クロマ・クブスの製作者
「そして、実はわたくしは別にそのなぞの宛にわたくしの意思を届いている気もしないのだ」
「例えると、わたしに『馬鹿を言え』と思っても、それがどっかに、なんか謎の星のワンちゃんに届いたりしないということですか?」
「そういうことね」
「確かに。術師として感じますね」
「そう。だから、今まで別に変なのを感じなかったよ」
「ふむ」
それはけっこう奇妙なことだった。ブイオさまもだからここまで「変だな~」くらいでいたと思うけど、もともとターゲットを決めてエーテルを回すのが術だ。それはドルイドの秘術も、マギアの元素魔術も、ムーの賢者の古代魔術も、そしてどうやら神話生物理学が全部含む存在である以上、共通だ。
もちろんそれも越えるなんらかのスーパー規格外の存在が居るかもしれないけれど、ブイオさま曰く、「ぶにゅぶにゅの神様さえも」規模の差がありヒストリカル・アイデアの種類があるだけ、基本は同じらしい。なら、ブイオさまが「ターゲットが上手く示せてないのに」適当過ぎるわたし、ステラ・ロサさんが働くのは、作られるのはおかしいということだ。秘術はそんな感じに働かない。
やはり、クララとしてわたしの「クララ式エーテル操作」が天才過ぎたのではないだろうか。
「それはない。それは平凡の子が思いつくには確かに珍しいと思うけど普通に『心身を動かす術』のようなものだ」
「まあ、わたし『白い子』として病弱でしたから。
ならなんなんでしょう。改めて言うけどブイオさまは今までその部分がおかしいと思ってなかったんですよね?自分の『気の通路』が上手く行ってないのが変だと。それの理由はなんですか?マキナだから?」
「そう、マキナだから別に思ってなかった。なぜならわたくしはそういうのをやるのがはじめてだから、『わたくしには』そうなると思った。狼の星の夢国に凄く干渉ができると言ったろう?それもそれで役割を分けて、制限されていたんだ」
「それはブイオさまだけが故障した場合他の人が働けると言うケルベロスの作戦か」
「多分な。だから、わたくしのエーテル属性の世界ではそれが普通だと、もしくはわたくしの元々の機能ではどうぜんだと思ったけど。
今回おまえが出会った『キメラ・プラントの主』のことを見たら、本当に魂兵の仕組みも同じで、彼女にはわたくしを作り出したぶにゅぶにゅの神様の気配さえ感じて、『ならなんで』わたくしはおまえにそうではないだろうか。ちょっとそれを思いついて、そのあとの何時間考えてたらどうやらわたくしは別にそういう制限はないという結論を付けたのだ。
他の、ウヌスとして喋って行き来するクロマ・クブスと同じく……深紅の悪魔と同じく、気の通路を端末に伝えるのがどうぜんだと思って、やっと違和感を感じたのだ」
その話は逃せないものだった。
「はい?キメラ・プラントのその紫色髪の姉さん、ぶにゅぶにゅの神様なんですか?」
「たぶんその一部だと思うけど。そしてわたくしの爆発と同じ、■■■■■■■のチカラを感じたのはおまえも同じだろう」
「はい、だから違うんじゃないか、ということです。『この世界の部分の』その森の姉ちゃんがぶにゅぶにゅの神様だとか変です。非凡の流れ星で混ざったのでしょう」
「それは正しいと思うけど……『その人ももともとこの世界に居るぶにゅぶにゅの神様』もあってると思うよ。この世界にそういうのがいるんだよ。
格があるから、そんなに縛られずに混ざってコントロールができてたんだ。正気だったろう」
「なんだと……」
確かにその人は狼の星を壊して深紅の悪魔たちが、なんか今のわたしは思い出せない「金属箱」を使って宇宙旅行をしなきゃいけなかった理由そのもの、アウターゴッドのなんとかのチカラを纏ってるのに、わたしに普通に「桜のことは自分で調べた方がいい」とかまともなことを言ってくれた。
でも、怖いな。この世界どうなってしまうんだ。
「もともとこの世界と間接的に繋がってる『ムー』も灰色の呪いが持ってる記憶のぶにゅぶにゅの神様が維持してたもので、その人もたぶん今も生きてるだろうけど、今更この世界に関わるそういう人が1人2人増えても変わらなくないか?」
「それは違うんです、ブイオさま。複雑度があがっちゃう。わたしは今の聖堂の権威にもけっこう慣れてるから言えるのです。ムー大陸の話を見なさい。なんかミカエル学長だけが接近できる奇妙な思い込み以外は、『その思い込みとかもできないほどに』平凡の社会から離れていますよ」
「そうだな」
「でも、先まで一緒にアストラさんを仕えた平凡の使用人さんを覚えてください。その人、普通に森の妖精さんの話が憧れだったんですね、子供の時期に。今もそうかも知れません。つまり、それは平凡の話になってるものなんです。そういう根本、もしくは凄いチカラを持ってる存在がぶにゅぶにゅの神様だとか、ありえません」
「でも、その性格の悪さはわたくしの製作者と凄く似てるけど」
「性格の悪さ」
そうとう生意気な機械だった。




