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目標を保つ事、自分の色を続く事

「その袋有用そうだな」


「小さいからもっと大きいのを使いたい気持ちもありますけど」


薬師としてブイオさまに乗って行き来するには、今わたしの傍にあるギルドのカバンのようなデカいものはちょっとよくないと感じる。風の様に走れないからだ。きっとカバンに叩かれてわたしが耐えないのだろう。だから、その妥協案(だきょうあん)としても腰につける袋カバンが適切なサイズでいいものなのだ。でも、一日採集した薬草などを持つにはいいとしても、占星術の本などを持つには大変だから。そういうのは、わたしは実は「薬用植物学」の場合あたまに入れていて解決したけど、ちょっとむちゃぶりなんだな。


「そうだね」


「ピサのものです」


「うん?自分で裁縫するとかではないんだな。意外と普通だな」


「だから普通に生きるしかないのです、わたしは」


「そういうことか」


実は、うさぎの皮などを使って自分で袋やカバンを作る気満々だったが、それをあきらめてたから今に至ると言うことだ。そのように、「なんでも自分でできる」人だったら……他を気にする必要がないから、一人で生きれる。わたしの性格では、人と喋れるとそれも好きだからより今のフィレンツェの生活がいいものになってるけど、人の性格はそれぞれで、コミュニケーションを取りたくない人もいたり、わたしの場合も「生活を維持するための」仕事を別に市町でやらなくても実は行商人などと話すあたりで満足できそうでもあるから、今「いやだ!わたしはぜったいフィレンツェに住みたい!!!」としてここに来ているわけではない。


「さてと、

話を切る感じになったんですが、今はわたしがただ『見て聞く』チカラで変なものが見えただけでした。

先の話をまだ()めておくと、ギルドがわたしのことを『白神女のような子』としてその曖昧な感じの親交を維持したいと言うのなら、それは自分も凄いメリットがあるものだけど、それ自体がわたしの目標や理想のようなものか、というと……ちょっと曖昧です。ネロさまに素直に言うと、ただ毎日生きてるだけです」


「うん。いつも言ってるな」


「わたしのこの『毎日筋トレして風のアルマのような元気を得る』ことが本当に維持できるかも実は保証はない。そういう感覚がするだけの、非凡(エキストラ・オーディナリー)のものだからです。わたしが『ギルドの顔になるだろう』と呑気に思っているエンブリオ少年がこれから難しくなることもあるかもしれないし、『白神女のことを崇めるものを禁ずる』教皇庁の政策がより直接的なものになるかも知れない」


「いや、(わたし)の感覚では最後のもんはないと断言する。なぜなら、もともとその政策の目的は『そのちょっとの権威(えらさ)』だから、別に平凡の兵団や聖堂とお偉いさんの関係や色々子供には刺激が強すぎる泥みたいな話とは別に関係ないからだ。

つまり、お金にならないそれだけの話だ。

ただそういう処置で十分であると、若いフォルトゥーナ・グノシーが言ってるのと同じだ」


「ネロさまがそう仰いますとそれはわかりました」


確かにこのばあちゃんの立場でも「そんな時こそ」こんな子を私たちが一緒にしているということを間接的に見せることができると、聖堂の意思を尊重しながら同時に魔術ギルドの権威が強くなることができる、という話だから、そうではない場合のことをいっぱい思っていたのだろう。

むしろ、だからこそ「楽観しすぎる」ことも警戒すべきだが、ここで要点は「それでもこの人たちにわたしのことはどうでもいい方なので」正しい判断であるだろう、ということだ。


「だからまあ、あえて言うときみはギルドの頭おかしいマギアたちに適切に頭痛が痛いときの粉薬をくれるお仕事ができるということだ」


「めちゃくちゃ安定してる職場だな……」


ほんとうにそうだった。


「はは」


「でも、このように『だからこそ君はなんになりたいんだ?』が曖昧なのもまた白神女の影響なんです」


「そうか?」


「そのばあちゃん、別に神獣というどうぶつと行き来する目的性がないですから」


「うん?」


「なんですか」


アストラ・ネロは急に頭を傾けて思いながら……(まばた)きを何回して言った。


「白神女がなにかを目的を持って動いているという発想自体がなかった」


「はあ???」


「いや、それも仕方ない事だろう。もともとマギアは心のお仕事。目的性、ターゲットに合う魔法効果を出して平凡の物事に関わる術を使う。それの根本の一部としては確かに魔術理論でも間接的に白神女を認めるよ。教科書(グリモア)には書いてないけどね」


「書いてないんですね……」


わたしもエンブリオくんに聞いて確認したけど、マジでなかった。そういうのが権威のためにあることをなかったようにするそんなもんだろう……


「でもそれとも別に、彼女がなにかの目的性ややりたいこと、やるべきことがあってこの世を生きている印象がなかったのも事実だよ。適切に人助けをしたり、大きい木を生やしたり、よくわからない『子供向けの健康の話』を教えてくれたり……そういう印象しかないな」


「彼女は自分ができないマギアたちが勝手に術を真似て続くことを望んでいるのでしょうかね」


「非凡科の推測によると『望んでいた』んだね」


「まあ、そういうもんは本当に証拠があるまでは信じませんよ」


「そうなんだな。私もそうで、たぶん非凡科の人たちも期待してもいないだろう」

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