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ブラックホール

「そうかもですね」


そんな感じで会話は終わった。その後は、アストラさんが自分の弟子の弟子くらいであるギルドの非凡の占星術師たちに仕事を投げるために直接メモを分ける必要があるから、わたしは彼女のその作業を手伝いながら、時間がけっこうすぎる。もう時間は夕暮れになるところであった……

……ではなくて!!!


「ちょっと待った」


その前に、アストラさんがカットをした。


「なんですか」


「いったんステラちゃんは飯を食って戻るように」


「別にいいですけど」


こう言いたいのなら、(さき)使用人さんがちょっとでもパンでも持ってきたらよかったんじゃないか、ともちょっと思うのけれど……

でも、そういう待遇と身分の差は仕方がないことで、(わたしは使用人さんたちと同等だ)それよりは食堂の飯がぜんぜん上品(じょうひん)だ。わたしは今なんとなく「(ゆう)(はん)食べて筋トレ行くと間に合うな。しばらくの(あいだ)、別にエンブリオくんも家にいないからな」とかを思っていたけれど。


(わたし)が気に食わない」


でも、アストラさんはちょっと面目(めんもく)ないようにそう言った。


「はい、なら行ってきます」


どうやらアストラさんにはそれが気持ちが不便だったらしいから。それをまた合わせるのも、また大事な仕事の一部だということだ。でも、アストラさんはそこも、ちょっとわたしの心を見抜くように(おぎな)う。


「わかってるよ。きみはどうせ『他の理由』も好む性格だ。だから、その納得のために言おう。

私は1人でぼっとする時間も必要なんだ。きみもそういうのはわかるだろう」


「そうですね」


「だから、きみを食堂に送るのはそれも兼ねるのだ」


「納得しました。すみません」


そして、わたしは使用人さんに食堂に行ってきますと伝えてから、けっこう急いで中央堂を降りた。昼飯抜きだな、と思っていたので、食堂の時間に間に合うかわからなかったからだ。

その(あいだ)面識(めんしき)を通っている(アリア)の教授たち、中央堂(セントラル)の事務をする人たちもちょっと通った。


「こんにちは」


「こんにちは」


「大魔術のこと、お疲れ様でした」


「はい、マギアの方々が本当に大変だったと思います」


「お疲れ様です」


「こんにちは」


そのように、普段と少し違う、出場して戻った魔術師の職員のような挨拶はちょっと変だ。

わたしは本当に「奇怪巨木(きかいきょぼく)」のクズをちょっと()()っただけなのに。そしてアストラさんがメモることを補助してただけだけど、なんかわたしも大魔術の本題に参加してた模様(もよう)になっていた。


まあ、中央堂でお仕事してた人たちよりは現場なんだけどな……そして、観点(かんてん)によってギルド長のラファエル・ムジカ殿をサポートしたとも言えるから。彼女はこの人たちの二重の(おさ)だ。中央堂で、風の堂でだ。


そういうのを考えながら、わたしは今日の昼飯の野菜スープをもらって口に入れた。

うむ、とてもおいしい。


⬛︎魔術ギルドの食堂。

昨日出発したマギアたちは本当の一部のように、まあ、実際に一部だから、普通に人が多い昼飯時間だ。服の色を見ると、やはり(デュラ)が少なくて(フラマ)が多い感じだ。(そして、水の人は飯抜きも多くて、風の人は相当勝手だ)


そう。そうスープを()いながら、わたしは「フラマの単一属性の人はなかなか後回(あとまわ)しをする」とも思うし、先のアストラさんの話を考えていた。


世界の中心が自分か。やはりマギアはそうではないと「(イド)」と「(スフィア)」「(ターゲット)」などを思って生きれないんだよな。エンブリオくんだけが特に変ではなくて、それぞれそういう戯言を握っていないと非凡使いとして生きれない。そしてそういう人たちが神父さんの言葉のように「言葉と考えの罪」まで全部問題視されるのなら……困るのだ。しかも、魔術には幻想魔術(ファンタジア)でそういうのが暴かれたりもして操られることもあるのだから、問題にすると絶えないもんだ。

そして、そのような考え方は自分も同じ。自分がクララとして、そしてステラ・ロサという名前で自分自身を名乗ることができるくなった深紅の悪魔(ミ=ゴ)として考えた「この世界が自分の国だ何々」も同じなんだな。

そういう思想(しそう)を噛んだ。

もぐもぐ。


フラマのマギアさんたちが挨拶をして通ったので、わたしもちょっと食べながら答える。


そうそう、中心。

先の中央堂のアリアさんたちを見て感じたことだけど、今回の大魔術に限っては、そして彼女が「占い」で維持してた何十年の魔術ギルドの彼女は確かに中心(コア)だ。その本人の(ウヌス)は別に大事(だいじ)でもなくて大事(オオゴト)を直接やってない。あまり知られてもないが……でもないと、なかったら成立しない。例を言うと、彼女が「レヴィアタンの海賊」事変の後、なんとなくカタチは維持してたギルドは、今のマギアさんたちはそうだったということすらもあまり知らない。「四属性の偉業」でもない「もう過ぎた過去」なので。でも、それは逆に言うと、この現代に、15世紀の一番イケている国のフィレンツェに「彼女が頑張ってギルドを維持できてなかった今」を生きれるマギアは1人もいないのだ。

そういうのが平凡の絶対結果(アブソリザルト)のようなもの。ただそういうことで……


「あ、だから中央堂が『(ネロ)』なの!?」


わたしはやっと「あか、あお、きいろ、みどり」とそれを飾る黄金と黒色の「中央堂」「大魔術師」「ギルド長」の(しるし)()てに、

それがなんの意味がある?と問いながらも地味に発言権を持って存在している中央堂の黒色の人たちを思って……その繋ぎを感じて……

別にゾッとしてはなかった。

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