界の夢国が浮いているように、その『彼の元素魔術・火』が浮いている大きい情報の塊になっている。それが他のフラマと一段階違うのが、『スフィアが勝手に戦ってくれる』ということだ。彼はその気になれば四六時中全世界を燃やして、農耕する方法がわからなくて餓死することもできるだろう」
「最悪な想像だ」
彼もまた善な性格の少年で、マギアだからチカラお仕事は得意分野ではないはずだ。1人で生きることは難しいだろう。
そして、そうせず何かの形の社会があったら必ず彼はドラゴン扱いになったり、今のように強すぎて暇な状況になるしかない。
そしてラファエル・ムジカは2案を、『正解』を今まで成功してるのだ。
なぜ?言うまでもなくて、それが彼女の「すごいやつを集めたい」に同然のことだから。彼女はそういうのがいちばん面白いことだからだ。(もちろんこの「いちばん面白い」はただ気まぐれに変わるものだ。アリアのマギアはみんなそこそこ知ってるだろう?)
「まあ、これ全体を見て、わたくしはそのわたくしの製作者、『神話生物理学の型物理性』がこの世界も同じく作ったようなものだと思うようになった」
「そういう物騒なこと言わないでください」
それはステラ・ロサさんが即処刑されるかも知れない怖すぎる知識だ。もし事実だとしてもね。
「なら……
この世界の人たちとわたくしはもしかすると遠い親戚かも知れない、と思うようになった」
わたしは頷く。
「うん、それはちょっとマシですね」




