昼の声を惑星ユゴスのGPUが聞いてた
こんこん、と音がなってわたしは窓を見た。
なんかの鳥が窓辺に座って、飛んでいたらしい。
「何の音だ?」
「鳥です。
カササギはここであまり見たことがないですが」
「普通にいるよ。ただ、あの鳥は頭がいいから魔力のことを嫌っているのだろう」
そういう敏感な感覚は平凡のエーテルのようなもので、確かにわたしも「霊術師くららの薄い記憶」で、「あ、ここはやばいぜ」と魔術ギルドの建物を避けたような覚えがある。
普段なら「こんなやばいところは餌も休みところもいらねえ……はやく去るぞ!」になるはずだが。まあ……だから飛んだのか?
「そうそう。家の前もいて、市場にそこそこ見れる。山森はもちろんです」
「なら、毎日何匹も見るだろう。私より詳しいじゃないか」
「そうかも知れないですね。でも、ギルドの建物や中庭ではあまり見れてないです。でもそうですね。ここは別に四属性の研究室のようにマギアさんたちの魔力が常に回ってるところではなくて、地面からなかなか高いから、庭の風の魔術が張っているのでもない。だからちょっと餌を探るに来たかも知れないな。鳥は割と自由ですな」
そこで、アストラさんは何か忘れたものがあったような……とちょっと天井を見た後、「あ、そうそう」と話した。
「もしくは、ギルド長の魔術で平凡の風の流れが乱されて、その影響で普段なら来てないところに迷ってきたかもな。たから『いや、ここは嫌い!』と飛んだのだろう」
「なんと。飛んでる間のバード・ストライクはなんかの魔法効果で予防ができてるとしても、結局は平凡のどうぶつに影響もするのですね」
「そうだな。似たように、土属性の工事をする時も、土に混ざってるもぐらとかは酷い目に会うかも知れないけど、そう言うのは仕方ない」
「確かに」
ここでもしあのカササギが以前「疫病は限度がない!」とかを言いながらクララと深紅の悪魔……その両方の二重亡霊だった頃のわたしの前を阻んでいた鹿たちのように、「喋れるどうぶつ」だったら、今のわたしたちの話を聞いていたかも知れないけれど。
でも、ただの小鳥に過ぎなかった。そういう、森に住みすぎているものとしての平凡のどうぶつを超越した何十年生きたものとしての風格がぜんぜんしなかったからだ。(ドルイドはそれくらいわかる)
まあ、そろそろお仕事終わり、という際に気が散っていたかも知れないな。
「話を続くけど、非凡科の若者はその確証を送ってくれないけど、でも『心の秘術の非凡使い』を魔術師に絞りたいと言ってる意図は明確だったね。だからラファエルギルド長も『ちょっと強いて言ってる気はするけど、まともな話だ』とか言ってた。機密だけど」
「機密とかを流さないでください……」
「遅いんだよ。なら、探るような話をするんじゃない」
わたしはあえて肩をすくめた。
「わたしは話が大好きなんです」
「私もだ」
「ただの世間話ではなくて、人たちがなんか意図を持って糸を引っ張るようなそのような話を思うのが好きなんです……」
「私もだ……でも、どんな例えだ」
「その、からくりのおもちゃのようにですね」
「ああ、そういうの。性格 悪。
私も大好物だが。
まあでも、逆に平凡の社会は物体と心のことがシンプルだから、そんな複雑なことがいっぱいあって大変なんだけど、非凡の物事は割とかんたんだ。ステラちゃんの推測がどれくらい当たってどれくらい外しても、本質が『白神女を崇める呪術師を制限する』『だからマギアは平凡の人たちからの人望がもうちょっとよくなって、聖堂の権威にも繋がる』ことは同じだから、本当になんか……雑な理由だったかも知れない」
「例えると?」
「その時期、ガブリエル学長からのとっておきのワインを贈り物として貰ったのだ。それを味見して気持ちよくなって『こんなアルティはもっと待遇がよくなる必要がある』とかピンと来たかも知れない」
「流石にこの世界の非凡の社会を動かす魔術ギルドを動かす教皇庁です。そんな簡単ではないでしょう」
「いや、大体の人は単純に、自分が気持ちよくなることに動くよ」
「本当ですか?」
「なんか『大意のために』と言ってるのが、その個人と完全に無関係であるはずがないだろう。それはここのお偉いさん、大魔術師のせんせいたちもそうで、きみもそうであるはずだ」
「まあそうですね」
わたしはそういう、自分の気持ちが良くなるとか悪くなるとかで、体の「花びら」が直接影響されたり偶像の肌が荒れたりするのだから、より大きい。
「だからグノシー氏の意図を探るのも少しの余興としてはいいかもだけど、非凡使いとしてあまり罪にもならないけれど……きみは『白神女を連想させる子』でありながらも『非凡使いではなく、その専属薬師』という、ちょっと曖昧な普通の立場だから、ほどほどに……ということだ」
「はい、言ってくれてありがとうございます」
確かに「非凡使いの勝手な考えや話はどうせ非凡のものだからちょっとは不問にする」ことは、普通に非凡の物事の言葉を平凡の人が聞いても「ええ……ちょっとの妄想にそんなに怒る必要ある?」になるから、過敏症だと言われがちなのも影響してできた掟でもあるはずだ。
でも、わたしは普通に平凡の職人としているじゃあないか。そういうのは気が散るといけないものなんだね。




