クワトロがいいことだけのはずがない
「俺の原論は予測可能性だ」
「予測可能性」
「マギアとしてのチカラが足りてるところに行って、聖堂の権威が求められるところに傭兵のように呼ばれて行く。それ自体は家族の立場ではとても不安で厳しいことだけど、他の平凡の軍人も傭兵団も似たような立場だ」
「そうですね」
「だから本望まではない。本当に死にたくないが、その対価を貰って生きてるので仕方がないことだ。ただ、バカみたいな間違った情報に巻き込まれて平凡の矢を撃たれるのは本当に避けて欲しい。だから俺は日々そういうのが火の堂の、元素魔術とも離れた平凡の学文としてとても大事なものだと思う」
「なるほど」
この話を見る読者さんに随分と説明ができてるか不安だから改めて説明すると、彼、火の大魔術師のミカエル・グエラが「もう彼一人でよくないですか?」するように感じれるのは、まあ……事実だ。殺し合いと、その結果の生き残りを言うとそうだ。
でも、違う。彼は今は火の堂の長という立場がある。以前はギルド唯一の大魔術師であり、家族の「グエラ家」にけっこう縛られたから、その立場でも「勝手に最強」として……「ぜんぶ焼いちゃいました」は困るのだ。どんなに凄い、強いマギアだとしても、制御できない大砲人間は危ないものだから。
ドラゴンのようなものになっちゃうのだ。
だから彼はむしろ、今の「無限に留守」である立場になるしかなくて、それがいいことなのだ。みんなに。
ミカエル教授は「そろそろ失礼ではないんだろう」と、本題に二回目に戻った。いいですよ。
「俺が参加した戦闘の一回、薬師さんの家族のエンブリオくんは助かった。本当に偶然のようなことで、俺はそんなに鮮明に覚えてないけど彼には文字通りの生と死の両面だった。その彼が生き残ってギルドに入る事になってしかもフラマだけではない『四属性』だと言うから、俺は本当に驚いたよ」
「はい」
「ドルイ……薬師さんはギルドの『天才』について正しく理解してると思うけど、そう。彼は本当に稀だ。端的に言って、『専門マギアとして四属性を同時に1人前に成長したものは今までいない』」
「ほへ」
「だから彼は俺のことを無茶苦茶尊敬してるし、もう『水』と『土』の2人も入っていて、四属性それぞれを専門にするマギアたちの立場では化け物がみんな出て来た。それを、エンブリオくんは見たのだ。だから『その一人目がおれになりましょう』と言って、ギルド長は『凄い奴を集める』ことが実は願念のような人だね」
「はい、たぶん秘密だけど」
「ギルドの外ではそんなに大声で言うことではない」
「承知しております」
「そのような状況だ。エンブリオくんは『四の堂』の学習をぜんぶやり遂げて、本当に4種類のエーテルの色もわかるようになった。でも、昨年の年末まで見ると、そのそれぞれを一人前、はちょっと無理があったんだな」
「そうですか」
「結論から言うと、彼がどの理由か、今年から非常に超天才になってしまって、それもまあ『それぞれの堂の専門マギア』としては普通だと言えるかもしれないけど、それを4倍ではないよ」
「はい?」
「四倍ではなくて、エンブリオくんができてるのは、4回重ねたようなものだ。その、エーテルのスフィアをね」
「ああ、わかりました。今回の大魔術で『火に絞ります』と毎日毎日言って、大丈夫かな、となってましたが、上手くできたらしいです」
「まあ……薬師さんはただ『見て聞く』人だから、その4回重ねるというのがめちゃくちゃ凄いことだとは言っておこう。
そう。それは、実は彼が『四属性のマギアを本当の本当にずっとやること』を諦めたら、フラマとして同然のようにすることだった。それだけをやっていくと、彼の場合、他の『水・土・風』のスフィアがどんどん弱まって、フラマとしての力量が上がると言うことだね」
「なるほど」
でも、彼は普通に昨日の夜に「浄化」もできたと言ったのだ。水のスフィアとしてね。それはまだまだ弱いとしても、非凡使いとして化け物だ。
「ちょっとわかったか?一体薬師さんがどんなきっかけになっているのか俺たちはわからないが、本当に彼は『ギルドのお顔』はわからないが、『1人前に四属性の元素魔術が全部できる最初のマギア』にはなれるように感じる」
「ふうん」
「なにその態度」
「いや、ちょっと嬉しくて」
考えてみれば他のマギアからエンブリオくんの評価を聞いたのがほぼ初めてかも知れないから、以前もあったかも知れないけどこの様にいいことばかり言われるのは初めてかも知れないから、嬉しいだろう。
「うむ、それはそうだ。フラマたちは単純だから、堂の俺を除いた、彼と俺を除いた皆は『愛のチカラだ』とか言ってるけど、まあ、それが正しいとして難点があるのだ」
「愛を失うと壊れますか?」
「ご名答。まあ、そのうちの一つの属性も上手く残れないかも知れないね。
わからないが、良くはない。ともかく、そう、『予測不可能』になるのだよ」
「なんと」
「だから言ってたんだ。薬師さんはエンブリオくんをどうしたいか、と。
でも、今話してるうちに、俺も別にきみがそんなになにかの目的性を持って彼に言葉を仕組んだり、よくわからん方法を使ったりしないと思う様になったから、本当にただの話を聞くことが上手な人だというのはちょっと理解した」
「そうですか」
「もともとアストラさんとそんなに無限に付き合えるのはギルド長もちょっと疲れるよ」
「それが一番驚きですが」
わりとアストラさんの話し方は、マギアの中ではアストロロギアたち以外は苦しいものだったらしい……ありゃりゃだ。
ミカエルくんがドルイドさんとうっかりする部分は作家が本当に指が滑る部分を活かしたものです。




